サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第89回ロシア語サロン報告

2013年10月03日 | ロシア語サロン
9月29日(日)午後2時から第89回ロシア語サロンが開催されました。今回のゲストは7月のロシア語特別講座の講師を務めてくださったエヴゲーニー・トリャスティンさんです。お話のテーマは「日本での起業とその展望」。お話を聞きに集まったのは22人、狭いロシア語教室は満員です。


サハリン出身のトリャスティンさん、高校生の時からプログラミングが好きで将来はプログラマーになろうかと思っていたこともあるそうです。「自分の好きなことをしよう」というスティーブ・ジョブズの言葉にも影響を受けました。サハリン国立大学を卒業後、一年間はサハリンの会社で日本人と共に働き、日本人の仕事の仕方を見ました。2006年名古屋大学に留学、起業のアイデアを思いついたのは2年前、まだ大学院で学んでいる時でした。「日本には面白いもの、便利なものがたくさんある。これをネットで販売したらどうだろう?」まだ学生で時間はあったので このアイデアを実行に移してみることにしました。試行錯誤した後、扱うことにしたのは化粧品(それも自然の素材から作られた製品)そして自然食品でした。

ちょっとシャイな方です。そしてとても早口!


ビジネスは始めたものの、苦難の連続でした。大きな打撃となったのは福島の原発事故です。扱うものが自然素材のものであるだけに放射能の影響を心配する人が多く 顧客は激減してしまいました。

しかし”Самое главное - не сдаваться !”(大事なのはあきらめてしまわないことだ!)と熱く語るエヴゲーニーさん。一人だけの会社で年中無休。時々アルバイトを雇うことはあるそうですが 基本的には自分だけが頼りです。

さて日本の商品を仕入れるために日本中の生産者と電話で交渉する必要がありました。その時の反応が面白かったそうです。東京や大阪、それに沖縄の業者はすぐ話が分かって感じよく応対してくれましたが 田舎、とくに九州の業者は外国人や外国とのビジネスを恐れているのか 取り合ってくれないこともあったとか。「沖縄の人たちは自分たちも外国人みたいな意識があるみたいでした。」

紅茶とケーキで一服した後、


会場からは 「日本では当たり前だけど 外国ではあまり売ってない、こんなものを売ってはどうですか?」の提案がいっぱいありました。5本指ソックス、缶コーヒー、カップ麺、レッグウォーマー、マンゴスチンの石鹸、つけまつげ、セラミックの包丁、洗濯ネット、おたまなどキッチン用品、、、
また無休でがんばっている彼に「ボランティアでお手伝いに行ってあげる」という方もありました。

彼の会社のホームページをごらんください。 zenmony.com (現在 ロシア語、英語、フランス語、アラビア語版だけです)
約300種類の商品を売っているそうです。
「今はまだあまり収益が出ていませんが、もう2-3年したら胸を張って”社長”と名のれるようになりたいです。」というトリャスティンさんでした。
Желаем вам больших успехов в работе ! お仕事の成功をお祈りしています!

今回は前回のサロンのサロンのゲストのナタリアさん、お友達のタチアナさん、そして イーゴリ・ダツェンコさんと 3人のネイティヴスピーカーもおしゃべりに参加してくださり、「ロシア語サロン」らしくなりました。初参加のタチアナさんからは「ロシア語を話す日本人がこんなにいるんですね~びっくりしました!そしてうれしいです!」というコメントをいただきました。