ゴルフを始めてかれこれ40年。海外でプレイする機会にも恵まれ、随分と色々な所で色々な人たちとゴルフをしてきました。気の措けない日本人仲間とやるゴルフが一番気楽で楽しいのですが、コースで初対面の外国人と一緒にプレイするのもそれはそれで結構面白いものです。交友範囲が広がるし英語の勉強にもなります。
私が一緒にプレイしたアメリカ人、カナダ人にはけっこう熱くなるタイプのゴルファーが多く、一打一打に喜怒哀楽を顕わにする場面に幾度も遭遇してきました。ナイスショットに喜ぶよりもミスショットを呪い、ミスを犯した自分を罵倒するfour-letter-wordsが飛び交うのですが、それはさておき、ゴルフをしながら会話を楽しむために必要と思われる基本的な「ゴルフな英語」を気まぐれに、気ままに集めてみました。
アメリカ、カナダで私が見聞きした範囲での表現であったり、自分の体験をベースにした「異文化ゴルフ体験記」のようなシロモノですが、日本のゴルフ界で定着している表現との違いを分かってもらって、あちらのゴルフ事情の理解を深めてもらえれば、これも「異文化理解の促進」ということでメデタシメデタシなのです。宜しかったらおつきあいください。
ゴルフが「庶民のスポーツ」として男女の幅広い年齢層に浸透しているカナダに比べると、バブル崩壊後プレー代が安くなったとはいえ、日本ではまだまだ「大人の贅沢な遊び」の域にとどまって足踏みしている状態との印象がぬぐえません。ホテルのように豪華なクラブハウス、レストランでの高価なランチ、温泉並みの大浴場、まさに贅沢な遊びですね。「ゴルフそのもの」以外の部分に必要以上に金をかけ、利用者の負担が大きくなる結果をもたらしているのです。いわゆる「名門コース」で「ジャケット着用」なんて得意げに出している看板が全て取り外されるのはまだまだ先のことなんでしょうね。
受付を兼ねたプロショップ、簡単なレストランとコーヒーショップ、コース内売店、シャワー付きのメンバー用ロッカールーム。これだけの付帯施設です、カナダでは。ゴルフを楽しむための必要不可欠な施設にとどめているから利用料金も日本より安上がりで、ゴルファーにとっては有難いことです。それに比べて練習場は充実しています。芝生から直接打てるDriving Range、アプローチ練習用のChipping Green、パット練習用のPutting Surface。土地の広さが違うといえばそれまでですが、「ゴルフそのもの」が中心になっていることが実感できるのです。
南米のメキシコやブラジルのメンバーシップコースではキャディーが付きますし、東南アジアのコースではキャディー付きが主流のようですが、カナダやアメリカのみならずイギリス、フランスなど欧米では超名門コースを除いてハウスキャディーはいないのが普通のようです。ゴルフを安く楽しむために日本でもキャディーの付かないセルフプレイが定着してきましたが、欧米ではセルフが当たり前です。当然のことながら、ここで取り上げるゴルフシーンもセルフプレイであることをお断りしておきますが、いちいちSelf Playなんて言い方はいたしません。これ和製ゴルフ英語です。
それでは、さっそくゴルフに出かけましょう!!
日本のコースのように仰々しいロッカールームなんて無いので、ゴルフウエアに身を包みコースに向かいます。車のトランクがロッカーです。駐車場でゴルフシューズに履き替え、ゴルフバッグをカート置き場脇のBag Drop(バッグ置き場)に立てかけることから「ゴルフな一日」のスタートです。バッグをカートに積み込んだり、プレイ後のクラブを掃除してチップを稼ぐBag boys, Bag girlsとの会話で一日が始まります。
"Hi, how is it going?"
"How are you doing today?"
なんて愛想よく近づいてきます。疑問形の文章ではありますが、相手も答えを求めているわけでもなく、軽く「やあ、どうも」「こんちは」程度の挨拶ですから、こちらも軽く"Good!" または "Fine!"程度にとどめて十分で、"How about you?" "And you?"なんて付け加えたら申し分なし百点満点です。絶好調なスタートです。
さあ、この調子で次回はプロショップに入ってスタートの手続きです。