サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

ロシア語サロン番外編「ロシア語でお人形作り」報告 その2

2015年02月25日 | ロシア語サロン
さあ、それではいよいよお人形を作りましょう!

最初に作るのはカラコーリチクです。



ナタリアさんはこんなかわいい布を用意してきてくれました。


各自好きな布を選んで さあ始めましょう!
小さな布を丸めて顔の芯を作り、まず最初に一番下のスカートの布をかぶせて糸で縛ります。


その上にさらに2枚のスカートの布を被せて しっかり縛ります。


これでスカートができました。今度はその上に白い布を被せて縛ると これが顔になります。

また両端もそれぞれ糸で縛るとこれがブラウスの袖になりました。細い糸をしっかり結んで固定するのが
意外に難しくて苦戦してますが、、



「糸はきっちり結んでくださいね!顔にしわがよらないように布を伸ばしてね!」と
熱血指導のナターシャ先生!


頭と体にプラトーク(スカーフ)を巻いて やっとなんとか完成!
左が先生の作品、右が生徒の作、 やっぱり先生がお上手ですね。でも心はこもっているはず、、


ここまででだいぶ時間が過ぎてしまったのですが さらに希望者だけがもう一つヴェスニャンカも作ることに
なりました。もう疲れた人は休憩。

ヴェスニャンカの方は細長く折った布を縦にして 体と顔を作ります。これにスカートをはかせて



胸のところにはひだをとってたたみます。


そしてヴェスニャンカの特徴である髪を作ります。様々な派手な色の糸やリボンを組み合わせて 先ほど
作った顔の先端の部分に通して


その髪を三つ編みにして完成!

おしゃれなレースのエプロンもさせてみました。

「ヴェスニャンカは簡単よ」と言うナターシャさんですが、、けっこう難しかったですよ~

ロシア語サロン番外編「ロシア語でお人形作り」報告  その1

2015年02月25日 | ロシア語サロン
2月22日(日)午後2時から ロシア語サロン番外編「ロシア語でお人形作り」が
開催されました。今回はロシア語サロンの歴史上初めて 「女子限定」のサロンになりました。
今回のゲストは ベラルーシ出身のナタリア・アレーシュカさんです。
笑顔の素敵な彼女は美術工芸学校出身のアーティスト。


いろんなお手製のお人形を見せていただきました。


参加者の方が「ロシアのお人形ってかわいいですよね。お土産に買ったことがあるんですが、」という
話をされたところ、ナタリアさんは「今日作るお人形はお土産や装飾品のお人形とはちょっと違います。
気持ちを込めて作り、特定の相手に贈ったりもらったりするもので 売買することはありません」との
答えが返ってきました。

最初に短いスピーチをしていただきました。
「スラブ民族の文化の中では人形はただのおもちゃや装飾品ではなく、心を込めて作られ、大切にされ、
日常生活の中で独自の役目を持っていました。これらの人形には顔が描かれていません。顔が描かれると
人形は心を持つようになり、それが魔術に利用されて呪いをかけられたりすることをスラブの人たちは
恐れたのです。

人形作りは女性の仕事でした。男性は作っているところをちょっとのぞくことすら禁じられていました。
人形の出来栄えは家族や一族の運命にも関わるとされ 女性たちは真剣に人形を作りました。
「マースレンニツァ」や「イヴァン・クパラ」のような行事や祝日、家族の記念日、結婚や子供の誕生
などの時に人形は作られ、旅に出る人があればお守りとして持たせ、また健康や富や愛の成就を
祈ってプレゼントされました。

鋏や針を使わないで作られた人形は お守りとして最も価値があるものと考えられていました。
布を断つ時もできるだけ鋏で切らないで手で裂いたのです。

今日みなさんと作るヴェスニャンカというお人形は春が訪れるころに女の子たちが作った楽しい
人形で、髪の毛をきれいな、変わった色にするのが特徴です。これは若さと美のお守りとして
女性たちがお互いにプレゼントしあいました。男性にプレゼントすると この男性がずっと若く
元気でいられるように人形が守ってくれます。

今日作るもう一つの人形「カラコーリチク」は よいしらせをもたらす人形とされています。
教会の鐘の音は人々をペストやその他の恐ろしい病気から守ってくれるものと考えられていました。
この人形は横から見るとスカートの形が鐘のように見えます。また上から見ると丸く広がるスカート
が太陽を思わせます。この人形は3枚のスカートをはいています。人間の人生にも三つの要素が
あるからです。体が健康で、心が喜びに満ちて、魂が平安である時に人間は幸せになれるのです。

カラコーリチクをお互いに贈りあって 人々は大切な人に良い知らせがあるように、楽しい
気分でいられるようにと願ったのでした。」

これで 今日の人形作りの集まりが女性限定になったことと 鋏や針を持参する必要が
なかった訳がわかりました。

ロシア語サロン番外編 -ロシア語でお人形作り !

