名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20190612

2019-06-12 | 大山将棋研究

後手番山田先生の手を考えます。

第1問

 

反撃です。

A 44同銀  B 13角  C 45歩

 

第2問

 

攻め続けます。

A 78金  B 35歩  C 45銀

 

第3問

 

飛を使いたいのです。

A 83飛  B 88歩  C 45歩

 

第4問

 

これで攻め駒が増えることになります。

A 37歩  B 47金  C 25桂

 

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大山将棋研究(1279);中飛車に袖飛車(山田道美)

2019-06-12 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190612

昭和42年7月、山田道美先生と第10期棋聖戦第4局です。

大山先生の中飛車です。

山田先生は急戦ですが

袖飛車へ。

飛は74ですね。72飛~63銀~74銀ではありませんでした。ねらいは73桂~65歩です。

大山先生は袖飛車で44銀を強制します。

45歩~46銀は指したくなるけれど指さないほうが良い手だと後の定跡書には書いてあります。

山田先生は44歩同歩13角。その定跡書の元はこの将棋なのかもしれません。玉頭の駒の数では後手のほうが多いのです。35歩には44銀~35銀と対抗できます。68角には44銀45歩46角同角45銀という調子です。

48飛には強気の45歩から

馬を作りました。大山先生は飛を逃げるようでは歩得でも有利とは言えません。飛車を取らせる順はだめでしょうか?54銀48馬同金44銀65歩というところです。

駒損しないけれども先手の陣形が不安です。

44歩を取られて、馬を作られた分だけ駒損になりました。

手持ちの銀を自陣に打つと得な要素が無くなります。

角をぶつけたら46歩。46同角か同銀かは悩ましいですが

銀で取って86歩。後手が歩切れなので駒損とも言えなくなり、この歩は取っても構わないですが

45歩33銀を利かせようと思ったら、87歩成から49銀

金をはがされて45銀。45同銀とできなくなっています。

桂で取るのですが、歩で取り返されるので後手の攻めは続きます。

山田先生は桂を取る前に飛の位置を変えて、43飛の準備。ならば大山先生は53銀を打ってみたら?というのはプロは考えないんですよね。

37銀で角をぶつけたら馬を引かれました。今度こそ53銀とか42銀とかなどとは

やはり考えないのでしょうが、端攻めは51馬が利いているのであまり効果がないです。桂を取られてみると、陣形の違いが目につきます。87金が離れているのが問題でしょう。さかのぼって62手目の86歩を取っておくほうが大山先生らしかったのです。

45歩を取ると桂を跳ねられて

両取りで薄くされるというのは痛いです。

角のほうを取らせましたが

飛まで使われてははっきり不利です。

45歩に35桂というのは勝負手です。普通に37銀なら25桂26銀46歩~47歩成くらいで受けにくいからなのですが

37歩は放置できず

37同玉に25桂48玉69角。後手の攻め駒が4枚なので受かりません。金取りでもありますが

58銀を打ったら87角成とはしてもらえないです。軽く桂を成り捨てられて、59玉87角成は受からないでしょう。

34銀打で反撃に出たら25桂を打たれました。25同銀57馬で勝ち目なし、投了です。

 

大山先生は中飛車でも四間飛車でも指すのですが、ツノ銀からの袖飛車の反撃を指しこなすのは難しいです。そのまま攻めて良しにはならない(本譜が悪い例)し、ちょっとけん制して駒組みをやり直すくらいが正しいようです。

これで山田先生は初タイトル。ところがこの3年後、36歳で亡くなってしまいました。名古屋出身、愛知県出身としても初タイトルなので豊島先生の前に名前を憶えておいてくださいね。

