名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190618

2019-06-18 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

駒得を目指します。

A 95歩  B 65歩  C 65桂

 

第2問

 

銀で85桂を取りました。継続手は?

A 86香  B 86桂  C 42角

 

第3問

 

地味な好手というか好手順です。

A 32歩  B 84歩  C 63金寄

 

第4問

 

絶妙手です。

A 63金寄  B 78同金  C 41馬

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大山将棋研究(1285);四間飛車に持久戦(花村元司)

2019-06-18 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190618

昭和42年9月、花村元司先生と第11期棋聖戦です。

大山先生の四間飛車で、57銀54歩というのがちょっと変わったやり取りですが

中央位取りを拒否しても玉頭方面6筋か7筋のの位取りになりそうです。

大山先生は攻めの44銀型を作りました。

花村先生は位取りではなく端角です。後手の64歩が早いと見ました。

ここまで駒組みで

24歩同歩65歩同歩同桂と仕掛けました。

62銀に89玉というのが変わった形です。飛は取りにくいですが、77角はあったでしょう。

大山先生は飛を取ってくれと角を追います。後で64角が好位置なので

花村先生は飛を取らず、大山先生は飛を逃げ、ちょっと落ち着いた展開です。

46同角ならば激しくなるかもしれませんが

桂交換から46歩でちょっとゆっくりです。大山先生は端攻めに出ました。

これは香取りが受かりませんが、花村先生は77桂から

85桂というのは45歩をねらっています。

大山先生は銀香をかわしてしまいました。ここでの花村先生の66歩がおとなしすぎるのでしょう。

85桂を取って角を引けば、97角成が受けにくいです。大山先生が有利になりました。

45歩には71玉が予定のかわしです。

花村先生は75歩同角に79玉。これが良い返し方で

4筋は謝っても飛を使えました。

大山先生は馬を引いて受けるのですが、47歩成と攻めあって勝ちのような気がします。

花村先生は73歩を打てるので攻めは続くのです。

竜飛の交換になり

角を使えました。

いろいろ利かせて

両取りで飛を打ったところでは逆転していてもおかしくはないです。

単に香を取るのではなく84歩~73歩と細かく攻めていきます。

39飛の王手に59銀と引いたのが解せません。58玉のほうが良いでしょう。

右側が壁になってしまいました。

香の田楽刺しは45桂を嫌う意味もあるのですが

大山先生は無視して94歩~84歩の後で桂を打ちます。花村先生は金を逃げると95香か75香があるので

68銀引で金を取らせたのですが、お代わりの桂も厳しいです。

底歩には香打がぴったりでした。

金を上にかわしても77金が強打。

65桂~86桂の反撃も受けられてしまい、後手玉への攻めが続きません。

大山先生の41馬が必殺の手です。花村先生はねらいがわかっても受ける手がないです。

王手竜取りが決まり

どんどん追いかけて

格好良く寄せました。

これまで。

 

