ケロウナの秋の風物詩、恒例行事、松茸狩りの季節が今年も巡ってまいりました。8月下旬から9月上旬にかけてそれなりの量の雨も降ったので、「頃やよし!」とばかりに、9月17日にナカスプの極秘スポットに意気揚々と出かけてきました。
夏のあの山火事の時には、一日で長駆800キロ近くを走ってくれた友達のKちゃん夫妻と4人で、今度は私が往復600キロを運転する約束で、ケロウナを朝7時半過ぎに出発です。もうすっかりベテランハンターの域に達したカミサンが前の晩から用意した、おにぎり・卵焼き・照り焼きチキン・ぬかみそ漬けの弁当セットに加え、わざわざポットまで引っ張り出して熱いほうじ茶まで準備するという気合の入れようです。
帰ったら即刻すき焼きができるようにと、白菜、しらたき、ネギ、生卵をを買い込み、Kちゃんが牛肉を調達する段取りと、準備におさおさ怠りはありません。なんせ我々は松茸狩り4年目を迎える経験豊富なハンターなのです。
二つのフェリーを乗り継いで行く片道260キロ程度の行程は、途中の景色もすっかり頭の中に刷り込まれ「松茸街道」としてお馴染みのルートです。前の晩に降った雨が空気をいつもより以上に澄み渡らせている感じです。すがすがしい朝のドライブを満喫しながら、4人のハンターの脳裏には、倒木や枯れ葉の間に見え隠れする、あの真っ白な松茸の顔のイメージが、後から後から湧きあがってまいります。
いつも最初のフェリーから降りて給油するガソリンスタンドのオヤジさんも、「もうシャンテレールとロブスターの盛りは過ぎて、パイン(松茸をこう呼びます)が採れ始めるはずだ」と力強い情報です。思わずみんなでガッツポーズ!
二つ目のフェリーは運転手の昼食時間(正午から午後2時半まで)には運行が止まることは織り込み済みですから、早め早めの行動で余裕を持って乗船。写真の通り客はわれらのMVP一台だけ。最終目的地、極秘スポットは林道のずいぶん奥の方になるので、はやる気持ちを抑えて途中の眺めの良い所で車を停めて、先ずは腹ごしらえです。ベテランハンターならではの余裕、見識とでも言うのでしょうか。
信頼の厚い我が愛車MVPに鞭を入れて走ることおよそ40分、いよいよスポットも間近・・・、のはずなのに・・・、忘れないようにと去年写真にまで収めた標識が見当たりません。林道の標識ポストの番号が途中で途切れていて、去年の番号の遥か手前で終わっているのです。?????。去年は通ったことの記憶にない三差路が出現して、そのいずれを通ってみても、番号は一桁に逆戻りで極秘番号に届きません。まるで狐につままれたみたいです。
「ま、同じ森だ、大勢に影響はないだろう」。そこはベテランハンターらしく、冷静に判断をして、記憶に残っている去年の景色を頼りに「それらしい」スポットに入り込みハンティング開始です。
クマよけの鈴を腰につけ、迷子防止のホイッスルを首から下げ、大漁のときに、いちいち車に戻らなくて済むようにとポケットには数枚のビニール袋を忍ばせて、昨夜来の雨で樹の枝や下草にはかなり水滴の残る森に決死の覚悟を持って突入です。
苔むした倒木の間をひたむきに、下向きに目を凝らしながら松茸のあの白い姿を探し求めて森の中をさまよい歩いたのですが、白い顔はどこにも見当たりません。ものの30分も経たないうちにズボンも靴もぐっしょり濡れ、足取りは重くなるばかり。
漁場を変えながら2時間ほど探し回っても松茸は一向に姿を見せません。「ダメなときはダメなんだ。さっと引き上げて次を狙うんだな」。3年前に松茸狩りに連れて行ってくれた時の「江戸っ子H師匠」の言葉を思い出し、次回にリベンジを期すこととして、今回は潔く引き上げることにしました。
どうやら、今年この地方は異常気象のようで、例年に比べて夏の来るのも遅かったので、松茸シーズンも例年より2~3週間遅くなるのではないかとのもっぱらの噂です。「4年サイクルで豊作の年が巡ってくる」なんてオリンピックみたいな話も聞きます。去年豊作だったので、今年は・・・・? 本当かいな?