大山先生の五冠王時代は一度終わります。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/07/24
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:山田道美8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 6八銀(79)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 5八飛(28)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 2八玉(38)
16 4二銀(31)
17 3八銀(39)
18 7四歩(73)
19 6七銀(68)
20 6四歩(63)
21 7七角(88)
22 5三銀(42)
23 4六歩(47)
24 1四歩(13)
25 1六歩(17)
26 4二金(41)
27 3六歩(37)
28 8五歩(84)
29 7八金(69)
30 7二飛(82)
31 4七銀(38)
32 7五歩(74)
33 同 歩(76)
34 同 飛(72)
35 7六歩打
36 7四飛(75)
37 3八飛(58)
38 4四銀(53)
39 4五歩(46)
40 3三銀(44)
41 4六銀(47)
42 4四歩(43)
43 同 歩(45)
44 1三角(22)
45 4八飛(38)
46 4五歩打
47 同 銀(46)
48 5七角成(13)
49 3八飛(48)
50 4六馬(57)
51 3七桂(29)
52 5三銀(62)
53 5八金(49)
54 4四銀(53)
55 同 銀(45)
56 同 銀(33)
57 4七銀打
58 2四馬(46)
59 6八角(77)
60 4六歩打
61 同 銀(47)
62 8六歩(85)
63 4五歩打
64 8七歩成(86)
65 同 金(78)
66 4九銀打
67 4八飛(38)
68 5八銀成(49)
69 同 銀(67)
70 4五銀(44)
71 4三歩打
72 4一金(42)
73 4五桂(37)
74 4四歩打
75 5七角(68)
76 8四飛(74)
77 8六歩打
78 8三飛(84)
79 3七銀(46)
80 5一馬(24)
81 1五歩(16)
82 同 歩(14)
83 1三歩打
84 4五歩(44)
85 同 飛(48)
86 3三桂(21)
87 7五飛(45)
88 7四歩打
89 同 飛(75)
90 4五桂打
91 4六銀(37)
92 5七桂成(45)
93 同 銀(58)
94 4三飛(83)
95 7二飛成(74)
96 4五歩打
97 3五桂打
98 同 歩(34)
99 同 銀(46)
100 3七歩打
101 同 玉(28)
102 2五桂(33)
103 4八玉(37)
104 6九角打
105 5八銀打
106 3七桂成(25)
107 同 玉(48)
108 5八角成(69)
109 3四銀打
110 2五桂打
111 投了
まで110手で後手の勝ち

 

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20190612今日の一手(その889);味の良い駒得

2019-06-12 | 今日の一手

20190612今日の一手

 

4月20日の名南将棋大会から、KさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の銀得で竜馬VS竜の作り合い、先手の大きな駒得です。

玉の堅さは同程度(67銀は数えず)ですが、横からの攻めならば先手玉のほうが深いです。

先手の攻め駒は81竜73馬と持ち駒銀桂で4枚。

後手の攻め駒は89竜86角と持ち駒桂で3枚。

ただし▲73馬と△86角は攻め駒としての働きは弱いです。

 

総合すれば先手優勢です。

 

☆ 大局観として

先手優勢ですから、悪手さえ指さなければどれでも正解になりえます。基本的には自然な手を指していればよいわけですが、寄せを考えるならば不自然に見えるような手(駒を捨てるのは寄せの手筋としては自然かも)も考えていきます。

さて先手ほぼ銀得なのですが、端攻めの勝負手が来ました。どう対応しますか?私は(振り飛車党ではなくて攻め将棋ですが)駒得でもあるし面倒なところは謝ってしまえと思うタイプです。

 

○か× 実戦では15同歩と取りました。

自然な応手です。17歩(16桂が怖い)同香24桂(16歩ねらい)25銀(桂頭銀の受け)13桂

ここまで妥当な応酬でしょう。24銀同歩26歩(25桂を防ぐ)25歩14歩26歩

たがいに突っ張ったやり取りですが、13歩成は27銀があるのでためらいます。(13歩成27銀同銀同歩成同玉49竜22銀42玉86竜は一応先手よしみたいですが。)59桂25桂

