名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190626

2019-06-26 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

後手の指し手がおかしいので作戦勝ちが望めます。

A 46銀  B 35歩  C 88玉

 

第2問

 

飛を取られてちょっとしくじった感じがあるのですが、まだ有利です。じっくり攻めましょう。

A 74桂  B 34歩  C 23歩

 

第3問

 

角を取れたので有力な攻め筋は多い(どれも悪くない)ですが、これで良ければ十分です。

A 23と  B 34歩  C 64桂

 

第4問

 

後手玉の詰み、先手玉が詰まないというのが読み切れるでしょうか。

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大山将棋研究(1293);矢倉対雁木(二上達也)

2019-06-26 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190626

昭和42年12月、二上達也先生と第6期十段戦第5局です。

76歩34歩26歩(大山先生が居飛車?)44歩(うそ矢倉?)25歩33角というスタートです。

大山先生の68玉が早いということもあるのでしょうが、二上先生は居飛車です。

今は53銀型ではなくても雁木と呼ぶことが多いので、後手は雁木ということにしておきます。

73銀型の組み合わせは今の目で見ると珍しいのですが、昔はあったのでしょうか?大山先生は矢倉を目指し、金銀を手厚く構えます。

二上先生はその手厚い6筋を攻めようという感覚がおかしいです。しかも左銀で攻めようとしたので

大山先生が薄くなった2,3筋を攻めたくなるのはわかります。

攻めだけ考えるならば55歩は突かないほうが良いのですが

こういう形になると25飛があるので55歩を突いておいたのでしょう。

二上先生はやっと右銀を攻めに使えそうですが、ずいぶん手数がかかりました。

7筋の歩を交換するだけではさらに悠長です。

24歩の突き捨てを取らずに34歩を打ったというのが苦心の受けです。

24歩を角で払い

ちょっと落ち着いて駒組みです。大山先生は矢倉になり

二上先生も陣形を整備したいのですが、角を73か84へもっていくまでには手数がかかります。51角~42金右~33歩というのは囲いに手を入れたのですが

端を攻められて面白くありません。

なんだか後手番のほうが大山先生みたいな形にこだわらない受けです。

大山先生は86歩を受けないで54歩を突いたのは

矢倉が乱れたので損をしています。

ならばここで85飛~21歩成というつもりなのかと思えば

14同飛としたので飛が死にます。

飛香と金桂の交換は と金があるので少し得ですが、作戦勝ちはどこかに行ってしまいました。

玉を早逃げされて、と金攻めが間に合うかどうか。難しい形勢でしょう。二上先生としては86歩同金85歩同金93桂というのが攻め筋ですが、74金と出られるとやぶ蛇です。

36歩~37歩成は2手かけて桂を取っただけす。逆転はしていないでしょう。

53歩の王手に61玉と逃げたのが疑問手、小駒だけの攻めなので53同玉とすれば難しいです。

41と で角が死んでいますし、それが王手になるのが痛いのです。95桂は3手かけた期待の手ですが

後手玉が危険です。この と金も取れば35桂があるし

飛を走ったら56角が攻防で困りました。

66歩同金67歩なんて時間稼ぎの意味のない手ですが

大山先生は52金からばらして、飛を取りました。(これで形つくりになるから先ほどの66歩~67歩ということでしたか。)

角を取っても56角の利きがあるので先手玉は詰めろになっていません。ここで33と は詰めろ。

二上先生は王手が続きますが

(88玉の位置で)86飛の王手に合駒でも詰まないです。77玉のかわしに

かけるだけ王手で投了です。

 