2015年02月06日 | ロシア語サロン
お待たせしました!

ナタリア・アレーシュカさんを先生に ロシア語でお話しながら お人形を作りましょう!

今回作るのはвеснянка(ヴェスニャンカ)と


кукла колокольчик(カラコーリチク)


という2種類の小さなお人形です。このうちどちらかひとつを選んで作ります。

スラブの文化の中では人形は子供のおもちゃではなく もっと大きな意味を持つものでした。
女性たちは 悪い霊が入ってこないように戸口や窓にも人形を置きました。旅に出る人にはお守りとして
人形を持たせました。お互いに人形を贈りあって 家庭の平和や安産を祈りました。

またこの人形には目鼻がついていません。これは目鼻を付けると 人形が霊を持つようになり
魔術で呪いをかけられることがあるためだそうです。

こういう人形作りは昔から女性たちの仕事で男性はその様子をのぞくことすら
許されませんでした。というわけで 今回は女性だけの集まりということにさせて
いただきます。

日時:2月22日(日)午後2時ー4時

場所:愛知民主会館 3階ロシア語教室
   (名古屋市東区葵1丁目22-26 地下鉄東山線新栄町駅2番出口より徒歩2分)

ゲスト:ナタリア・アレーシュカさん
                   
    ボブルイスク(首都ミンスクから140キロ)出身のベラルーシ人。
    ボブルイスク装飾美術専門学校卒業後ミンスク教育大学で絵画、製図、
    工芸を学ぶ。民芸品製作会社で働いた後、9年前に来日。日本人と結婚、
    8歳の女の子のお母さん。

参加費:1200円 (日本ユーラシア協会会員は1000円)

参加条件:女性であること

お申し込み先:日本ユーラシア協会愛知県連事務所
       電話::(052)932-7211

       mail: kokoshka2011@gmail.com
         (お申し込みはできるだけメールでお願いします)




ロシア語サロン番外編 ロシア語で手芸?

2015年02月05日 | ロシア語サロン
2月22日(日)2時よりロシア語教室でロシア語サロン番外編を開催します。

今回のゲストはナタリア・アレシュカさんです。ベラルーシ出身の彼女には
これまでロシア語サロンやサモワールお茶会など何度も協力していただいて
いますが 今回は彼女からの提案で 「いっしょにマスコット(お人形?)を
作りましょう」ということです。

たとえば こんな風なものです。(あくまでもご参考までに)


彼女は 今計画を練っているようで 最終的にどんなものを作るのかはまだわかりませんが
とりあえず日程だけをお知らせしておきます。

最近は教室で机に向かって先生のお話を聞くのではなく 「英語でガーデニングを習う」とか
「フランス語でお菓子作りをする」というお教室もあるようです。

「ロシア語で手芸」というのはいかがでしょう?

第92回ロシア語サロン参加者から

2014年11月14日 | ロシア語サロン
11月9日の第92回ロシア語サロンに参加された方々から感想を寄せていただきましたので
ご紹介します。

富田國資さんから:


古希を過ぎてロシア語サロン

ロシア語サロンには、今から10年以上前に二三度参加しましたが、その後はご無沙汰しておりました。今回久しぶりに
参加させていただきました。また、新しくなった会館に入ったのも初めてでした。これまでも協会の会員ではありまし
たが、10年以上の幽霊会員だったわけです。わたしの幽霊会員中もロシア語サロンは続けられていて 、何と今回は、
92回目とのこと。よくぞこれまで続けられたものだと、感心するばかりです。服部先生のご苦労、情熱は並大抵では
ありません。

ユーラシア協会は、旧日ソ協会を引き継いだ組織ですので、ロシア語学習は組織の大きな柱の一つであります。私も
以前は山崎タチアーナ先生の会話の部に通い、ご教授いただきました。様々な学習コースがあるわけですが、習得した
ロシア語の使用機会はなかなかありません。そんな中でロシア語サロンは、実際にネイティヴの話を聞き、それに
対して質問したり、討論したりして、学習成果を実際に試してみる絶好の機会ではないかと思います。

