20190620今日の一手

5月1日の名南将棋大会から、KさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得です。終盤なので評価は控えめ、損得なしとしても良いでしょう。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛角銀で3枚。
後手の攻め駒は34角27銀と持ち駒飛で3枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
相振り飛車で飛の取り合いになりました。わずかな駒得を主張するよりも、後手が歩切れなので攻めにくいだろうというくらいの違いです。
受けるべきか、寄せ合いを選ぶべきかという分かれ目です。攻撃力(攻め駒の数)は同じでも、持ち歩の数が違うので先手が攻めやすいのですが、玉の堅さで劣るので受けるほうをが無難でしょう。相手の攻め筋を考えれば答えが出ると思います。それが厳しければ避けねばなりません。
△ 実戦は31飛と攻めました。両取りなので自然な攻め方です。後手は28飛

王手が一番厳しいです。王手桂取りなので39玉と受けたら58飛成

あっという間に終わってしまいました。
28飛には38銀

しかなさそうです。(59玉29飛成では後手の攻め駒が4枚になる。)38銀成同金29飛成39金

やはり29桂は取られるのですが、竜取りで返してみます。19竜28銀18竜36角

これならばなんとかなりそうです。
後手は19竜ではなく36桂

36同歩37銀同玉39竜

どの合駒も28金で受けにくいです。38桂28金46玉38竜34飛成58竜31竜

38桂合も58金も取られてしまうのですが、入玉できるかどうかの勝負です。後手玉も万全とは言えないので形勢互角くらい。
先手としては39金の意味がないと思えば34飛成

49銀39銀27桂

49玉39桂成同金38銀59玉39竜68玉69金78玉49竜

58金を守れないのですが、後手の攻め駒は減っています。45角~64桂か、31竜~84歩か、寄せ合いで勝負します。
△ どうせ受けるならば38銀

先に受けるほうが手堅い、駒を打つ方が手堅いというのが受けの原則です。後手28飛の時に31飛としても同じだというわけですが、39玉という受けもあります。

38銀成同金26飛成31飛

これは互角くらいです。
後手としては38同銀成

銀を交換して、38同玉88飛68銀89飛成79歩

先手玉が堅くなりましたから、このほうが先手としてはわかりやすいでしょうか。
△ 39銀と打てば

28飛がなく、後手が歩切れなので28歩も(しばらくは)ないです。ただ88飛には68角

角を守りだけに打たされるのが不満です。
○ 39金とするのは

持ち駒を打たないので薄い受けなのですが、79飛(詰めろ)に49角

銀取りで受けられるというのが良いところです。後手は銀取りを受けにくくて67角成同金38歩

38同金同銀成同玉28金

(打たないで99飛成もある)28同玉49飛成38金99竜64歩

先手の駒得ですし、6筋の歩が切れたので反撃の筋が厳しくなっています。ねらいは45角で、後手から45角にも36角wと合わせればよいでしょう。64歩の前に45角かもしれません。これは先手有利です。
× 39玉も先に受けたと言えますが79飛

後手の28飛は必然ではないです。左翼から打たれて28銀成があり、何か受けても99飛成~28香など嫌味が消えません。
× 他には59銀と打てば

28飛39玉

58飛成には同銀と取れるというわけです。でも67角成同金38歩48玉29飛成

次の39歩成が厳しく、45角がぎりぎりの受けですが39歩成27角に(同竜とか49と ではなく)28竜が好手です。

38銀49と同玉39金48玉36桂

36同歩38金同角37銀58玉38竜

後手の攻めがうまく続きます。合駒を取られる形なので攻め駒が4枚になって寄せ切られます。
△ 他には89飛とすると

左翼から飛を打ち込まれる筋を消せます。28飛38銀同銀成同金

29桂を取られないという効果もあります。26飛成27歩25竜16角

角を交換し78銀の筋を消しておきます。竜を作られた分だけ駒損ですが当面の危機は去りました。
☆ まとめ
受けの2原則として先に受けるほうが手堅い、駒を打つ方が手堅い と言えます。
攻めの手31飛を指してから受けようとするとだめなときがあります。なんとか入玉をみせて受けるのはテクニックです。
38銀を先に打つのは強い受け(駒取りになる)ですが対等の交換なので後手に継続手が出てくるでしょう。
39銀は先手玉が堅くなったという実感がなく、さらに角も受けに使うのでしょう。
例外的ですが、移動するだけの39金は49角の銀取りをねらえます。後手の攻め駒である27銀を取れたら良い受けになります。後手の持ち駒が乏しい(歩切れでもある)ということが幸いしています。
あとは自陣飛車の受けも考えて良いです。攻防の手ですから打ちやすいでしょう。