名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20191011

2019-10-11 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

これで指せると読むのは怖いところですが。

A 53角  B 46銀  C 24歩

 

第2問

 

駒得を主張します。

A 22馬  B 54歩  C 76銀

 

第3問

 

これも怖い手です。

A 64銀  B 35歩  C 87銀

 

第4問

 

ここからは手堅く自陣に手を入れていきます。

A 56馬  B 77馬  C 68金上

 

第5問

 

完封が見えてきます。

A 65歩  B 56馬  C 77歩

 

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大山将棋研究(1373);陽動向い飛車(升田幸三)

2019-10-11 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191011

昭和44年10月、升田幸三先生と第8期十段戦です。(偶然ですがちょうど50年前)

升田先生の振り飛車のようでしたが84歩を突いて

72銀が少し変な手で、83銀と言うのは棒銀もできますが

向い飛車に。79角に対応したとも言えますが、最初からの構想でしょう。

銀冠にすれば83銀は無駄にならないわけです。大山先生は36歩や46歩を突いているのに玉頭位取りに。

升田先生が急戦をねらうのは当然でしょう。

大駒を交換できれば後手が有利になりやすいです。

角もぶつけ

とにかく暴れたいわけです。

これで角交換は避けられず

大山先生は馬を作って指します。

56歩には銀をこちらへ。

升田先生は銀をぶつけます。

大山先生は銀交換に応じて54歩。と金を作り、駒得を主張します。

升田先生も馬を作り

53歩成を受けられたと思えば銀を打たれ

と金を作られたので攻めねばなりません。87銀から

攻めるのですが、63と を避けて74銀ではちょっと苦しそうです。金を立たれて先手玉が少し広くなりました。

76銀成を阻止されて、駒が欲しいので63歩で清算というのはあったのですが、後手を引くからちょっと足りないのでしょう。

でも56歩を払われて先手玉が堅くなりました。2筋を攻めるのは最後のお願いですが

88歩まで打たれて

成銀も取ってもらえず47歩を払われました。

じっくりと指されて手が無くなりました。ここまで。

 

大山先生の指し方が欲張りなので、向い飛車で急戦すれば後手よしになりそうなのですが、中央が薄いから馬や と金を作られて決め手が見つかりません。大山先生のじっくりした指し方を学ぶとしましょう。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/10/11
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 8四歩(83)
9 6八銀(79)
10 4三銀(32)
11 5八金(49)
12 3三角(22)
13 2五歩(26)
14 7二銀(71)
15 3六歩(37)
16 8三銀(72)
17 7七銀(68)
18 2二飛(82)
19 4六歩(47)
20 6二玉(51)
21 6八玉(59)
22 7二玉(62)
23 7八玉(68)
24 8二玉(72)
25 9六歩(97)
26 7二金(61)
27 7五歩(76)
28 6四歩(63)
29 5七銀(48)
30 3二金(41)
31 8六歩(87)
32 2四歩(23)
33 同 歩(25)
34 同 飛(22)
35 2五歩打
36 2二飛(24)
37 7六銀(77)
38 4五歩(44)
39 5五歩(56)
40 5四歩(53)
41 4五歩(46)
42 5五角(33)
43 同 角(88)
44 同 歩(54)
45 5三角打
46 5六歩(55)
47 4六銀(57)
48 5四銀(43)
49 4四角成(53)
50 6五銀(54)
51 同 銀(76)
52 同 歩(64)
53 5四歩打
54 3三金(32)
55 5五馬(44)
56 3九角打
57 2七飛(28)
58 7五角成(39)
59 6四銀打
60 8六馬(75)
61 5三歩成(54)
62 8七銀打
63 7九玉(78)
64 7四銀(83)
65 6八金(69)
66 2六歩打
67 同 飛(27)
68 6六歩(65)
69 同 歩(67)
70 4七歩打
71 7七歩打
72 8五馬(86)
73 5六馬(55)
74 2四歩打
75 同 歩(25)
76 2五歩打
77 2七飛(26)
78 2四飛(22)
79 8八歩打
80 9六銀成(87)
81 4七飛(27)
82 8六成銀(96)
83 5七飛(47)
84 3五歩(34)
85 5四歩打
86 投了
まで85手で先手の勝ち

 

 

 

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20191011今日の一手(その931);カウンターの感覚

2019-10-11 | 今日の一手

20191011今日の一手

9月15日の名南将棋大会から、HさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

少し前はこの図で

後手Sさんが77角成同飛85桂として

両取りをかけてきた局面です。相振り飛車を指す方なら、やってはいけない筋だとご存じでしょう。

☆ 形勢判断をします。

桂と角歩の交換で、先手の駒得です。

玉の堅さは同程度ですが、27玉の位置は上からの攻めに弱くなっています。相振り飛車ですから後手のほうが堅いとみるべきでしょう。

先手の攻め駒は77飛97角65銀と持ち駒角で4枚。

後手の攻め駒は42飛を数えてもよいかもしれませんが、85桂と合わせて2枚です。

 

総合すれば先手有利です。

 

☆ 大局観として

後手の77角成からの両取り筋は、先に駒損してしまいますし、取り返しても駒を交換するだけです。少し前の図から見れば、後手の33角、先手の77桂97角が駒台に乗った(76飛97桂成同香として)、先手の左桂がさばけたというだけです。でも後手がその筋をあえて選んだのですからねらいがあるのでしょう。わかりますか?

