名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20190620

2019-06-20 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

少し隙を作り仕掛けさせます。

A 16歩  B 36歩  C 56金

 

第2問

 

79角成を見せられました。先手玉が堅いので強気に対応できます。

A 57角  B 77桂  C 85歩

 

第3問

 

底歩で粘られましたが攻めていきます。

A 74歩  B 91飛成  C 57角

 

第4問

と金を作られて形勢が近づいたようですが、この攻めがぴったりです。

A 63歩成  B 51銀  C 62銀

 

第5問

 

平凡な手ですがこれで有利が拡大します。

A 51金  B 62と  C 64角

 

第6問

 

攻防の手です。

A 55金  B 61竜  C 36角

 

 

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大山将棋研究(1287);中央位取り中飛車(二上達也)

2019-06-20 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190620

昭和42年10月、二上達也先生と第6期十段戦第1局です。

大山先生の中央位取り中飛車です。

よく見るのは66歩を突かないで57銀~56銀とするのですが、この頃の大山先生は66歩~67銀と指しています。

二上先生は銀を出て56銀を強制し

飛を浮いて74飛のゆさぶりを見せます。

大山先生は74飛に対応しつつ、端を受けずにじっくりと駒組みしていきます。

二上先生は5筋の歩を切って

積極的に動ければ良かったのですが、端歩を突いて様子見では作戦負けの気配がします。

53銀として64歩をねらえば、金で守られたので

形を整えてから64歩と突いて

75歩、軽い仕掛けです。

調子が良さそうですが

位を4つ取られて、銀を引かされてはかなりの手損です。

先手陣が上ずったので端角でけん制しました。

大山先生は強気で85歩。これに同飛は仕方ないところでしょう。交換して終盤に入ります。

二上先生は87飛などではなく67歩でした。これでは攻めが遅そうです。

底歩で粘って

と金を間に合わせようとしたのですが、大山先生は74歩~73歩成から

53歩成も利かせて71飛成。この銀取りは受けにくいです。また33角成から攻めるのもあるでしょう。

二上先生は78飛で銀取りのほうを受けました。大山先生はさわやかに33角成なんてしません。79歩同飛成77桂。これでも良いのでしょうか。77同桂成73竜76成桂では角を切ることになりそう、ならば最初から桂を捨てずに33角成ではないかと思うのです。

二上先生は58と と捨てて角を成りますが、2手かけて作った と金を捨てて、0手で角を成るくらいならば、最初から68角成よりも損です。(同じ形にはならないとしても、変調です。)

33角成のほうを気にしていたのでしょう、馬と角を交換し

駒を取り合ったところでは駒の損得はほとんど消えています。先手玉が堅すぎるので大山先生の有利です。

と金の作り合いは

二上先生のほうが先に と金を作れましたが、63歩成を受けるために角を打つのでは苦しいです。

大山先生は銀を引っ掛けて

と金を作りました。

52歩には62と~51と をねらいます。

二上先生は銀を取りましたが

角を使われて後手を引いています。

角を取られるから駒損で

55香は攻防ではあるのですが

大山先生の36角は良さそうな手です。受けとしても働いていますし

44歩と突けば銀取りです。

金銀を取り合うと後手玉の薄さが目立ちます。

攻めに出る前に手堅く66金を打ち

催促されてから角を切りました。

良いタイミングで竜を取り

竜を切って詰めろ。

投了図です。

 

