大山将棋問題集 20190607

先手番加藤先生の手を考えます。

第1問

 

大駒を使いたいところですが、これが無難です。

A 24歩  B 46飛  C 54歩

 

第2問

 

43銀を打った意味は？

A 53歩  B 21竜  C 44角

 

第3問

 

攻防の意味があります。

A 61角  B 63銀  C 66角

大山将棋研究（1274）；三間飛車に中央位取り（加藤一二三）

今日の棋譜20190607

昭和42年1月、加藤一二三先生と第15回王座戦です。

大山先生の後手三間飛車です。

加藤先生はもちろん急戦ですが、まだ定跡は完成されていないころです。居飛車の課題はいくつもありました。この形は45歩同歩55歩43銀45桂44角でしたっけ。

加藤先生は単に55歩で

中央位取りですが、金を前に出すのは珍しい指し方です。

ここから仕掛けます。

3筋も突き捨てて金を出ます。

32飛には34歩を打ってから

46飛。大山先生は34銀とするか

本譜の44歩同金同銀同飛か。一見すると飛車をさばかれて振り飛車が悪いようですが

と金を作れます。

加藤先生は45桂にひも（56銀）をつけてから飛を成りました。これならば42飛が無いというわけです。

確実な攻めですが

31金を打たれると竜を切るしかありません。

と金を作っても42歩を打たれると

金銀の取り合いです。わずかに駒損ですが

と金を引いて寄せ合いはどちらの勝ちでしょうか。46と53と56と63と同銀53桂成で2手すき、先手玉は39飛成が詰めろではないから63成桂は先手の勝ち。

大山先生は85歩でしたが、と金を引かれて

桂を成られ、受けはなさそうです。

73銀と埋めたら抵抗できそうですが

あっさり86歩だったので詰めろをかけられて投了です。

 

大山先生の敗因がよくわかりません。寄せ合いで間違ってもいないようですから、と金を作られたところで悪いということでしょう。

ここで44歩がばからしく、34銀同金同飛だったのでしょうか。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時：1967/06/15
手合割：平手　　
先手：加藤一二三8段
後手：大山名人
手数----指手--
1 ７六歩(77)
2 ３四歩(33)
3 ２六歩(27)
4 ４四歩(43)
5 ２五歩(26)
6 ３三角(22)
7 ４八銀(39)
8 ３二飛(82)
9 ５六歩(57)
10 ４二銀(31)
11 ６八玉(59)
12 ６二玉(51)
13 ７八玉(68)
14 ７二玉(62)
15 ５八金(49)
16 ８二玉(72)
17 ３六歩(37)
18 ７二銀(71)
19 ４六歩(47)
20 ５二金(41)
21 ３七桂(29)
22 ２二飛(32)
23 ９六歩(97)
24 ９四歩(93)
25 ５五歩(56)
26 ４三銀(42)
27 ４七金(58)
28 ６四歩(63)
29 ５六金(47)
30 ６三金(52)
31 ６八銀(79)
32 ７四歩(73)
33 １六歩(17)
34 １四歩(13)
35 ２六飛(28)
36 １三香(11)
37 ５七銀(48)
38 ８四歩(83)
39 ４五歩(46)
40 同　歩(44)
41 ３五歩(36)
42 同　歩(34)
43 ４五金(56)
44 ３二飛(22)
45 ３四歩打
46 ５一角(33)
47 ４六飛(26)
48 ４四歩打
49 同　金(45)
50 同　銀(43)
51 同　飛(46)
52 ３六歩(35)
53 ４五桂(37)
54 ３七歩成(36)
55 ５六銀(57)
56 ３六と(37)
57 ５四歩(55)
58 同　歩(53)
59 ４一飛成(44)
60 ３四飛(32)
61 ４三銀打
62 ３五飛(34)
63 ５三歩打
64 ３一金打
65 ５一龍(41)
66 同　金(61)
67 ５二歩成(53)
68 ４二歩打
69 ５一と(52)
70 ４三歩(42)
71 ５二と(51)
72 ８五歩(84)
73 ５三と(52)
74 ７三金(63)
75 ６二と(53)
76 ８三玉(82)
77 ５三桂成(45)
78 ４六と(36)
79 ７二と(62)
80 同　金(73)
81 ６六角(88)
82 ８六歩(85)
83 ８四銀打
84 ８二玉(83)
85 ６一角打
86 投了
まで85手で先手の勝ち