今や世界は英語万能の時代です。EUのお偉いさん方の会議でもほとんど英語が使われています。英語以外は、仏語、
独語も含めて、すべてローカル言語と言ってもいいくらいです。そんな中でロシア語の勉強は無駄なような気が
しないでもありません。

先頃、協会の天野常任理事のご主人のノーベル賞の授賞が決まりました。天野教授は皆がもう可能性がないと諦めていた
マイナーな研究を続けられ、多大なご努力の末、ついに輝ける研究成果を上げられたわけです。英語に比べればロシア語は
マイナー言語です。しかしマイナーだからこそ、返って可能性は大きいとも思います。天野教授がそのことを証明されました。
老い先短い私もこれを機会に、ロシア語サロンで大いに学ぶつもりです。


澤田素子さんから:

ロシア語サロンに参加して

今回は日本ではお会いする機会の少ないモルドバ出身の方がいらっしゃると聞き、とても楽しみにしていました。
私のモルドバに対する知識はほとんどなく、これを機に少しでもモルドバのことを勉強できればと思い参加しました。

 モルドバについてのお話は、私にとってどれも驚くことばかりでした。モルドバ語もそのひとつで、私はロシア語に
近い言語かと勝手に思い込んでいましたが、ロシア語というよりもルーマニア語に近いそうです。モルドバ語の他に
都市部ではロシア語も使われていますが農村部、特にルーマニア国境に近い辺りでは、あまり好んでロシア語は使われ
ないとのことでした。そのような事情を知らず、私は旧ソ連の構成国はどこでも、ロシア語さえ話せればいいのだと
思っていました。確かに多くのところで未だロシア語は通じるでしょう。しかし独立した各国について「旧ソ連の構成
国」というだけではなく、各国独自の言語や文化、民俗性についてもっと理解を深めることが必要だと感じました。

モルドバはいままで私にとって「旧ソ連の構成国のひとつ」に過ぎないものでしたが、今回のお話が「ひとつの国として
のモルドバ」として興味をもつよいきっかけになりました。


第92回ロシア語サロン報告  ワインとおいしい料理の国モルドヴァ

2014年11月11日 | ロシア語サロン
11月9日(日)午後2時からロシア語教室で第92回ロシア語サロンが開催されました。
ゲストはアレーシャ・サーリイさんです。
ロシア語サロンの18年の歴史の中で初めてのモルドヴァからのお客様でした。


モルドヴァはウクライナとルーマニアに挟まれた小さな国です。公用語のモルドヴァ語はルーマニア語の
方言で約400万人の国民のうち 250万人がモルドヴァ人、ウクライナ人が約56万人、ロシア人が50万人、
トルコ系のガガウズ人が13万8千人、その他にもブルガリア人など多民族が暮らしています。
旧ソ連の共和国に一つだったのでロシア語もよく通じます。ロシア語ができればモルドヴァ語ができなく
ても不自由はありません。モルドヴァ語やルーマニア語はラテン語が元になってできた言葉ですが
ソ連時代はモルドヴァ語はキリル文字で書かれていました。1989年からラテン文字で書くように
なりました。


アレーシャさんはウクライナ人を父に、ロシア人を母に モルドヴァで生まれました。
学校ではロシア語で教育を受け、家でもロシア語で話していたので モルドヴァ語は
聞けばわかりますが 自分では話せないとのことでした。

来日して日系ボリビア人と結婚されてから9年、日本語もお上手です。
でも漢字はまだあまり読めなくて 現在5歳で幼稚園に通っている息子さんが
入学したら いっしょに漢字の勉強をしたいと話していらっしゃいました。
5歳と2歳のお子さんたちはお父さんとはスペイン語、お母さんとはロシア語で
話していらっしゃるそうです。


モルドヴァではほとんどの人がキリスト教徒で 約96%が東方教会の信者です。義務教育は6-7歳からの
9年間。音楽やダンスは古くから盛んです。
輪になって踊るモルドヴァのダンス ホーラはyoutubeで見ることができます。

モルドヴァの民族衣装は 男性は白いシャツにウールか毛皮のベスト、子羊の皮の帽子、革製の靴です。
長さが3メートルもあるウールの帯を腰に巻いています。
女性はスカーフをかぶり、刺繍のある麻のブラウスにスカートを何枚も重ねてはいて
さらにきれいなエプロンをしています。