大山先生が一番厳しい順を選んでいないので形勢が接近する時があるのですが、完全な逆転までは至りませんでした。玉まわりの感覚で差が出ました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/09/25
手合割:平手  
先手:花村元司8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 5七銀(48)
10 5四歩(53)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6六歩(67)
18 4三銀(32)
19 5八金(49)
20 4五歩(44)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 6八銀(79)
24 4四銀(43)
25 6七金(58)
26 6四歩(63)
27 9七角(88)
28 5三銀(44)
29 8六角(97)
30 5二金(41)
31 3六歩(37)
32 8二玉(72)
33 3八飛(28)
34 4四角(33)
35 1六歩(17)
36 7二銀(71)
37 2八飛(38)
38 3三角(44)
39 7七桂(89)
40 8四歩(83)
41 2四歩(25)
42 同 歩(23)
43 6五歩(66)
44 同 歩(64)
45 同 桂(77)
46 6二銀(53)
47 8九玉(78)
48 8五歩(84)
49 7五角(86)
50 7四歩(73)
51 6四角(75)
52 7三桂(81)
53 7八金(69)
54 4一飛(42)
55 3七角(64)
56 4六歩(45)
57 7三桂成(65)
58 同 銀(62)
59 4六歩(47)
60 9五歩(94)
61 同 歩(96)
62 9七歩打
63 同 香(99)
64 8四桂打
65 7七桂打
66 9六歩打
67 同 香(97)
68 同 桂(84)
69 8五桂(77)
70 8四銀(73)
71 8六歩(87)
72 9五香(91)
73 6六歩打
74 8五銀(84)
75 同 歩(86)
76 4二角(33)
77 4五歩(46)
78 7一玉(82)
79 7五歩(76)
80 同 角(42)
81 7九玉(89)
82 4五飛(41)
83 4八歩打
84 4六歩打
85 2四飛(28)
86 9七角成(75)
87 6九玉(79)
88 8八桂成(96)
89 7七金(78)
90 3一馬(97)
91 7三歩打
92 同 銀(72)
93 2三飛成(24)
94 4三飛(45)
95 3四龍(23)
96 3三飛(43)
97 同 龍(34)
98 同 桂(21)
99 4六角(37)
100 6二玉(71)
101 8四歩(85)
102 8二歩打
103 3五角(46)
104 5三金(52)
105 8三歩成(84)
106 同 歩(82)
107 9二飛打
108 7二金(61)
109 8四歩打
110 8二銀(73)
111 7三歩打
112 3九飛打
113 5九銀(68)
114 7三玉(62)
115 9五飛成(92)
116 4九飛成(39)
117 5八銀打
118 2九龍(49)
119 3四香打
120 9四歩打
121 9六龍(95)
122 8四歩(83)
123 3三香(34)
124 8五桂打
125 6八銀(57)
126 7七桂(85)
127 同 金(67)
128 8五桂打
129 7九歩打
130 7五香打
131 7六金(77)
132 7七金打
133 6五桂打
134 8三玉(73)
135 8六桂打
136 9三銀(82)
137 7五金(76)
138 同 歩(74)
139 7八香打
140 4一馬(31)
141 3二香成(33)
142 7八金(77)
143 同 歩(79)
144 7七桂(85)
145 同 銀(68)
146 7八成桂(88)
147 同 玉(69)
148 9六馬(41)
149 6七玉(78)
150 5九龍(29)
151 5三角成(35)
152 7八馬(96)
153 5七玉(67)
154 5六馬(78)
155 同 玉(57)
156 5五飛打
157 投了
まで156手で後手の勝ち

 

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20190618今日の一手(その892);迷うときほど理論的に

2019-06-18 | 今日の一手

20190618今日の一手

 

5月1日の名南将棋大会から、SさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

桂と銀歩2の交換で竜を作っていますから少し先手の駒得です。終盤なので考えなくてよいくらいですが。

玉の堅さは(相手の駒を考えずに)同程度か先手の金銀の連結が良いとみるか。

先手の攻め駒は12竜51角54香と持ち駒で4枚。場合によっては63銀も加わります。

後手の攻め駒は16桂66桂と持ち駒角香で4枚。

総合すれば互角か先手もちです。

 

何手で詰めろかを数えてみると

後手玉は11銀が詰めろで現状は2手すき。

先手玉は58桂成が詰めろで現状は2手すき。

先手番なので先手有利です。

 

☆ 大局観として

先手は31銀31角22銀成同角11銀・・・で千日手の権利があるというのがわかりますね。それ以外の詰めろもあるでしょう。

先手玉のほうは58桂成に同金とすると詰めろが続きません。だから2手すきというよりは3手すきに近いのですが、駒を渡すと王手が多くて難しいです。

先手が1手勝ち以上だけれど、必要以上に駒を渡したくはない、という状況です。

攻める方は寄せのセオリーで考えればよいです。何度も出てきましたね。

 

 

○~△ 11銀31角

これはほぼ必然で入ります。後手は28角48玉58桂成同金31金とすることはできますが、桂を渡すので受けとしてはマイナスのほうが大きいでしょう。また後に書きますが33角と受けるのは欠陥があります。

先手は22銀成同角11銀31銀22銀成同銀31角31銀・・・角銀の打ち替えで千日手にすることができます。また持ち駒銀を角に換えて攻めに使うことはできます。(有効になる手を見つけられませんでしたが。)ここから別の寄せを考えることはできます。後の変化で必要があれば書きます。

 

 

△ 実戦は42角成でした。

寄せのセオリー通り、一番厳しいのが王手です。これ以外の王手は有効ではないでしょう。

角を渡しても先手玉は詰みません。42同金に31角52金としておけば

58桂成には22銀成同角42金33玉43金

後手玉は詰みます。

 