実戦であればそのねらい筋を看破するということになりますし、問題図だけで考えれば、荒っぽい技をかけられたので、カウンターの好手はないかな?と探す局面です。先手有利ですから、いくつか有力な筋があります。

 

☆ 簡単なまとめ

76飛が普通ですが、王手飛車のラインに入ります。

86角や88角が無難です。77桂成同角79飛

後手の攻めは気になりますが、ここで56銀が良い手です。77飛成には55角

両取りの掛け合いです。

 

カウンターで踏み込むならば55角

後手に良い受け方がありません。

 

 

△ 実戦は76飛でした。

飛を大事にするならば、一番自然な逃げ方です。97桂成同香64歩56銀54角

これが後手のねらい筋でした。純粋な王手飛車をかけられては敗勢です。

 

97桂成を同香と取る余裕はありません。43歩くらいは打って

43同飛44歩41飛(44同飛は55角だががないこともない)55角73桂97香

65銀を追われない形を作れば成桂を取れるのですが、後手から64歩も気になります。何とかなっているような、これでもまずいような。

 

 

× 飛の逃げ方としては、王手飛車の筋を避けで79飛はあるのですが

97桂成同香88角

駒損になりそうです。

 

 

× ならば74飛はどうか。

74同金同銀97桂成

厳しい攻め筋がなく、駒損では悪いです。

 

 

○ 飛を逃げるのではうまくありませんでした。86角もしくは88角とするのは

もう一つの対応策です。77桂成同角79飛

角取りと47歩成を見られてまずそうなのですが、56銀77飛成55角

王手飛車をかけて取り返せば駒の損得は(1歩得ですが)なく、77角も遊びませんし、左銀の働きも違いますから少し先手有利でしょう。振り飛車党らしい指し方ではないでしょうか。

 

 

○か△ 64銀と出ると

64同金同角は王手なので飛もかわせそうです。後手は銀を取れず、77桂成63銀成同銀53角成

これは先手十分です。

 

ならば97桂成しかなく

63銀成同銀97香64歩

じっと我慢されるとどう指すかは難しそうですが、先手が良いはずです。

 

 

× 74銀とすれば

87桂成63銀成同銀97香

74歩が先手の持ち駒になっているのですから、前の変化よりも得です。

 

しかし74銀は同金とされて

74同飛97桂成

63角の王手飛車が残っているので成桂を取れないのでは少し悪いです。

 

 

△か○ 56銀と引いて

77桂成55角64歩77角

これは飛と角歩の交換、先手玉が堅いですし、11角成と65歩の攻め筋があります。先手が指しやすいです。

 

 

△ 利かしとしては43歩

43同飛か32飛かは難しいですが、それによってどの変化を選ぶか決めることはできます。あまり損のない利かしです。

 

 

△か× 62歩同飛は

利かしですが攻めにくくなっています。おとなしい変化を選ぶならありですが。

 

 

○ 64歩は

62金引の時に55角が見えていれば、73桂74銀

55角のラインが強烈です。

 

後手としては73金を選ぶしかありません。

これならば76飛でも先手よしになりそうです。良さを求めるならば75歩77桂成74歩

84金63歩成同銀53角成

後手陣を乱し、55角を打てば駒損は消えます。

 

 

○ 55角の王手は

他の変化で時々出てきましたが、これがあるので後手の77角成~85桂が無理筋だろうと思えるところです。73桂64歩62金引74銀

前にも出てきました図ですが(64歩62金引55角73桂74銀)、73銀成の攻めと63歩成の攻めがあり、77飛97角のどちらかを取られても攻めが続きます。

 

64歩62金引を入れないで(54金も気になるので)74銀でもよいです。

74同金同飛97桂成64金62金

焦って63歩を打つと同金同金54角でまぎれます。43歩32飛28玉

王手の筋を消しておいて63歩ねらい。後手から63歩ならば73金同銀同飛成同金74歩

いざとなれば11角成や97香で駒の補充もできるのですから、先手の攻めは切れそうにありません。

 

☆ まとめ

相振り飛車で両者が美濃囲いを選んだためなのですが、角が活躍しそうな局面でした。飛よりも角のほうが使いやすいことがあります。

その意味でおとなしく86角(あるいは88角)77桂成同角、56銀77桂成55角、こういうのは振り飛車党ならば見えやすいのではないでしょうか。無難でやや指しやすいです。

飛のほうを大切にすると、王手飛車のラインが付きまとい、指しにくくなります。

 

カウンターをねらい、さらに踏み込んでみるならば、55角の筋です。54角が先か、64歩が先かは悩ましいですが

この図になればカウンターは大成功です。こういうのは相居飛車感覚が必要かもしれません。大駒が当たっていても相手玉を目指して強く踏み込んでみます。

 

 

 

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