大山先生の作戦勝ちというか、二上先生は仕掛けがゆっくり過ぎるのです。本局はいつもより玉が堅かったのですが、大山玉のほうがさらに堅すぎました。ちょっと怪しいところもありましたが、大山先生の完勝です。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/10/26
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 3四歩(33)
5 5五歩(56)
6 6二銀(71)
7 5八飛(28)
8 4二玉(51)
9 6六歩(67)
10 3二玉(42)
11 6八銀(79)
12 4二銀(31)
13 6七銀(68)
14 5二金(61)
15 4八玉(59)
16 3三銀(42)
17 3八玉(48)
18 4四銀(33)
19 5六銀(67)
20 8五歩(84)
21 7七角(88)
22 8四飛(82)
23 6八金(69)
24 1四歩(13)
25 4八銀(39)
26 5四歩(53)
27 同 歩(55)
28 同 飛(84)
29 5五歩打
30 8四飛(54)
31 6五歩(66)
32 9四歩(93)
33 4六歩(47)
34 9五歩(94)
35 6七金(68)
36 7四歩(73)
37 2八玉(38)
38 7三桂(81)
39 3八金(49)
40 5三金(52)
41 6六金(67)
42 4二金(41)
43 4七銀(56)
44 5二金(53)
45 5六金(66)
46 6四歩(63)
47 同 歩(65)
48 7五歩(74)
49 6六角(77)
50 6四飛(84)
51 6五歩打
52 9四飛(64)
53 4五歩(46)
54 3三銀(44)
55 7五歩(76)
56 8六歩(85)
57 同 歩(87)
58 8四飛(94)
59 8八飛(58)
60 1三角(22)
61 8五歩(86)
62 同 飛(84)
63 同 飛(88)
64 同 桂(73)
65 8一飛打
66 6七歩打
67 5四歩(55)
68 7一歩打
69 7四歩(75)
70 6八歩成(67)
71 7三歩成(74)
72 同 銀(62)
73 5三歩成(54)
74 同 金(52)
75 7一飛成(81)
76 7八飛打
77 7九歩打
78 同 飛成(78)
79 7七桂(89)
80 5八と(68)
81 同 銀(47)
82 6八角成(13)
83 5九歩打
84 7七馬(68)
85 同 角(66)
86 同 桂成(85)
87 7三龍(71)
88 6七歩打
89 6四歩(65)
90 6八歩成(67)
91 5七銀(58)
92 4一角打
93 5五角打
94 6七と(68)
95 5一銀打
96 5二金(53)
97 4二銀成(51)
98 同 金(52)
99 6三歩成(64)
100 5二歩打
101 6二と(63)
102 5四銀打
103 4六角(55)
104 5七と(67)
105 同 角(46)
106 9九龍(79)
107 6六角(57)
108 7六歩打
109 5一と(62)
110 6九龍(99)
111 7一龍(73)
112 5五香打
113 4一と(51)
114 同 金(42)
115 3六角打
116 6七龍(69)
117 4四歩(45)
118 5六龍(67)
119 5四角(36)
120 4四銀(33)
121 7五角(66)
122 6四歩打
123 6六金打
124 5三銀(44)
125 4三角成(54)
126 同 玉(32)
127 4一龍(71)
128 4二金打
129 4四歩打
130 同 玉(43)
131 5六金(66)
132 同 香(55)
133 4五歩打
134 5四玉(44)
135 4二龍(41)
136 3六桂打
137 同 歩(37)
138 5五角打
139 4六桂打
140 投了
まで139手で先手の勝ち

 

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20190620今日の一手(その893);受けるならば駒得をねらいたい

2019-06-20 | 今日の一手

20190620今日の一手

 

5月1日の名南将棋大会から、KさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の2歩得です。終盤なので評価は控えめ、損得なしとしても良いでしょう。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は持ち駒飛角銀で3枚。

後手の攻め駒は34角27銀と持ち駒飛で3枚。

 

総合すれば後手もちです。

 

☆ 大局観として

相振り飛車で飛の取り合いになりました。わずかな駒得を主張するよりも、後手が歩切れなので攻めにくいだろうというくらいの違いです。

受けるべきか、寄せ合いを選ぶべきかという分かれ目です。攻撃力(攻め駒の数)は同じでも、持ち歩の数が違うので先手が攻めやすいのですが、玉の堅さで劣るので受けるほうをが無難でしょう。相手の攻め筋を考えれば答えが出ると思います。それが厳しければ避けねばなりません。

 

 

