後手番山田先生の手を考えます。
第1問
駒組が続くかと思ったのですが。
A 45歩 B 65歩 C 63銀
第2問
これが好手になりました。
A 66歩 B 84歩 C 78歩
第3問
先手からの84歩が目につきますが。
A 55角 B 84歩 C 74金
第4問
手筋手筋できれいに寄りました。
A 77角成 B 58と C 57歩成
第5問
ここからは即詰みです。
後手番山田先生の手を考えます。
第1問
駒組が続くかと思ったのですが。
A 45歩 B 65歩 C 63銀
第2問
これが好手になりました。
A 66歩 B 84歩 C 78歩
第3問
先手からの84歩が目につきますが。
A 55角 B 84歩 C 74金
第4問
手筋手筋できれいに寄りました。
A 77角成 B 58と C 57歩成
第5問
ここからは即詰みです。
今日の棋譜20190610
昭和42年7月、山田道美先生と第10期棋聖戦第2局です。
大山先生の中飛車、57銀型です。
急戦に備えて金は立って使います。
73桂を見て向い飛車、これで山田先生は仕掛けにくいでしょう。
44歩から玉を固めるのかと思ったら65歩を突いて
6筋の歩が切れたので攻めやすくなりました。
角筋が通り
桂頭を攻められてはいますが、玉が堅いので居飛車十分でしょう。
戦場は7筋から
8筋
9筋と移っていきます。74歩と突きだせば48角の利きが通るので端攻めは受からないです。63金と守らせたこともあり、形勢は互角になってきました。
山田先生は5筋の歩を取り込んで
受けられたら78歩。79歩成は受かりません。
74歩を手抜いて歩を成り
先に桂を取られますが85歩が良い利かしで
銀取りで89桂が取れました。
55角がぴったりで、後手が指しやすくなったようです。先手から36桂を打てば長いけれどじり貧でしょう。
39角は受けの形ですが、74金の強手を食らいました。
飛金交換でも54金があるので損をするわけではないのですが
先手玉が狭すぎます。
26桂から14歩として後手11香の利きを止めたのですが
銀を取り合い
36桂を外してもと金を捨てられ
飛を使われます。銀を埋めれば89飛59桂くらいならばまだ粘れそうですが
17銀同桂同歩成同角16歩。これで困っています。39角でも55金でも28角でも49竜を取ると詰み、つまり必至です。
大山先生は55金でしたが、竜を切られて取り返せば
詰んでいます。
美濃囲いに対しての55角~36桂というのは怖い筋ですね。危なさそうでも大丈夫なときもありますが、決まるときはきれいに決まります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/07/11
手合割:平手
先手:大山棋聖
後手:山田道美8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 6八銀(79)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 5八飛(28)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5七銀(68)
16 8五歩(84)
17 7七角(88)
18 4二銀(31)
19 2八玉(38)
20 7四歩(73)
21 6八金(69)
22 6四歩(63)
23 6七金(68)
24 7三桂(81)
25 8八飛(58)
26 1四歩(13)
27 1六歩(17)
28 9四歩(93)
29 9六歩(97)
30 4四歩(43)
31 3八銀(39)
32 6五歩(64)
33 6八銀(57)
34 6六歩(65)
35 同 角(77)
36 5三銀(62)
37 7五歩(76)
38 6五歩打
39 4八角(66)
40 4五歩(44)
41 7七銀(68)
42 8四飛(82)
43 7六金(67)
44 6四銀(53)
45 7四歩(75)
46 同 飛(84)
47 7五歩打
48 8四飛(74)
49 8六歩(87)
50 同 歩(85)
51 8五歩打
52 8一飛(84)
53 8六飛(88)
54 6三金(52)
55 9五歩(96)
56 同 歩(94)
57 9三歩打
58 5五歩(54)
59 9五香(99)
60 5六歩(55)
61 5八歩打
62 7八歩打
63 7四歩(75)
64 7九歩成(78)
65 7三歩成(74)
66 同 金(63)
67 8四歩(85)
68 8五歩打
69 同 金(76)
70 8九と(79)
71 6八銀(77)
72 8八と(89)
73 8三歩成(84)
74 同 飛(81)
75 9二歩成(93)
76 5五角(22)
77 3九角(48)
78 7四金(73)
79 同 金(85)
80 8六飛(83)
81 5四金打
82 3六桂打
83 1八玉(28)
84 1五歩(14)
85 2六桂打
86 1六歩(15)
87 1四歩打
88 7八と(88)
89 6四金(74)
90 6八と(78)
91 3六歩(37)
92 5八と(68)
93 同 金(49)
94 8八飛成(86)
95 6八歩打
96 9九龍(88)
97 4九銀打
98 1七銀打
99 同 桂(29)
100 同 歩成(16)
101 同 角(39)
102 1六歩打
103 5五金(54)
104 4九龍(99)
105 5四角打
106 3三玉(32)
107 4九銀(38)
108 1七歩成(16)
109 同 玉(18)
110 3九角打
111 投了
まで110手で後手の勝ち
