「河のほとりで」
尾崎美子 作
クニモトミチコ 画
てらいんく
今日は本を1冊ご紹介します。アトリエモラ(先日の作品展でオカリナミニコンサートをさせていただきました)の國本先生が絵を担当されています。「河のほとりで」、「おばあちゃんの「時」」、「雪迎え」、「足あとを追って」の4編が収録されています。どれも主人公は受験を間近にひかえた小、中学生で、両親や友だちなど自分をとりまく人々との間で、悩みながらも成長していくお話です。思春期の子どもたちが読むと、きっと主人公や他の登場人物に自分を重ねあわせて読むだろうなぁ、と思いました。そして、大人が読むと主人公の親の立場にたって読み進め、考えさせられることがたくさんあるような作品だと思いました。ぜひ、お父さん、お母さんに読んでいただきたいと思いました。
私も高1、小4と、登場人物と同じぐらいの子どもをもつ親なので、物語をとても身近に感じ、いろいろと考えさせられました。「自分は子どもに親の考えを押し付けていないだろうか?」「自分はこどもたちにとってどんな存在になっているのだろう?」等々。思春期の子どもさんをお持ちでない方も、かつて自分が、または子どもが思春期だった頃を思い出し、興味深く読めるのではないでしょうか?
そして、國本先生の挿絵も、1枚で物語全体の雰囲気を表しているような、とても素敵な絵でした。表紙の絵の原画が本と一緒にアトリエに展示されています。印刷前と印刷後の違いを見比べることができて、興味深いですよ。作品展終了後も子どもたちの作品がしばらく展示されていますので、出かけてみてください。