先手番大山先生の手を考えます。
第1問
もう少し駒組かと思いましたが仕掛けました。
A 22歩 B 45歩 C 54歩
第2問
ここまで読んで仕掛けるのですね。
A 53歩 B 34歩 C 12馬
第3問
当然の手ではありませんでした。
A 33歩成 B 77銀 C 32馬
第4問
これは指せません。
A 33歩成 B 23金 C 44歩
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
もう少し駒組かと思いましたが仕掛けました。
A 22歩 B 45歩 C 54歩
第2問
ここまで読んで仕掛けるのですね。
A 53歩 B 34歩 C 12馬
第3問
当然の手ではありませんでした。
A 33歩成 B 77銀 C 32馬
第4問
これは指せません。
A 33歩成 B 23金 C 44歩
今日の棋譜20190614
昭和42年8月、大内延介先生と第8期王位戦第2局です。
大内先生の中飛車です。
大山先生は36歩を突いてから57銀右、
46歩を突いて金を上がらせ
袖飛車です。大内先生は42金と上がっているので
53金から32飛で迎え撃ちます。
大山先生は飛交換できないので35歩を打ち
隙を見て24歩同歩28飛が利きました。35飛24飛の時に後手は2筋を守れません。
軽い形で仕掛けられましたが、飛角だけの攻めなので大内先生はいろいろな受け方ができます。
55歩から54銀と使い
45歩を取り、銀ばさみを見せられたので
銀は引いて玉の守りに使います。
少し駒組みが進み、大山先生は歩を合わせて再度仕掛けました。
桂を跳ねて角筋を通し
11角成とすれば33桂までは必然でしょう。
44歩52銀を利かせて飛を走ると
桂損ですがいいのでしょうか。飛を成って
53歩が利きました。金で取るしかないから
桂を取り返せました。歩切れですが竜馬銀で抑え込めるでしょうか。
大内先生は44金からのさばきをねらいます。
馬を使われて33桂は打ちたくないですが
44金は実現しました。
金は前進して
飛をぶつけ
また金が突進します。威勢は良いのですが、46同金同飛64馬の筋は大丈夫でしょうか。76飛77銀74飛で耐えているような、46馬でパッとしないような。
大山先生は95歩。端を絡めて64馬の筋を厳しくしようとしたのですね。95同歩同香同香94桂だって成立するかもしれません。大内先生のほうから金を取り
2筋を謝らせてから95歩。先手が歩切れなので
33桂を取られても端の逆襲は厳しく見えます。
大山先生は33桂を取らず、77銀から64馬。このほうが馬が働きます。
端を逆手に取り
謝らせたところでは25桂が遊んでいる(攻め駒の数が違う)のと竜馬の存在が大きく、先手有利です。
じっくり抑え込んで焦らせます。
大内先生の85金は香取りですが、金を合わせられ
84金と引くのは損得不明です。このやり取りがあったので、大山先生は持ち駒がなく、27歩と突きだして25桂を攻めました。
大内先生は17桂成26歩16成桂、変わった手順で
飛桂をさばきました。
香を取り返しても16飛が狭いので、14香を打ち
どうにか飛の捕獲は回避できました。
大山先生は54桂~42桂成、自然に駒を取りながら攻めていきます。
銀をはがして
飛竜を交換、結局は香銀交換で馬があります。ずいぶん長い戦いですが、ずっと駒得です。
飛を打ちあい
まだまだ続きそうですが、33同歩12竜となれば銀得ですね。大内先生はここで投了です。
長い攻防が続きましたが、大山先生は駒得を保ち、安全運転で終わりました。端攻めは歩切れになって失敗したのかなあということろもありましたが、33桂を取らずに馬を使うものなんですね。
若手相手に一筋縄ではいかないことを見せつけました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/08/09
手合割:平手
先手:大山王位
後手:大内延介6段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 5四歩(53)
11 7八玉(68)
12 5二飛(82)
13 5六歩(57)
14 6二玉(51)
15 6八銀(79)
16 7二玉(62)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 5八金(49)
20 8二玉(72)
21 3六歩(37)