20190610今日の一手
4月20日の名南将棋大会から、SさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の成銀得です。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。
先手の攻め駒は26飛55角23成銀と持ち駒銀で4枚。
後手の攻め駒は15角と85桂で2枚。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
問題図だけの形勢判断でははっきり先手有利なのですが、準王手飛車をかけられています。一番下のクラスの将棋ですから、銀を取った(24銀23銀がぶつかっていて23同銀成と取った)のが大悪手だったと先手Kさんはあきらめていたかもしれません。でも銀をもらっての準王手飛車、王手ではないのですから何か対応策がありそうなのです。角をもらえば73角があるというのも好都合です。
23成銀と32金、77桂と85桂、駒がぶつかっていますから指したい手も多く、混乱しそうです。どれが良い手でしょうか?忙しい局面では強い応手で対応しないと悪くなります。
○か△ 実戦は32成銀と取って(一番強そうな手)、
32同飛だったので27歩25歩という進行です。
(27歩を先にしたら23成銀を取られます)73金52銀63銀26歩と進んだのですが
先手の攻めは厳しくありません。飛を取られて駒損、27歩成もまあまあ厳しそうですから後手優勢です。
16歩と突けば
飛角の取り合いに持ち込めます。26歩15歩77桂成同角
飛と角金の交換ですから先手の駒得で有望でした。つまり27歩成ならば(28飛は38銀から飛を取られそう)95角62銀55桂54銀63銀
95角に41玉ならば24桂
という調子で、角を持っていれば有力な攻め筋があります。
後手としては32成銀に26角
王手で飛を取るほうが強い手です。37銀同角成同角32飛85桂
これでは後手の駒損ですから
もっと早く77桂成と取りたいです。
ただ桂を取るタイミングは難しくて、26銀78成桂73角
では先手よしです。
78成桂の前に32飛とすると77角
28飛38桂29飛成18角
これも少し先手のほうが良さそうです。
先手が前の図を嫌えば77桂成を同角
とすることもできます。15角21成銀45桂
これは互角くらいです。
戻って32成銀26角に37角
という応手もあります。37同角成同桂32飛85桂
先手の駒得だけど後手の29飛が厳しいので、37角よりは37銀を打つ方が良さそうです。
○か△ 37銀を先にしても
77桂成には25飛
78成桂32成銀同飛21飛成
これは先手が良さそうで、31金25竜14歩16歩37角成同角
と進めば少しはっきりします。
77桂成でまずければ後手は26角、飛を取ることになり32成銀
とすれば32成銀26角37銀の図と合流します。どちらがこの図に持ち込むまでの変化が少ないかという話でした。結論は多分どちらでも構いません。
○ 37角とすると
26角32成銀37角成で前の変化に合流する、という以外に26角を同角と取ることができます。
28飛に73角と打つのが
厳しい反撃です。62飛53角成(これが大きい)78飛成69銀
金を取られても竜取りで返して63馬をねらえます。
後手が73角に42玉ならば
53角成はないのですが、82角成78飛成(26飛成よりも厳しい)69銀
あるいは32成銀同玉を入れておいて69金
どちらも先手有利です。
後手が飛を取らないと、77桂成25飛
37角成同桂78成桂73角
やはりこの反撃が厳しいです。
△ 85桂(桂を取った)は
26角37銀に28飛
これでは反撃力がないので37銀よりは37角のほうがよくて28飛
26角78飛成69銀
28竜53角成23竜63馬
これは互角のようですが、85飛73角62銀53桂
厳しい寄せがあって先手優勢です。
ということは後手は37角を同角成
37同桂85飛32成銀62玉
先手の駒得だけれど後手玉のほうが安定しています。形勢互角でしょう。
× 65桂は取れる桂を取らないのでひねった手(不自然な手)です。
26角37角同角成同桂23金53桂成72金
53桂成を実現しても形勢が良くなりません。
73角と打つ方が良さそうですが
42玉82角成29飛
これは65桂の意味が薄いので後手もちです。
× 他にありそうなのは83歩ですが
この利かしは入らなそうなのです。26角37銀77桂成
77同角28飛38歩52飛
決めるだけ決めて飛車を逃げられます。32成銀同飛39金打27飛成26銀同竜
少し後手のほうが良さそうです。
× あとは58玉26角とか
× 69玉26角とか
× 37歩26角とか
いずれも先に王手にならないように受けているのですが、角取りに37銀とか37角のほうが良いです。23金とされていて自信なし。
☆ まとめ
特に級位者のころは飛を取られると戦意が無くなるものです。「へぼ将棋王より飛車をかわいがり」という川柳がありましたね。少し強くなると飛を捨てての二枚換えとか、角のほうが使いやすいとか、取らせている間に寄せてしまうとか、応用が利くようになります。
この場合は先に銀をもらっての淳王手飛車ですから対応策がありました。
他にも駒がぶつかっていますから、基本的には一番強い手を心がければ良いです。32成銀が一番強く見えます。
一見弱い手のようで、37角26角同角というのが後の先と呼ばれる手です。遅れているようでも早いのでした。たまに出てくるのですが、そう解説されても正直理解しにくいです。角をもらって73角を打てる、53角成とできる、という効果があります。