気候が温暖で豊かな黒土に恵まれたモルドヴァでは野菜やくだものが豊富です。
これに羊や鶏肉を使って 素晴らしい料理が生まれました。モルドヴァの料理の特徴の
ひとつはトウモロコシの粉を使った料理です。一番有名なのはママルィガというおかゆ
で 脂身をカリカリに焼いたものやサワークリーム、羊のチーズや卵を添えて食べられ
ます。

ティータイムには差し入れのお菓子がいろいろ。ロシア風のクッキー「カリツォー」
フルーツケーキ、それにエストニアのキャンディ。ご馳走様でした。


その他にも北部と南部では家の建て方が違うことや手芸品や料理の数々、観光名所や森林公園、古い修道院、、
など様々なお話がありましたが、どの家庭にもぶどうの木があって 自家製ワインが作られていると言う話に驚きました。
ワインは古くからモルドヴァの特産品で 今も多くのワイナリーがあり、フランスから輸入された
ブドウの品種からもモルドヴァのブドウからも質の良いワインが生産されているとのこと。
高級品はイギリスやデンマークの王室ご用達だそうです。

アレーシャさんはとてもチャーミングで楽しい方でした。様々な質問に答えていただきましたが
「モルドヴァで一番有名な日本人は誰ですか?」という質問には「うーん。。」と困っておられました。
「でも日本車は有名ですよ、首都のキシニョフには日本料理のレストランも4軒あるし、、」



(写真提供は山本英恵さん)

第92回ロシア語サロン開催のお知らせ

2014年10月26日 | ロシア語サロン
11月9日(日)午後2時より 第92回ロシア語サロンが開催されます。
今回は初めてモルドヴァの方をゲストにお迎えします。

ロシア語サロンが始まってもう18年、旧ソ連を構成していた15の共和国の
うち9か国の方々にゲストに来ていただいています。

さて この「モルドヴァ」ってどこにあるのでしょう?


黒海の北側に 大きなウクライナと中くらいのルーマニアに挟まれているこぢんまりした国がモルドヴァです。
黒海のすぐそばにありますが 国土は黒海に面してはいません。言葉はルーマニア語おが使われている
ようです。国土の広さは約34,000平方km(九州よりちょっと小さい)人口は約360万人とのことです。

初めてのモルドヴァ人のお客様は アレーシャ・サーリイさんです。
彼女は首都キシナウから36キロ南東にあるアネーニイ・ノイのご出身、家計を助けるため、高校を出てすぐ職に
つきました。友人の結婚式で知り合い、大好きになった人は日本で働く日系ボリヴィア人でした。2003年に
来日して彼と結婚、現在は専業主婦で 5歳と2歳、二人のお子さんのお母さんです。
サーリイさんに日本では情報の少ないモルドヴァについてお話していただきます。

1.日時   11月9日(日)午後2時から4時まで
2 場所    愛知民主会館 3階ロシア語教室
       (地下鉄東山線新栄町駅2番出口より徒歩2分)

2. 参加費 800円(ユーラシア協会員は600円)
お申し込み : 日本ユーラシア協会愛知県連合会
名古屋市東区葵1丁目22-26
電話 052-526-1150
                 Mail: kokoshka2011@gmail.com
                (お申し込みはできるだけメールでお願いします。)


行ってみたい国 魅惑のウズベキスタン、しかし、

2014年06月06日 | ロシア語サロン
6月1日(日)午後2時にロシア語サロン番外編が開催されました。
ゲストは日本語教師として約10か月 ウズベキスタンのサマルカンドに滞在された
天野香寿美さんです。

まずたくさんの写真を見せていただきました。素晴らしいブルーのタイルのモスクや
メドレセ(神学校)などの遺跡の写真、ただただ その美しさに感動です。

町の通りやバザール、アイスクリーム屋さん、レストラン、、様々な写真がありました。
中でも 果物が豊富なこと、おいしそうなこと!
スイカ、すもも、ブドウ、メロン、、日本の果物は「味が薄い!」と言われてしまいました。
その値段の安さにもびっくりです。

