星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

バンコック・チェンマイゴルフ事情 (6) チップ編

2009年02月05日 10時40分48秒 | Weblog
日常生活にチップの習慣の少ない日本人は、旅行先でチップの出し方に神経を使います。旅行者相手のレストランなどでは10パーセントのサービス料が勘定に上乗せされていて手間が省けますが、そうでない場合の対処の仕方が難しいのです。

たかがチップ、されどチップ。旅の印象の良し悪しを左右する場合があると言っても過言ではありません。

いわゆる「枕ゼニ」。欧米のホテルですと1~2ドルを枕元に残す、ハウスキーパーへの「ご苦労さん料」はいわば常識ですね。これをタイのホテルでもやるべきか否かが話題になりました。欧米でなら普通にやることを、タイでもやるべきかどうかが話題になる裏には「アジア人同士」だからとの発想が働くのでしょうか。

サービスを目の前で受けて、期待を上回るグッドサービスに対して感謝の意味で出すチップが本来の姿であってみれば、本人の留守中のサービスに対しては「捨て金」に等しいから不要との意見もありましたが、私の答えは「一泊だけならいざ知らず、連泊する場合は絶対不可欠」です。留守中であるだけにチップを置かなかった場合の逆効果を心配する私は、枕ゼニはいつも置くことにしています。

財布を持ち歩かない私は、一日が終わってポケットにたまったコイン全部を集め、枕元に放り出す。それでは少なすぎると思わるる時には20バーツ札を足して置く。

この「20バーツ札」がバンコック・チェンマイ旅行では大変重宝な存在でした。いつも多めにポケットに忍ばせておくのが秘訣です。100バーツ出して「80バーツお釣りくれ」とチップにお釣りでは野暮な話ですからね。

ホテルポーターが手荷物を部屋に運んでくれたら20バーツ。無料のホテルバスでも手荷物の積み下ろしをしてくれたら20バーツ。ゴルフ場のシャワールームでタオルを渡してくれるカウンターのお兄ちゃんに20バーツ。そのほかちょっとしたサービス場面で、こちらの期待した以上にサービスされたと感じたら20バーツ。文字通り「喜捨」としてばら蒔くのには、この20バーツ紙幣はまさに手ごろな金額なのです。

ホテルにしても、レストランにしても、ゴルフ場にしても、マッサージ屋にしてもサービスの対価としての基本料金を払いさえすれば、最低限必要な「機能的満足」は得られるのでしょうが、そこに働く人々のモチベーションの原動力はチップの多寡に違いありません。ただ「いただく」もので堂々と「要求」できない性格のものだけに受け取る側の立場は弱いものとならざるを得ませんが。それだけに、さりげなく20バーツを手渡してあげると、20バーツ以上の力を発揮し、次の機会のサービス内容に格段の差が生じること請け合いです。

このチップの原理原則に違反した、とんでもないキャディーにも巡り合いました。
途中で携帯電話かけたり、ティーグラウンドで順番待ちの途中で居眠りしたりした他のキャディーよりはマシだったし、パーもそこそこに出たのでチップを出そうかと思案して金勘定していた矢先に「100バーツ!」なんてぬかしやがった。「もう二度と来ないから、あんたにはキャディーフィーだけ。このどアホ!」

その対極にいるのがこの写真のトゥクトゥクタクシーの運ちゃん。交渉して運賃値切られても、最後に渡したチップの10バーツでこれだけ愛想よくご機嫌でした。

今回の旅行中に出会った男性も女性もおしなべて控え目で優しげで、仏教文化を共有する安心感からか、外国旅行中に感じる緊張感とは無縁の一週間でした。それなりのチップを出したがゆえの「悪くされるはずがない」との安心感だったのでしょうか。