名南将棋大会ブログ 名古屋

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まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(1275);力戦中飛車(山田道美)

2019-06-08 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190608

昭和42年6月、山田道美先生と第10期棋聖戦第1局です。

大山先生の5筋の歩を交換する中飛車です。

これまでは振り飛車が66歩と止めている将棋ばかりでした。55歩を打つのもありますが、78金とするのは角筋を止めない指し方です。

山田先生から角を交換します。

居飛車のほうが角の打ち込みに神経を使います。1筋の位を取って待ち

金を寄せるのは駒組に苦労している感じが見えます。

8筋の歩を交換しました。89角(や87角)があるので、それで悪いわけでもないけれど、大山先生の棋風ではないでしょうね。87歩を打って

おとなしく指したら飛をぶつけられました。飛交換はできません。

55歩に山田先生は92角。先手からの83角を防ぎ、38玉をにらんでいます。

64銀~55銀右などをねらったところで、大山先生は無難に角を合わせました。

74歩にも75歩、角は交換してもらえないと困ります。

銀を出られたら歩を伸ばしておきます。

56歩にはいろいろあるところですが74角。

角交換では先手に手段が多いです。山田先生はゆっくりできないので銀をぶつけます。55同銀同銀45銀くらいが普通だと思いますが

大山先生は56銀。これはちょっと薄くて

山田先生は58歩同飛を入れて、66の銀を取り

割打ちで金をはがします。

銀を出て取れば王手飛車ですね。58飛56銀同飛67角というのはよくわかりませんが

大山先生は銀を引いたので、山田先生は銀の押し売りです。

大山先生は銀を打って

銀を取って打ってで千日手です。山田先生はすべて銀不成なので、千日手で良かったというところでしょう。当時の規定は同一手順3回なので、不成の間に成が入ると無限に繰り返せます。

当日指し直しではなくて、日を改めてということになりました。

*どれも一局という手ばかりなので、この将棋の問題集は休みます。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/06/20
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:山田道美8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 5五歩(56)
8 同 歩(54)
9 同 角(88)
10 4二玉(51)
11 7七角(55)
12 3二玉(42)
13 4八玉(59)
14 3四歩(33)
15 7八金(69)
16 4二銀(31)
17 3八玉(48)
18 5三銀(62)
19 6八銀(79)
20 7七角成(22)
21 同 銀(68)
22 4四銀(53)
23 4八銀(39)
24 1四歩(13)
25 5九飛(58)
26 1五歩(14)
27 6六銀(77)
28 8五歩(84)
29 7七桂(89)
30 5一金(61)
31 4六歩(47)
32 8六歩(85)
33 同 歩(87)
34 同 飛(82)
35 8七歩打
36 8二飛(86)
37 4七銀(48)
38 5二飛(82)
39 5五歩打
40 9二角打
41 4八金(49)
42 5三銀(42)
43 6五角打
44 7四歩(73)
45 7五歩(76)
46 6四銀(53)
47 5四歩(55)
48 5六歩打
49 7四角(65)
50 同 角(92)
51 同 歩(75)
52 5五銀(44)
53 5六銀(47)
54 5八歩打
55 同 飛(59)
56 6六銀(55)
57 同 歩(67)
58 6九銀打
59 6八飛(58)
60 7八銀成(69)
61 同 飛(68)
62 5五銀(64)
63 4七銀(56)
64 4六銀(55)
65 4四歩打
66 同 歩(43)
67 5六銀打
68 4七銀(46)
69 同 銀(56)
70 4六銀打
71 5六銀打
72 4七銀(46)
73 同 銀(56)
74 4六銀打
75 5六銀打
76 4七銀(46)
77 同 銀(56)
78 4六銀打
79 千日手
まで78手で千日手

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20190608今日の一手(その887);穴熊を寄せる

2019-06-08 | 今日の一手

20190608今日の一手

 

4月20日の名南将棋大会から、KさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

角香と金金の交換で竜馬の作り合いです。終盤ですし、損得なしと見ておきます。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は22竜と持ち駒金金で3枚。

後手の攻め駒は45桂と持ち駒飛角香で4枚。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

先手の仕掛けがうまくいってかなり有利な状態で終盤に入ったのですが、ちょっと攻めあぐねたかなあ、というくらいの局面です。

後手からは44角の両取り、46歩、46香、57香、嫌な手がいくつかあります。これらの攻め筋を全部受けることができないので、寄せ合いを目指したいです。後手が金銀を持っていないので穴熊も堅くはないのですが、先手が金を使って攻めると金を埋めて粘られるかもしれません。注意して寄せを考えます。

 