後手は52金に対して何か受けるのですが、28角48玉58桂成同金43金打

金を取って受けたら千日手がねらえるか。しかし22銀成同角42金同金24桂

33玉22竜同玉11角31玉22金41玉32桂成同金52銀打

42玉32金同玉43金31玉41銀成以下、桂をもらったので後手玉が詰むのでした。

 

もっと前、11銀の時に28角として

48玉58桂成同金31金52金

というのが難しいのですが、多分先手の勝ちなのでしょう。

 

先手としては11銀31角を入れてから42角成同金52金

ならばこの変化はありません。

 

さて実戦では11金

21竜または金に対しての受けがないのでこれを選んだのですが、58桂成21竜33玉25桂24玉

後手玉が詰みません(11金が詰めろになっていない)でした。駒を多く渡したので先手Nさんの負けです。

 

 

○ 王手をしても詰むわけでもないので、もう少し厳しくない手でも同じことです。最初に書いた11銀よりも53香成

小さい駒から使うほうが先に考える手です。これは42で清算すれば詰むというのはすぐにわかりますね。53同金寄でも同じこと、金を取られる受けでは先細りですから、53同金上しかありません。

41銀31玉に52銀成では58桂成

何か駒がないと後手玉は詰みません。成桂を取っても詰めろではないし、後手の勝ちでしょう。

 

見えにくい手ですが41銀ではなく24角成が詰めろですし

24同歩23銀以下も詰めろは簡単です。33金41銀同玉22竜

銀香を渡しただけで詰めろが続き、先手玉は詰みません。

 

なお11銀に33角の受けでは欠陥があるというのは、この変化で

53同金上33角成

から詰んでしまう(33同玉22銀不成24玉13銀不成同桂15銀・・・)からです。

 

 

× 次は52銀成か52銀不成です。

52同金41銀同玉22竜51玉

王手はかかりますが後手玉へ詰めろが続きませんし、駒を渡しすぎです。

 

41銀ではなく11銀ならば

まだ千日手可能ではありますが。

 

 

○ 最初に書いた11銀あるいはこの52銀打を考えるのがその次です。

58桂成に43銀成同金42金

33玉43金同玉42角成以下詰みです。

 

後手は何か受ける必要があります。41香

43銀成同金53香成

53同金41銀不成33玉21竜

角を渡しただけで詰めろが続いています。65角32銀成同角25桂・・・まだ後手の抵抗はあるのですが先手の勝ち筋です。

 

 

× 受けるほうを見てみると、59金引78飛成

先手玉のほうが詰めろになるので逆転されています。

 

これは11銀31角を入れておけば

78飛成が詰めろではないのですが、駒を渡せないので17歩

68歩成16歩59と同金18金

次の58桂成が詰めろ、渡す駒も制限されますから、問題図よりも悪くなっています。22銀成同角11銀で千日手か。

 

 

○ 17歩ならば

58桂成16歩49成桂同銀11金

(11金を打たないと後手玉が詰みます)42角成同金24桂43玉31銀

手順が面倒ですが、詰めろが続くので先手の勝ちです。

 

やはりここでも11銀31角を入れておけば17歩がわかりやすく

58桂成16歩49成桂同銀78飛成

(78飛成のところで後手は受けがありそうなのですが先手の詰めろは続きます。)詰めろをかけられても32銀成同角24桂

41玉42角成同金32金同金52銀

以下ぴったり詰ますことができます。

 

☆ まとめ

実戦だと11銀から千日手があるので悩むところです。

千日手まで長いので時間稼ぎにもなるし、角を手持ちにできるし、と欲が出てしまいます。問題図以前にもこういうやり取りがありました。

冷静に考えれば、後手に持ち駒を使わせる=後手の戦力が低下する ので得な取引です。この図あるいは問題図で考える順番は

即詰みの筋はありません。

53香成同金上は打ち切りそうですが、24角成がありました。

11銀はその前の図です。

52銀成とか52銀不成では取られる。

52銀打は有力。詰めろだというのを確認します。

という順で寄せのセオリー(理論)に従って考えます。

 

攻める手が見えなかったとしたら、11銀31角を決めてから受けます。後手の戦力が減りますから。

59金引ではあまり意味が無いようですが、17歩から玉を脱出する、あるいは桂を入手して24桂から寄せる順がありました。

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