ずいぶんまぎれてきました。13歩成17桂成からこの図になって

直前の18歩と謝ったのが疑問手ということになるのですが、詰めろで角を引かれて(詰めろ竜取り)41竜同銀46桂・・・で逆転されました。

先手としてそれほどおかしな手を指していない(59桂で13歩成か、上の図の前の18歩)のですが先手玉を攻められると局面が複雑になります。背景には後手の11香も攻め駒として働いたからです。86角もきれいに使われてしまいました。

 

 

○ 端を受けるならば26桂を打って

16歩に14歩

というのは反撃も見ている受け方です。後手からは36桂同歩64角というのが一応は嫌な筋ですが

64同馬が王手なので問題はありません。

 

後手が26桂を追うために24歩ならば13歩成

13同香には14歩、13同桂には14桂があります。

 

 

△ 25銀の受けは16歩に14歩

とする意味で、安全で損が少ない受け方です。13歩成の反撃がないけれど、というのが桂と銀の違いです。

 

 

○ 一番簡単なのは91馬

香を取るとともに81竜91馬にひもがついていますから万が一のことが無くなります。16歩18歩

端は詰められてもまだ1歩持っていますし、銀香得です。後手は簡単に99竜とできないので、88竜55歩77角成88竜同馬54歩99馬57香

というのが進行の例です。自然な手で勝てるでしょう。

 

 

△か○ 香を取らずに46馬

というのは攻防の位置です。64角と引かれて詰めろとか王手になるとかという事態を避けています。

16歩18歩22玉(甘い)ならば78銀打

など角を取りに行く手を安心して指すことができます。

 

△ 95馬とすれば

49竜にも86馬が王手なので大丈夫です。36桂は利かされて、18玉95角89竜

16歩36歩17歩成同桂16歩

先手玉は乱れたけれど28玉とすれば一応は大丈夫です。でも好んで指す順ではありません。

 

 

△か○ 78銀打というのは

ちょっと怖い手の中では一番指しやすい感じです。88竜に89歩で竜か馬が取れます。95角

というのが返し技ですが、41竜同銀95馬99竜

飛香と角金銀の交換ですから先手の駒得が広がっています。

 

 

△ 78桂でも良いですが

この桂自体に働きがないというのが嫌な感じです。95角41竜同銀95馬16歩18歩79飛

先手有利というか優勢というかは変わらないのですが、78桂というのが気に入りません。

 

 

△ 75桂と打てば

75同角とは取れず、後手の64角の筋(大丈夫でしたが)も消えます。16歩18歩51桂

後手にも桂を打たせたけれどどれだけの得かよくわかりません。

 

 

△ 64桂は

不自然な手ですが一発ねらいです。すなわち64同歩に86竜同竜64馬

王手竜取りをかければ、桂を捨てて角を儲けたという計算です。

 

後手は64桂を取れず42金寄と受けるのでしょうが

先手は63馬から寄せに入ります。でも16歩18歩36桂

36同歩(39玉もある)64角46桂81竜同馬

81竜にはひもが付いていたのでこの取引で駒損していないけれど、有利が拡大しているとはいいがたいです。

 

☆ まとめ

駒得は味が悪いということを何度か書きますが、問題図は味よく駒得をしたから優勢なのです。(73銀を角で取りながら馬を作った。)だからこれ以上欲張らないほうが無難です。

15同歩が自然な手、といっても端を守ろうとすると危険が伴います。

端を守りつつの26桂~14歩で反撃を見るのはあり得ます。

 

91馬16歩18歩というのが比較的に味の良い駒得です。まだ1歩持っていますし、馬竜にひもが付くので怖い筋がなくなります。

86角をただ取りしようとすると危ない順が待っています。78銀打>78桂>64桂>95馬という順番でしょうか、思わぬしっぺ返しを食らうかもしれませんからよく読んでみることです。

 

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