さすがに素手で帰るのは4人のハンターのプライドが許さず、異文化理解をライフワークとうそぶく私としては、カナダ人が好んで食べるシャンテレールとロブスターマッシュルームの「味覚探求」をテーマに掲げ、釣りでいえば「外道狙い」に方針を変え、「郷に入っては郷に従う」方向に転換したのです。変わり身の早さもプロに求められる資質の一つなのです。
大漁だった白いシャンテレール(Chanterelle)と赤いロブスターマッシュルームのお話はこの次に。
夏のあの山火事の時には、一日で長駆800キロ近くを走ってくれた友達のKちゃん夫妻と4人で、今度は私が往復600キロを運転する約束で、ケロウナを朝7時半過ぎに出発です。もうすっかりベテランハンターの域に達したカミサンが前の晩から用意した、おにぎり・卵焼き・照り焼きチキン・ぬかみそ漬けの弁当セットに加え、わざわざポットまで引っ張り出して熱いほうじ茶まで準備するという気合の入れようです。
帰ったら即刻すき焼きができるようにと、白菜、しらたき、ネギ、生卵をを買い込み、Kちゃんが牛肉を調達する段取りと、準備におさおさ怠りはありません。なんせ我々は松茸狩り4年目を迎える経験豊富なハンターなのです。
二つのフェリーを乗り継いで行く片道260キロ程度の行程は、途中の景色もすっかり頭の中に刷り込まれ「松茸街道」としてお馴染みのルートです。前の晩に降った雨が空気をいつもより以上に澄み渡らせている感じです。すがすがしい朝のドライブを満喫しながら、4人のハンターの脳裏には、倒木や枯れ葉の間に見え隠れする、あの真っ白な松茸の顔のイメージが、後から後から湧きあがってまいります。
いつも最初のフェリーから降りて給油するガソリンスタンドのオヤジさんも、「もうシャンテレールとロブスターの盛りは過ぎて、パイン(松茸をこう呼びます)が採れ始めるはずだ」と力強い情報です。思わずみんなでガッツポーズ!
二つ目のフェリーは運転手の昼食時間(正午から午後2時半まで)には運行が止まることは織り込み済みですから、早め早めの行動で余裕を持って乗船。写真の通り客はわれらのMVP一台だけ。最終目的地、極秘スポットは林道のずいぶん奥の方になるので、はやる気持ちを抑えて途中の眺めの良い所で車を停めて、先ずは腹ごしらえです。ベテランハンターならではの余裕、見識とでも言うのでしょうか。
信頼の厚い我が愛車MVPに鞭を入れて走ることおよそ40分、いよいよスポットも間近・・・、のはずなのに・・・、忘れないようにと去年写真にまで収めた標識が見当たりません。林道の標識ポストの番号が途中で途切れていて、去年の番号の遥か手前で終わっているのです。?????。去年は通ったことの記憶にない三差路が出現して、そのいずれを通ってみても、番号は一桁に逆戻りで極秘番号に届きません。まるで狐につままれたみたいです。
「ま、同じ森だ、大勢に影響はないだろう」。そこはベテランハンターらしく、冷静に判断をして、記憶に残っている去年の景色を頼りに「それらしい」スポットに入り込みハンティング開始です。
クマよけの鈴を腰につけ、迷子防止のホイッスルを首から下げ、大漁のときに、いちいち車に戻らなくて済むようにとポケットには数枚のビニール袋を忍ばせて、昨夜来の雨で樹の枝や下草にはかなり水滴の残る森に決死の覚悟を持って突入です。
苔むした倒木の間をひたむきに、下向きに目を凝らしながら松茸のあの白い姿を探し求めて森の中をさまよい歩いたのですが、白い顔はどこにも見当たりません。ものの30分も経たないうちにズボンも靴もぐっしょり濡れ、足取りは重くなるばかり。
漁場を変えながら2時間ほど探し回っても松茸は一向に姿を見せません。「ダメなときはダメなんだ。さっと引き上げて次を狙うんだな」。3年前に松茸狩りに連れて行ってくれた時の「江戸っ子H師匠」の言葉を思い出し、次回にリベンジを期すこととして、今回は潔く引き上げることにしました。
どうやら、今年この地方は異常気象のようで、例年に比べて夏の来るのも遅かったので、松茸シーズンも例年より2~3週間遅くなるのではないかとのもっぱらの噂です。「4年サイクルで豊作の年が巡ってくる」なんてオリンピックみたいな話も聞きます。去年豊作だったので、今年は・・・・? 本当かいな?
さすがに素手で帰るのは4人のハンターのプライドが許さず、異文化理解をライフワークとうそぶく私としては、カナダ人が好んで食べるシャンテレールとロブスターマッシュルームの「味覚探求」をテーマに掲げ、釣りでいえば「外道狙い」に方針を変え、「郷に入っては郷に従う」方向に転換したのです。変わり身の早さもプロに求められる資質の一つなのです。
大漁だった白いシャンテレール(Chanterelle)と赤いロブスターマッシュルームのお話はこの次に。