22 4三銀(42)
23 5七銀(48)
24 7二銀(71)
25 4六歩(47)
26 4二金(41)
27 3八飛(28)
28 5三金(42)
29 3五歩(36)
30 同 歩(34)
31 同 飛(38)
32 3二飛(52)
33 3八飛(35)
34 2二角(33)
35 3五歩打
36 6四歩(63)
37 2四歩(25)
38 同 歩(23)
39 2八飛(38)
40 3三角(22)
41 4五歩(46)
42 5五歩(54)
43 同 角(88)
44 5四銀(43)
45 8八角(55)
46 4五銀(54)
47 4七金(58)
48 5四銀(45)
49 5五歩(56)
50 6三銀(54)
51 4六銀(57)
52 5一角(33)
53 3七桂(29)
54 1二香(11)
55 4五歩打
56 同 歩(44)
57 同 桂(37)
58 4三金(53)
59 5四歩(55)
60 同 金(43)
61 1一角成(88)
62 3三桂(21)
63 4四歩打
64 5二銀(63)
65 2四飛(28)
66 4五桂(33)
67 2三飛成(24)
68 4二飛(32)
69 5三歩打
70 同 金(54)
71 4五銀(46)
72 2二歩打
73 3四龍(23)
74 3三歩打
75 同 龍(34)
76 3二歩打
77 3四龍(33)
78 6二角(51)
79 2二馬(11)
80 3三桂打
81 3一馬(22)
82 4一歩打
83 3六銀(45)
84 4四金(53)
85 2四龍(34)
86 4五金(44)
87 4六歩打
88 4四飛(42)
89 2七龍(24)
90 4六金(45)
91 9五歩(96)
92 2六歩打
93 3八龍(27)
94 4七金(46)
95 同 銀(36)
96 2四飛(44)
97 2八歩打
98 9五歩(94)
99 3四歩(35)
100 9六歩(95)
101 7七銀(68)
102 2五桂(33)
103 6四馬(31)
104 6三銀(72)
105 4六馬(64)
106 2三飛(24)
107 9四歩打
108 6四歩打
109 9六香(99)
110 9二歩打
111 3五桂打
112 2一飛(23)
113 5六銀(47)
114 7二金(61)
115 4五銀(56)
116 4二歩(41)
117 4四歩打
118 8五金打
119 8六金打
120 8四金(85)
121 2七歩(28)
122 1七桂成(25)
123 2六歩(27)
124 1六成桂(17)
125 同 香(19)
126 2六飛(21)
127 3七馬(46)
128 1六飛(26)
129 2七龍(38)
130 1四香打
131 2八馬(37)
132 1五飛(16)
133 2五歩打
134 2四歩打
135 5四桂打
136 7一角(62)
137 4二桂成(54)
138 2五飛(15)
139 5二成桂(42)
140 2七飛成(25)
141 同 馬(28)
142 5二銀(63)
143 5一飛打
144 5七飛打
145 3六馬(27)
146 6二角(71)
147 2一飛成(51)
148 4二歩打
149 3三歩成(34)
150 投了
まで149手で先手の勝ち
20190614今日の一手
5月1日の名南将棋大会から、TさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損で持ち歩がないので駒損です。序盤での駒損は重く見ます。
玉の堅さは先手のほうが少し堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は67角1枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
この前の問題とは正反対で、苦しい時にどうするかという問題です。序盤での今日の一手はあまり書いていないのですが、形勢判断の中では駒の損得が重要です。これから長い戦いになるでしょうから、少しの差でも大差になりやすいです。
つまりどうやって駒損を避けるかというのがテーマです。互角にもっていければ良しとします。
△ 当面89桂を守らねばなりません。実戦は88飛でした。57歩成があるので
自然な応手とは言いにくいです。86歩56角成85歩53銀84歩47と