△ 実戦は31飛と攻めました。両取りなので自然な攻め方です。後手は28飛

王手が一番厳しいです。王手桂取りなので39玉と受けたら58飛成

あっという間に終わってしまいました。

 

28飛には38銀

しかなさそうです。(59玉29飛成では後手の攻め駒が4枚になる。)38銀成同金29飛成39金

やはり29桂は取られるのですが、竜取りで返してみます。19竜28銀18竜36角

これならばなんとかなりそうです。

 

後手は19竜ではなく36桂

36同歩37銀同玉39竜

どの合駒も28金で受けにくいです。38桂28金46玉38竜34飛成58竜31竜

38桂合も58金も取られてしまうのですが、入玉できるかどうかの勝負です。後手玉も万全とは言えないので形勢互角くらい。

 

先手としては39金の意味がないと思えば34飛成

49銀39銀27桂

49玉39桂成同金38銀59玉39竜68玉69金78玉49竜

58金を守れないのですが、後手の攻め駒は減っています。45角~64桂か、31竜~84歩か、寄せ合いで勝負します。

 

 

△ どうせ受けるならば38銀

先に受けるほうが手堅い、駒を打つ方が手堅いというのが受けの原則です。後手28飛の時に31飛としても同じだというわけですが、39玉という受けもあります。

38銀成同金26飛成31飛

これは互角くらいです。

 

後手としては38同銀成

銀を交換して、38同玉88飛68銀89飛成79歩

先手玉が堅くなりましたから、このほうが先手としてはわかりやすいでしょうか。

 

 

△ 39銀と打てば

28飛がなく、後手が歩切れなので28歩も(しばらくは)ないです。ただ88飛には68角

角を守りだけに打たされるのが不満です。

 

 

○ 39金とするのは

持ち駒を打たないので薄い受けなのですが、79飛(詰めろ)に49角

銀取りで受けられるというのが良いところです。後手は銀取りを受けにくくて67角成同金38歩

38同金同銀成同玉28金

(打たないで99飛成もある)28同玉49飛成38金99竜64歩

先手の駒得ですし、6筋の歩が切れたので反撃の筋が厳しくなっています。ねらいは45角で、後手から45角にも36角wと合わせればよいでしょう。64歩の前に45角かもしれません。これは先手有利です。

 

× 39玉も先に受けたと言えますが79飛

後手の28飛は必然ではないです。左翼から打たれて28銀成があり、何か受けても99飛成~28香など嫌味が消えません。

 

 

× 他には59銀と打てば

28飛39玉

58飛成には同銀と取れるというわけです。でも67角成同金38歩48玉29飛成

次の39歩成が厳しく、45角がぎりぎりの受けですが39歩成27角に(同竜とか49と ではなく)28竜が好手です。

38銀49と同玉39金48玉36桂

36同歩38金同角37銀58玉38竜

後手の攻めがうまく続きます。合駒を取られる形なので攻め駒が4枚になって寄せ切られます。

 

 

△ 他には89飛とすると

左翼から飛を打ち込まれる筋を消せます。28飛38銀同銀成同金

29桂を取られないという効果もあります。26飛成27歩25竜16角

角を交換し78銀の筋を消しておきます。竜を作られた分だけ駒損ですが当面の危機は去りました。

 

☆ まとめ

受けの2原則として先に受けるほうが手堅い、駒を打つ方が手堅い と言えます。

攻めの手31飛を指してから受けようとするとだめなときがあります。なんとか入玉をみせて受けるのはテクニックです。

38銀を先に打つのは強い受け(駒取りになる)ですが対等の交換なので後手に継続手が出てくるでしょう。

39銀は先手玉が堅くなったという実感がなく、さらに角も受けに使うのでしょう。

例外的ですが、移動するだけの39金は49角の銀取りをねらえます。後手の攻め駒である27銀を取れたら良い受けになります。後手の持ち駒が乏しい(歩切れでもある)ということが幸いしています。

あとは自陣飛車の受けも考えて良いです。攻防の手ですから打ちやすいでしょう。

 

 

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