二上先生は相居飛車でものんびりした序盤なのでしょうか?それとも大山先生のまねをしたという対策なんでしょうか。(私は最初に並べた時に後手が大山先生だと勘違いしていました。)まねついでに97手目53歩を同玉ならばわからなかったのですが、そこだけは残念です。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/12/12
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 8四歩(83)
11 7八玉(68)
12 8五歩(84)
13 7七角(88)
14 4三銀(32)
15 8八銀(79)
16 3二金(41)
17 6八角(77)
18 6二銀(71)
19 5八金(49)
20 7四歩(73)
21 5六歩(57)
22 7三銀(62)
23 6六歩(67)
24 9四歩(93)
25 6七金(58)
26 5二金(61)
27 7七銀(88)
28 6四歩(63)
29 5七銀(48)
30 5四銀(43)
31 3六歩(37)
32 6二飛(82)
33 3五歩(36)
34 同 歩(34)
35 4六銀(57)
36 3六歩(35)
37 5五歩(56)
38 4三銀(54)
39 3八飛(28)
40 6五歩(64)
41 同 歩(66)
42 同 飛(62)
43 6六歩打
44 6二飛(65)
45 3六飛(38)
46 6四銀(73)
47 3七桂(29)
48 7五歩(74)
49 同 歩(76)
50 同 銀(64)
51 7六歩打
52 6四銀(75)
53 2四歩(25)
54 3四歩打
55 3五歩打
56 2四角(33)
57 3四歩(35)
58 4二角(24)
59 8八玉(78)
60 4一玉(51)
61 7八金(69)
62 5一角(42)
63 1六歩(17)
64 4二金(52)
65 1五歩(16)
66 3三歩打
67 同 歩成(34)
68 同 金(42)
69 1四歩(15)
70 同 歩(13)
71 1三歩打
72 2四歩(23)
73 1四香(19)
74 2三金(32)
75 1六飛(36)
76 1五歩打
77 同 飛(16)
78 8六歩(85)
79 5四歩(55)
80 8七歩成(86)
81 同 金(78)
82 5四歩(53)
83 2二歩打
84 1四金(23)
85 同 飛(15)
86 1三香(11)
87 2一歩成(22)
88 1四香(13)
89 2三歩打
90 5二玉(41)
91 2二歩成(23)
92 3六歩打
93 6五歩(66)
94 7三銀(64)
95 3一と(21)
96 3七歩成(36)
97 5三歩打
98 6一玉(52)
99 4一と(31)
100 9五桂打
101 5一と(41)
102 同 玉(61)
103 2三と(22)
104 6五飛(62)
105 5六角打
106 6六歩打
107 同 金(67)
108 6七歩打
109 5二金打
110 同 銀(43)
111 同 歩成(53)
112 同 玉(51)
113 5三歩打
114 同 玉(52)
115 6五金(66)
116 8四飛打
117 8六歩打
118 6八歩成(67)
119 3三と(23)
120 7九角打
121 9八玉(88)
122 8七桂成(95)
123 同 玉(98)
124 8八金打
125 同 銀(77)
126 同 角成(79)
127 同 玉(87)
128 8六飛(84)
129 7七玉(88)
130 6七金打
131 同 角(56)
132 同 と(68)
133 同 玉(77)
134 8七飛成(86)
135 7七銀打
136 投了
まで135手で先手の勝ち

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20190626今日の一手(その896);相矢倉の壁銀

2019-06-26 | 今日の一手

 20190626今日の一手

 

5月1日の名南将棋大会から、KさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。

玉の堅さは同程度なのですが、先手玉は上からの攻めに強いが横からは弱い、後手玉は上からの攻めに少し弱いが横からの攻めにも対応できるという違いがあります。要するに88銀の壁がマイナスになるかどうか。

先手の攻め駒は25桂と持ち駒角で2枚。

後手の攻め駒は52飛か64銀が加わって、持ち駒角と合わせて2枚です。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

後手の棒銀というか早繰り銀というか、7筋の歩を交換して73銀~74銀~75銀と進んできた銀を追い返すために先手Tさんは壁銀で受けました。今度は中央に手を付けられて、とりあえずは桂を跳ねて反撃をみせたところです。

攻め駒2枚では足らないので、攻め駒を増やしたいところではありますが、薄い中央を攻められているのも気になります。

攻めるべきか受けるべきか待つべきか。方針がわかれます。

攻めるには先手玉が不安定なのが気がかりです。

中央を受けるか、玉を固めて待つか、というのが正しい選択でしょう。その前に手筋の利かしがいくつかあります。

 