△ 11竜は

香を取って攻め駒4枚になります。でも44角(か33角)を打たれます。41竜99角成

(61金や86香も見えますが)72香同銀62金71香

71同金同銀同竜88金68玉78金同金82銀

72竜71香42竜29馬

先手の駒得は広がっているのですが、寄せ合いと見れば形勢不明です。

 

 

○ 実戦は61金でした。

44角に25竜というのが疑問手です。

57香への応対が難しく、45竜58香成同銀88金68玉78金同金99角成

受けきりにできないので寄せ合いしかないですが、竜がそれているので速度負けしています。

 

44角には21竜として

寄せ合い継続が正しいです。99角成に71金同銀88銀

一度受けるのもあります。88同馬同玉82銀打

46歩96香45歩98飛77玉

これは形勢不明です。

 

初志貫徹で88銀を打たずに71同竜

このほうがいいですね。82金でも88金68玉78金同金82銀でも、62銀か72銀と打って詰めろが続きますから先手優勢です。

 

 

○ 94歩の利かしは

44角にも構わず93歩成

とすれば詰めろ、99角成に82と と取れますから先手有利です。

 

ということは94歩には同歩しかありません。

93歩同香まで決めておいて61金

71金とするのがより厳しくなっています。すなわち44角42竜99角成71金

とすれば受けなしです。

 

後手とすれば角を成る前に41香

とすれば竜の位置がずれますが、41同竜99角成71金同銀同竜88金68玉78金同金82銀72銀

前にやった手順で、先手の持ち駒に香が増えて93香の形です。どちらでも先手勝勢です。

 

後手が粘るならば44角ではなく72飛とするくらいです。

62金打同銀同金同飛同竜71金32竜

後手の持ち駒飛がなくなりました。手順に44角が消えて、46歩、46香、57香などにも対処しやすいです。1段目に飛を打てば2手すきで、72金打などと使わせることができます。先手優勢と言えるでしょう。

 

 

× 21竜は44角を避けて無難ですが

44角61金という変化にはならないです。57香68金寄46歩38銀28飛

後手の駒得になりそうな攻めがあります。

 

57香に48金でも28飛

ですから同じようなものです。

 

 

△か○ 31竜ならば

28飛と合わせられることはないですが、57香48金28飛49歩22角

手順に攻められて悪いです。(この後の41竜~61金の寄せ合い手順で29馬~48飛成で詰み筋が生じます。)

 

49歩のところで39金25竜61金

寄せ合いならどうでしょうか。22角41竜99角成71金同銀同竜88金68玉78金同金82銀62銀

これは受けなしです。言いなりになっているようでも先に金駒を渡さなければ61金からの攻めが受けにくかったというわけです。

 

後手が金駒を取りやすいように28飛ではなく18飛と工夫して

49歩29馬61金47馬

ならばどうでしょうか。後手は銀を手に入れています。71金同銀同銀同竜82銀72銀

71銀同銀成82金72金同金同成銀82金61銀

金銀の打ち替えで後手が受けにくくなり、先手勝ちになるようです。

 

 

× 32竜では(52竜も同じ、42竜は24角がある)

57香48金28飛38銀29馬

受けていても駒損になります。先ほどのような61金が厳しくないので後手の勝ち筋でしょう。

 

 

△ 72金と打って

竜の位置を変えようというのは、72同銀同竜71香

71金ではなく香を打たれるのが不満です。金を手持ちにされているほうが攻めにくいのです。

 

 

△ 61金だと

44角42竜99角成71金同銀88銀98馬

というのはよくわからないです。

 

ねらいとしては62金に同銀と取ってもらい

62同竜71金同竜同銀61金

食いつこうというわけですが、82銀72金22飛62銀

71銀成を見て何とかなっている感じはありますが、金銀3枚だけの攻めですからよくわかりません。馬筋を通して74歩46歩を入れると上部に逃げる変化も出てきます。

 

 

× 44歩は

と金を作れば4枚目の攻め駒、後手の44角も消しているというわけです。46歩38銀28飛

28同竜同馬49金37香

竜を消されると43歩成だけではずいぶん遅い寄せなので、後手も少しゆっくり攻めることができます。先手不利です。

 

 

× 46歩は桂を取ろうというわけですが

44角21竜99角成25歩46歩38銀28飛

桂を取っている間に攻められて悪いです。

 

途中で61金を打てば

まだ戦えるとはいえ、57香48金98飛

後手の寄せのほうが速そうです。

 

 

☆ まとめ

先手からの1段竜+61金がかなり受けにくい攻めだということがわかりました。後手が金駒をもっていないという条件付きですが、金銀2枚の穴熊は堅くない、だから寄せはないかと探してみるのが実戦の心得です。大駒を切っても構わない守備陣形だといいですね。

端の位を生かして、93香と吊り上げてからならば2段竜+61金からでも寄せられます。

 

 

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