「千の風になって」という歌を初めて耳にしたとき聴くことができなかった。夫を亡くした私を慰めようと、妹が「良い歌があるよ」と、携帯に取り込んだその歌を耳元で流してくれた。が、あの時の私には、
「人の気も知らないで」という気持ちだった。涙をこらえるのがやっと・・。
身近な人を亡くして、自分を責めてしまい少し欝のような状態だった自分。同時に更年期もやってきた。親しい誰かを亡くした人にとっては、この歌は辛いと思う。
長い長い時が過ぎ、今、私はとても元気。「時が解決してくれる」とはよく言ったもので。長いトンネルから抜けたような気持ちだ。
今ならこの歌を聴くことが出来る。今なら、この歌は心を慰め、励ましてくれるように感じられる。人の気持ちって不思議。
(写真は億首川の近くの芭蕉並木です)