ウズベキスタンの通貨はスム。


こちらは結婚式の招待状。

親戚中からお金を集めてのド派手な結婚式、多数の招待客の他に通りすがりの人も呼び込んでご馳走を振舞い
ます。ただ男性は25歳、女性は23歳までに結婚しなければならず、恋愛結婚はご法度で親の決めた人と
結婚するしかない、女性の地位は低く、男性にしたがうものとされている、、などまるで戦前の日本のような
話もありました。

また近代的な都市生活の基盤が整っているのは首都のタシケントだけで 第2の都市であるサマルカンドでは
町にはバスや自動車と共にろばの引く車が走っていて、停電や断水、ガスが出ないということが当たり前、
写真ではおいしそうに見えるウズベク料理ですが かなり塩辛く、オイルたっぷりで天野さんは食べる気に
ならず しばらくは果物でしのいでいたとか、、 ホテルに泊まり、観光客向けの高級なレストランだけで
食事をする観光客には見えない現実の話もありました。

会場には ウズベキスタンを旅行された方たちも来ておられましたが「物価が安く、食べ物がおいしく、
人も温かかった」とよい印象をお持ちのようでした。

「商人はしたたかで 現地の物価や事情のわからない観光客には (にこにこしながら)法外な値段で
物を売ることもある。見くびられてはならない。現地では必ず 値段の交渉はすべき、値切るべし!」と力説する天野さん。
交渉の際に必要となる言葉を書いてくれました。

「私をだますな!」「恥ずかしくないのか!」だそうです。。。
みなさん メモされていましたが、、

ちなみに天野さんの衣装はサマルカンドで 注文したドレス。
縫い物が盛んで 注文するとすべて手縫いで仕上げてもらえるそうです。






ロシア語サロン番外編「魅惑の異文化国家ウズベキスタン」開催のお知らせ

2014年05月21日 | ロシア語サロン

ロシア語サロン番外編を6月1日(日)午後2時から開催します。
ゲストは日本ユーラシア協会会員の天野香寿美さんです。

天野さんは2012年9月から2013年7月までをウズベキスタンの大学の日本語講師として
サマルカンドで過ごしてこられました。

タシケント、サマルカンド、ブハラ、、シルクロードの町は日本人のロマンをかきたてるのか
日本からの観光客は非常に多いということですが そこで生活した方から体験をお聞きする
機会はなかなかありません。
天野さんのお話によればウズベキスタンは「驚くことや不思議なことがいっぱいで」
「日本人の感覚では信じ難い異文化」の国だとのことです。
たくさんの写真も用意していただいているとのこと、「魅惑の異文化国家」のお話を
ぜひ聞きにいらしてください。

1.時   6月1日(日) 午後2時~4時
2.場所 日本ユーラシア協会・ロシア語教室
                (地下鉄東山線「新栄町」2番出口から徒歩2分
                 愛知民主会館3F)
3.ゲスト    天野香寿美さん
             島根県出身。京都での学生時代に趣味としてロシア語を学び始める。
             名古屋に引っ越し、ユーラシア協会のロシア語講座でロシア語を磨く。
             仕事の傍らロシアで日本語を教えることを目標に勉強して日本語教師の
             資格を得る。趣味は映画観賞。
             2012年9月から2013年7月までサマルカンド国立外国語大学 通訳学部
             日本語学科で日本語講師を務める。

4.お話のテーマ   「魅惑の異文化国家ウズベキスタン」

5. 参加費  800円(ユーラシア協会員は600円)
  連絡先 : 日本ユーラシア協会愛知県連合会
  名古屋市東区葵1丁目22-26
                      電話 052-932-7211
Mail:kokoshka2011@gmail.com

お申し込みはできるだけメールでお願いします。

第91回 ロシア語サロン報告

2014年03月18日 | ロシア語サロン
3月2日(日)午後2時からロシア語サロンが開かれました。ゲストはウクライナ人のイーゴリ・ダツェンコさんです。


ダツェンコさんは去年の2月にもサロンに来てくださっていますが、今回のお話のテーマは「ロシアの迷信やジンクス」です。

迷信やジンクスには たとえば「目の前を黒猫が横切ると何か悪いことが起こる」というような、多くの民族に共通するものもあります。
でも非常に多くの迷信やジンクスは民族に固有のものであり、外国人には理解しにくいものです。またそれを信じている人でさえ、なぜ
そういう迷信が生まれたかが説明できないのです。迷信やジンクスの持つ威力はそれが数世紀も何世代にもわたって受け継がれてきた
ものであり、そのために意識に深く根付いていることにあります。