 

○ 77銀とするのが

悠長なようでも一番指したい手です。49角18飛35歩47銀27角成88玉

馬を作られても矢倉に入ってしまえば戦えるのです。26馬33歩同桂同桂成同銀61角

これは互角くらいですが先手の右桂がさばけているという主張です。

 

飛を取ってもらえれば

18同玉48飛74角

飛車を取られた時には玉を囲っているのが生き、先手もちです。

 

後手が角を打たないで中央から攻めても88玉としてしまえば

十分に戦えます。変化は多いですがこんな感じです。

 

○ 61角は打ちたいところです。

62飛83角成29角

飛をピンされてしまうのですが、77銀38角成同馬59飛88玉19飛成45歩

飛香と角の交換とはなりますが、先手玉が堅く、反撃できますから十分でしょう。

 

61角に74角

という応手もあります。飛を取り合うしかありません。52角成38角成63馬

39飛68玉48馬77玉

どうにか対応できるようです。

 

もちろん61角に82飛ならば77銀です。

49飛18飛67角成

一応心配しなくてはならない筋ですが、67同金87飛成96角

これは後手の指しすぎです。

 

やはり後手は馬を作るのでしょうが

前に出てきた図と、61角82飛が入っているかどうかの違いです。61角はなかなか死ななないので有効な利かしでしょう。

 

 

△か× 83角では29角

飛をピンされます。77銀の時に後手が55飛とできるのが違いですが、57歩と受けて

56歩28飛57歩成29飛67と同金58飛成68金

これは何とかなっています。

 

ですが35銀

銀交換に応じにくい(35同銀38角成同馬35飛)ですから27銀か47銀ですが、26銀か46銀か24歩か、受けきれないでしょう。

 

 

× 実戦は35歩と攻めたのですが

35同歩同銀同銀同飛、なんて応じて萌衣らえるはずはありません。何度か出てきた49角を打たれたら、18飛35歩47銀27角成

これは1歩損して1手パスです。18馬同香49飛~47飛成というのを受けるために飛を逃げるようではいけません。

 

49角には39飛のほうかもしれませんが

58角成34歩56歩同金25銀

67桂があるので敗勢です。

 

実戦は35歩に55銀

この攻めは少し足が遅いですが、34歩に37歩

これを取れないので、結局飛を攻めに使えません。58飛57歩28飛56銀68金引49角

これも明らかに不利になりました。

 

 

△ 33歩同桂

これだけを利かしと見て77銀から固めておくのならば良いですが、単に桂を交換するのでは先手にマイナスが多いです。

 

 

△か× 68金寄55銀

金を寄ると49角が怖くない(39飛と逃げて良い)わけですが、中央から突進された時に当たりが強くなっているかもしれません。1手の価値としては小さめです。

 

△ 47銀と引けば

中央には備えていますが、25銀同歩55飛

59飛成と25飛をねらわれます。58飛同飛成同銀39飛69銀打

一応は駒得ですが、金銀5枚あっても先手玉が堅くないのがマイナスです。幸い後手から厳しい攻めがないのでこれからです。

 

 

△か× 受けの手筋は54歩です。

54同飛56歩55歩72角

これはうまくやったパターン。

 

でも54同飛56歩に29角が痛くて

先手玉が堅ければ(矢倉に入っていれば)何でもないですが、ここで28飛56角成では悪いです。

58飛35歩に47角

綱渡りの受けがあって大丈夫のようですが47同角成同銀36歩同銀37角

後手のほうが指しやすそうです。

 

☆ まとめ

相矢倉での壁銀はかなりの悪形です。端攻めや棒銀に対しての受けで時々は出てくるのですが、その後で形を直せないと不利になります。

戦いのさなかでは指しにくく感じるでしょうが、隙を見て77銀~88玉を考えたい問題図でした。

 

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