これは好きな一冊だ。三冊目のカズオ・イシグロ。人生の黄昏れ時を迎えた(執事)の私が一人語りで、邸の中で起こった様々な出来事を振り返る。
イギリスのドラマ『ダウントン・アビー』NHKの夜中放送で見ていたので、映像を掘り下げるような感覚で興味を持って読むことができた。
新しい時代が始まる前の、あの古い時代にお邸に置き去りにされた執事の物語。
明治維新から始まる新しい様式について行けずにず丁髷をしている武士が重なった。
読み易いので翻訳者(土屋政雄)も気になった。
先の2冊よりこの本を読んだから彼の作品まだまだ読んでみたいという気になった。