イーゴリさんのお話から:

もし自分や家族や知人についてなにかよいことをいうと そのよい状態はすぐに終わってしまうと考えられています。例えば
「お子さんは元気?」と聞かれて「ええ、うちの子はとても丈夫なんですよ」と言ってしまったような場合、子どもがこれから
先もずっと丈夫でいられるように「おまじない」をしておきます。それは木を3回叩くと言う動作です。

キリスト教が伝わる以前の異教の時代から 樹木にはある種の力があって、自分を守ってほしいと頼めるという考えがありました。
3回叩くのは樹木に限らず、木製のテーブルや棚でもよいのです。この「木を叩く」と言う動作に付け加えられる動作、あるいは
その代わりに行われるのは左の肩越しに3回唾を吐くことです。つまり頭を左の肩に向けて 舌と唇で唾を吐く真似をします。
口の中から 今言ってしまったことをぺっと吐き出すために。
必ず左肩の方へ唾を吐くことが大事です。右肩ではなく。右肩には天使が座っているので その天使は大事にしておかなければ
なりません。左肩には悪魔がいるので こちらには唾を吐いてもよいのです。

敷居越しにあいさつしたり、物のやり取りをしてはなりません。もしだれかがドアのチャイムを鳴らしたら家の中にいる人は
ドアを開いて、やってきた人をドアの中に入れるか、自分が外へ出るかして、挨拶したり用事を済ませたりしなければなりません。
敷居は他の世界との境界線と考えられるので これを挟んで話をするのはよくないことなのです。

もし遠くに出かけるなら(たとえば2-3日でも)家を出る前に(出かける人も出かけない人も全員が)ソファや椅子に座って
静かに、おしゃべりしないで、30秒ほど座ります。
これは、家には「家の精」がいて、家の人が家をほったらかしてでかけてしまうことに腹を立てるので、こうして静かに座ってから
大急ぎで支度をしてさっと出かければ彼らをだますことができると考えたためです。この習慣は出かける前に考えをまとめ、
忘れ物がないかを確認するのに役立ちます。

からのバケツを持って道を歩いてはなりません。からのバケツを持って歩けば出会う人にも 不幸をもたらしてしまいます。
そのため、ロシアの道路掃除人たちは からのバケツにはよくほうきなどの器具を入れています。だれにも不幸をもたらさないように。

その他にもたくさん面白い例がありました。「どうして???」と頭をひねってしまうことも多かったのですが、イーゴリさんも
「どうしてなのかはわかりません。」という答えでした。

面白いお話に思わず身を乗り出して。


女性の髪の毛については なにか不思議な力が宿っているものという考えがあったようです。髪の毛をむき出しにした女性、髪を
きちんと整えてない女性はつねに警戒されました。「ひょっとしたら魔法使いか魔女ではないだろうか?」と。

「家族の髪を刈ってはならず、切り取った髪の毛を取っておいてはいけない。」というジンクスもあるとイーゴリさんが語られると、
参加者のナタリア・カズミナさんが「あー、それについて面白いお話があるんですが。」

彼女からはいつも面白い発言が。


ロシアでも日本と同じように若い女性たちが髪を長くするのが流行っているのですが、髪の毛はなかなか長く伸びません。そこで
日本と同じく彼女たちは「エクステンション」(他人の髪を自分の髪の毛の先に付けて長くすること)をします。というわけで
今では新聞や雑誌に「35センチ以上の長さがあれば あなたの髪を買います!」という広告がいっぱい載っているそうです。

「私もそういう髪を買っていますよ。母は”死んだ人の髪だったらどうするの!!“って嫌がるんですけど、、私は平気!
時々髪の色を変えるので うちにはいろんな色の髪の毛があります。」というので一同大笑いしてしまいました。

多くの迷信やジンクスは現代では実情に合わなくなっていることもあり、あまり気にしない人も多くなっているそうで、、
これはその典型的な例かもしれませんね。

ただし、心から信じているわけではないにしても 気になる人がまだ多くいるのも事実なのだそうで、迷信やジンクスについての
知識を持っていれば ロシア人の行動を理解しやすくなりコミュニケーションも円滑になるかもしれません。

今回もとても面白いお話でした。ダツェンコさんには今年7月のロシア語特別講座の講師もお願いしています。
どんなお話を聞かせていただけるでしょう、お楽しみに!