砂漠性気候と年間2000時間の日照時間を誇る、さすがのケロウナも9月に入ってすっかり秋の気配を濃くしています。日中の最高気温が17~8℃、夜間は5℃以下に下がる日も珍しくありません。9月に入ってからインディアンサマーと呼ばれる残暑のきつい日があっても良さそうなものですが、一向に気温が上がりません。ワシントン州北部の山火事の煙がケロウナまで流れ込んで来て、日中の空を曇らせていた9月の初旬ころから、どうやら秋が訪れ始めていたようです。
酷暑が過ぎ去り涼しい気候が来るのを待っていたのか、何処のゴルフ場も真夏以上の混みようです。殆どのゴルフ場が10月末にはクローズされるので、駆け込みゴルファーも多数居るに違いありません。われわれが長袖長ズボンでプレーしていても、カナダ人は半袖半ズポンが相変わらず大多数です。何食べてるんでしょうかねぇ!?
北国の秋は短く、あっという間に冬がやってくるとのことで、スキーシーズンに備えてスキー場のシーズンパスも既に発売されています。乾燥した気候特有のパウダースノーが降り積もる本格的スキーシーズンは毎年一月になってからだそうで、ゴルフシーズンと本格的スキーシーズンに挟まれた11~12月は特にやることが無く、ケロウナで一年のうちで一番退屈な季節だそうです。
この時期に当地の日本人(日系人も含む)が楽しみにしているのが「松茸狩り」です。ケロウナから300キロほど離れたナカスプ(Nakusp)近在の山に入り込み、1日かけて収穫した松茸をその場で焼いたり鍋にしたりで堪能し、近くの温泉で汗を流すのが無上の楽しみと「荻さん」も告白していました。
われわれも聞きかじりの情報を基にナカスプに出かけて、松茸のありそうな場所をほっつき歩いて見ましたが、結果は残念ながら「坊主」。来年の課題がまた増えました。松茸探しのついでに近くの温泉だけはしっかりとハシゴしておきましたけどね。
その途上に紅鮭の溯上で有名なアダムス川に立ち寄ってみましたが、こちらもピークシーズンには2~3週間早いとのことで鮭の大群にはお目にかかれませんでした。異常気象で水温が変化したり、餌になる動植物の生態系に変化が出たのも影響しているようです。それでも日曜日の午後でもあり、多くの見物客が川べりに集まり午後の陽射しを楽しみながら紅鮭探しをしていました。写真のように真っ赤な婚姻色に染まった紅鮭のカップルが川べりの産卵スポットを探しながら右往左往している姿がそこかしこに見受けられます。
生を受けてからキッチリ4年後に産卵のために生まれ故郷の川に戻るのが鮭の習性だそうで、今年は相当な大群が遡上してくるとの予想です。浅瀬には鮭の大群の跳ね上げる水しぶきが飛び交い、川が赤く染まるような光景も見られるとのことです。でも体力の限りを尽くして川を溯上して生まれ故郷に戻り、産卵とともに4年間の命を閉じる姿は凄絶な、悲壮感漂う光景のようですから、「空振り」で済んで後味としては良かったのかもしれません。
日本もすっかり秋めいてきたようですし、松茸、紅鮭のピークを前にして、そろそろ荷物を纏めてケロウナを発つ日が近づいてきたようです。