今日は老人ホームにて、リコーダーアンサンブルのミニコンサートを開きました。プログラムはクラシックの名曲に始まり、わらべうた、唱歌、歌謡曲とヴァラエティに富んだものでした。聴いてくださる方々が一緒に歌って楽しめるように、会場の担当の方にお願いして、歌詞カードを配っていただきました。
まず会場となるホームの受付へ行くと、コンサートのポスターが貼ってあり、ちらしも配られている様子。「みなさんとても楽しみにしていらっしゃいますよ」という受付の方のお言葉。私たちもなんだか嬉しくなって、コンサートが楽しみになってきました。
コンサートが行われたのは1階の交流スペースで、明るく、とても気持ちのよい空間でした。車椅子に乗っていらっしゃる方、歩行器を持って来ていらっしゃる方、とてもお元気そうな方、そして、スタッフの方々。みなさんが私たちの演奏に耳を傾けてくださり、楽しまれているのが伝わってきました。「わらべうたメドレー」は歌詞カードを配っていなかったのですが、演奏が始まるとすぐに一緒に歌ってくださり、私たちも嬉しくてとても良い演奏ができたような気がしました。
唱歌は一緒に歌っていただこうと歌詞カードを配っていたので、みなさん2番3番の歌詞まで一緒に歌ってくださいました。ただ、リコーダーの音域にあわせて編曲しているので、歌うには音域がちょっと高すぎたかな?という曲もありました。これは私たちの反省点で、これからは気をつけなければ、と思いました。でも、みなさん音が高くてもがんばって歌ってくださったんですよ!
温かい雰囲気のなかで演奏することができ、メンバー全員幸せな気分で会場をあとにしました。もちろん、その後はランチへGO!でした
先日はお話の情景が思い浮かぶような曲がすきです!というお話をしました。今日は随分昔のことですが、Sちゃんのピアノのレッスンでとても印象に残っていることをお話します。
「搭の時計」というわずか12小説の曲をレッスンしている時のことです。ちゃんと最後までひけました。でも、ちゃんと最後までひいただけだったなぁ、と思いました。そこで、Sちゃんに聞いてみました。「この時計の搭はどこにあると思う?山かなぁ、街かなぁ?」。Sちゃん少し考えて「街だと思う」と言いました。 そして私が「今は朝かなぁ、お昼かなぁ、夜かなぁ?」と聞くと、すかさず「夜だと思う!」と言いました。夜にもいろいろあるので、「人がたくさん歩いている時間?それとも夜遅くて、シーンとしている時間?」と聞いてみると、すぐに「人がいっぱいいる時間。わいわいしているよ」とこたえました。Sちゃんの頭の中には、もう情景が思い浮かんでいるようでした。そして、もう一度ひいてみると、音が変わっていました。弾き方の指導は何もしていないのに、明らかにさっきとは音色が変わっていたのです。こどもの想像力はすばらしいですね!自然に音色を変えることができるのですから!
私は公民館で、絵本を中心としたお話会をする活動をしています。絵本や紙芝居だけでなく、手遊びやわらべうたで遊んだり、パネルシアターや指人形を作ってお話したり、楽しいと思うことはどんどん取り入れて、おはなし会のプログラムを作っています。
10月の終わりの公民館まつりでは、「むかしばなし」をテーマにお話会をします。プログラムのメインは、パネルシアターによる「かさじぞう」です。メンバー全員で作った力作です。今年はキーボードを使って、BGMや擬音を入れてみようということになりました。音楽担当は私です。オープニング、場面が変わる時、特に印象深い感情を表現したい時にBGMを入れることにしました。「かさじぞう」は日本のむかしばなしの定番ですから、日本人が作曲したものがよいかと思い、中田喜直 作曲 「こどものピアノ」 (音楽之友社)をみてみました。まずはオープニングの曲をえらびます。これからお話がはじまる、何かが起こるという予感をかんじさせるようなものがよいかと思いながら、「わらべうた」をひいてみました。静かながらも、予感を感じさせるものがありました。しかも、弾いている間に、おじいさんが笠をあんでいるところや、おじいさんとおばあさんが畑を耕しているところがうかんできました。この曲をきいてどんな映像を思い浮かべるのかは、人それぞれだと思いますが、想像力を刺激してくれる曲だなぁと思いました。オープニングはこれに決まりです。このようにしてそれぞれの場面にあった曲をえらんで、最後の曲を弾き終えた時には満足感でいっぱいでした。お話の世界を旅して戻ってきたような感じです。
私は、物語や風景が映像となって浮かんでくるような曲が大好きです。物語と音楽は密接な関係があるんですね。
今日は楽器を一つご紹介します。
アンクルンという竹でできた東南アジアの楽器です。竹製のハンドベルのようなもので、小刻みに揺すると竹筒が揺れて、カラカラときれいな音がなります。私の持っているものは1オクターヴしかなく、しかも半音もないので、演奏できる曲は限られていますが、日本のわらべうたなどを演奏するとなかなかいい感じでした。昨年のミニコンサート(発表会)では、こどもたちが「あぶくたった」を演奏してくれました。一人では演奏できないので、数人でのアンサンブルになりますが、来年のミニコンサートでやってみたい方はお知らせください。
この楽器を一番最初に演奏してくれたのは、4年ほど前にお月見コンサートに出演してくれたこどもたちでした。トライアングルや木の実の楽器も使って、「つき」と「かごめかごめ」を演奏してくれました。体育館に響いた竹のきれいな音が、こどもたちの緊張した顔と一緒に、私の記憶に刻まれています。その後、リコーダーアンサンブルのミニコンサートを小学校で開いた時も、ゴスペル(もどき)のグループでデイケアへ慰問に行かせてもらった時も、メンバーのみなさんと一緒に演奏しました。珍しいと言ってみなさん喜んでくださったと思うのですが、演奏している私たちが一番楽しかったようなきがします。
一人でピアノとオカリナを教えて、どちらに力を入れているんだろう?と思われることもあるようですが、私にとってピアノもオカリナも、そしてアンサンブルを楽しんでいるリコーダーも、すべて同じようになくてはならないものなのです。
一番付き合いの長い楽器はピアノです。 4歳の時に習い始め、ピアノをひくのが楽しくて、やめたいと思ったことは一度もありません。ただ、コンサートで演奏する時は孤独です。それを補ってくれたのが、リコーダーアンサンブルでした。4種類のリコーダーを使って、みんなで1つの曲を仕上げていく喜びは、ピアノソロでは味わえないものです。アマチュアながらも幼稚園や小学校、病院などで演奏する機会もあり、目をキラキラさせながら演奏を聴いてくれた園児の顔や、涙ぐみながら「ふるさと」をきいていたおばぁちゃんの顔は今でも忘れられません。そして、オカリナ。若い頃オカリナの素朴な音色に魅せられ、いつかオカリナを演奏してみたい!と思い続けて、やっと願いがかないました。
教えることが楽しくて、演奏することが楽しくて。ピアノとオカリナとリコーダー、どれも私の生活の一部です