8筋を逆襲して飛が取れればということでしたが、飛は取れず、38銀を取られることになっては明らかな駒損です。
途中57歩成の時に75角
王手で と金を払えます。33玉57角56角成44歩28玉
歩は取り返しましたが、馬と自陣角では馬のほうが駒得で先手が指しにくいです。馬と持ち角ならばまだ悪くはない(多くは手得になる)のでしょうが。
× 78飛はちょっとひねっていて
78同角成を誘っています。後手としては57歩成のほうが良くて、75角33玉57角
と金を取られても45角成とすれば馬と自陣角なので馬が大きいです。
× 79金だと
57歩成同飛45角成ならば、歩損が消えて馬と持ち角なのでまあまあ我慢できます。
58角成同金と進むでしょう。
飛歩と角の交換ですから駒損です。56歩を取れれば
駒組のやり直しで、作戦負けの恐れもありますがこれから次第です。
ただ56歩は簡単には取れません。53銀48玉44銀
67金に55銀を用意されています。64歩同歩63角
もう1歩損をして馬は作れます。さらに駒組みが進んで
もう一枚馬を作れたらさらに駒損は薄れるのですが、玉の堅さが逆転していますから後手のほうが勝ちやすいです。
×か○ 68金は
58角成のほうは同金寄79飛67角
角2枚持っていれば飛の打ち込みは何とかなります。
当然(と思ってもらえればよいですが)89角成に59飛
といううのがねらいの手です。99馬同飛は桂香歩と角の3枚換えではありますが、振り飛車の左の桂香がさばけたと思えばまずまずです。
57歩成89飛68と同銀78金
この両取りをかけられそうです。66角33桂(89金11角成は望むところ)88飛
88同金同角89飛66角打
79金を見てちょっと指せるかも。
ただ68金に57歩成とされたら
失敗なのです。57同飛89角成59飛45馬
桂損で馬を作られています。ただ先手陣も形は悪くないので駒損を受け入れて指すことはできます。68金はハメ手のような勝負手でした。
× 59飛でも
89角成68金ならばまずまずです。
でも57歩成とされた時には
57同飛89角成、あるいは75角33玉57角89角成68金45馬、いずれも失敗です。手順前後はいけません。
× 78金はひねりすぎで57歩成を食らいます。
67金に同と、二枚換えで駒損の変化になります。
○ 78角が多分最善手です。
自陣に駒を打つ方が粘っている感じがしますね。58角成同金
というのは56歩を取りやすいのです。歩を取り返して飛角交換ならば許容範囲です。
ということで後手は78同角成です。
78同飛57歩成75角33玉57角67角
歩を取り返したけれど馬と自陣角ではちょっと見劣りします。
それと57歩成ではなく53銀58金左と進行したとしても
56歩を取り返しにくい状態が続きます。
なので78同角成には同金
として56飛を見る方が良いです。69角を打たれた時にどうするかですが、あっさり68飛78角成同飛57歩成
75角41玉57角67金66角
78金11角成33桂66角22銀21馬69飛84香
飛を取られても11香を取って反撃できますからまあまあ戦えます。
後手は57歩成の前に67金を打って
88飛57歩成28玉
くらいかもしれません。金 と金VS角はちょっと損ですが、先手玉のほうが安定しているのでそんなに悪くもないです。86歩同歩同銀という攻めもありますし。
△か× 98角は惑わせるかもしれません。
58角成同金左の時には飛車の打ち込みに強いから56歩を取り返しやすいという主張です。
後手は飛を取らないで馬を作るのが正しいです。
歩を取り返しても馬と自陣角で働きに差があります。
どれかの変化と合流するでしょう。ただ最善と思える78角や勝負手の68金に合流しないです。
☆ まとめ
序盤での駒損は避けたいです。注意することとしては
①歩損でも持ち歩があれば駒損ではない。
②(相手)馬(自分)持ち角 は損だとも言い切れない。
③(相手)馬+歩切れ(自分)持ち角+歩得 ならば歓迎する。
④(相手)馬(自分)自陣角 は損なことが多い。
⑤(相手)自陣角(自分)持ち角 は自陣角の働き次第
⑥(相手)飛(自分)角 は陣形次第。飛の打ち込みがあるかどうかに関係する。
これくらいのことを理解しておけば(実戦で思い浮かべられたら)良いです。
ここでは最善は78角でした。ちょっと損でも粘る感じです。
68金に89角成としてもらえそうな相手ならば勝負手が成功します。