後手番大山先生の手を考えます。
第1問
駒損になりそうですが、うまくさばきます。
A 66角 B 26と C 45桂
第2問
軽く攻めます。
A 28歩 B 35銀 C 25歩
第3問
攻防の手になりました。
A 65歩 B 75歩 C 36銀
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
駒損になりそうですが、うまくさばきます。
A 66角 B 26と C 45桂
第2問
軽く攻めます。
A 28歩 B 35銀 C 25歩
第3問
攻防の手になりました。
A 65歩 B 75歩 C 36銀
今日の棋譜20191025
昭和45年2月、二上達也先生と第19期王将戦第3局です。
大山先生の後手三間飛車です。
後手でも35歩を突きました。
二上先生は誘いに乗らなかったので34銀型になりました。
1筋の位を取ってから攻めようというのが二上先生らしいです。5筋の歩を交換して
中央位取りになりました。
3筋の歩を金で交換すると手損ですし
ゆっくりした攻めです。
24歩でちょっと忙しくなり、36歩で反撃します。
23歩で22飛を防ぎ
28飛に32飛。25飛24歩35飛36歩25飛は交換するしかないから指しにくく
36金に33桂、これでまたゆっくりになります。
大山先生は桂を跳ねて
角を84に使って26歩。28飛は歩切れなので45桂~35飛を受けにくいです。
と金を作らせて34歩に期待しました。
45桂33歩成(45同歩でも)26と。飛の取り合いもできませんから
と金を取り合います。大山先生は取られる前に桂を成って
ちょっと損ですが28歩から38歩。取れば23飛ですね。と金作りは防げません。
二上先生はもう少し気に利いた受けがあればよいのですが、36桂ではいかにも苦しげで
桂2枚を取られると銀損です。
桂を打って飛を追い
と金を作られても桂を再利用できるのですが
やはり駒損では苦しいです。銀を打たれると
飛をさばくことができません。
大山先生の26桂は重い手ですが
成桂で寄せていきます。
二上先生も銀を取って と金で寄せていく形ですが、玉の位置が一路違うし、88角が壁なので速度が2手は違います。
大山先生は重くても寄せていけばよいだけです。金をはがして金を打ち
36銀も47銀不成~56銀成と使っておけば切れることはないです。べたべた打って
ここで投了となりました。
二上先生の序盤が歯がゆいくらいに遅いのですが、これが当時の感覚なのでしょう。升田先生は特別ですが、大山先生の序盤感覚も優れています。順当に指しやすくなって、そのまま押し切りました。二上先生は苦労が多くて報われません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/02/09
手合割:平手
先手:二上達也8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二銀(71)
15 5六歩(57)
16 3五歩(34)
17 4六歩(47)
18 7一玉(62)
19 4七銀(48)
20 8二玉(71)
21 6八銀(79)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 4三銀(42)
25 1六歩(17)
26 3四銀(43)
27 1五歩(16)
28 5二金(41)
29 5七銀(68)
30 6四歩(63)
31 6八金(69)
32 5四歩(53)
33 5五歩(56)
34 同 歩(54)
35 同 角(88)
36 6三金(52)
37 8八角(55)
38 7四歩(73)
39 5六銀(47)
40 5二飛(32)
41 5五歩打
42 7三桂(81)
43 4七金(58)
44 8四歩(83)
45 3六歩(37)
46 同 歩(35)
47 同 金(47)
48 3五歩打
49 3七金(36)
50 8三銀(72)
51 4七金(37)
52 7二金(61)
53 6六銀(57)
54 8五歩(84)
55 3八飛(28)
56 2四歩(23)
57 3六歩打
58 2五歩(24)
59 3五歩(36)
60 4三銀(34)
61 2三歩打
62 5一角(33)
63 2八飛(38)
64 3二飛(52)
65 3六金(47)
66 3三桂(21)
67 3八飛(28)
68 6五桂(73)
69 3七金(36)
70 8四角(51)
71 4七金(37)
72 2六歩(25)
73 3六飛(38)
74 2七歩成(26)
75 3四歩(35)
76 4五桂(33)
77 3三歩成(34)
78 2六と(27)
79 同 飛(36)
80 3三飛(32)
81 3七歩打
82 5七桂成(45)
83 同 銀(66)
84 同 桂成(65)
85 同 金(47)
86 2八歩打
87 同 飛(26)
88 3八歩打
89 6六歩(67)
90 3九歩成(38)
91 3六桂打
92 3五歩打
93 2二歩成(23)
94 2九と(39)
95 同 飛(28)
96 3六歩(35)
97 2三と(22)
98 3五飛(33)
99 4七桂打
100 3四飛(35)
101 2四と(23)
102 3一飛(34)
103 2五飛(29)
104 3七歩成(36)
105 3五桂(47)
106 5二銀(43)
107 3三歩打
108 3六銀打
109 2六飛(25)
110 7五歩(74)
111 3四と(24)
112 2五歩打
113 2九飛(26)
114 7六歩(75)
115 7五歩打
116 2六桂打
117 4三と(34)
118 3八桂成(26)
119 7九飛(29)
120 4八成桂(38)
121 3二歩成(33)
122 8一飛(31)
123 5二と(43)
124 4七と(37)
125 4三桂成(35)
126 5七と(47)
127 同 金(68)
128 5八金打
129 6七金(57)
130 4七銀(36)
131 4四成桂(43)
132 5六銀成(47)
133 同 金(67)
134 6八銀打
135 5三と(52)
136 7三金(63)
137 2九飛(79)
138 5七銀成(68)
139 投了
まで138手で後手の勝ち
20191025今日の一手
10月12日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは31銀がある分だけは後手のほうが堅いか。壁になっていると思えば狭いのですが。
先手の攻め駒は82飛64銀と持ち駒角銀で4枚。
後手の攻め駒は28飛と持ち駒角銀で3枚。
総合すれば互角です。
何手で詰めろになるか数えてみると、後手玉は詰まなくて、53銀成などで詰めろ、現状は2手すきです。
先手玉は78飛成で詰めろ、現状は2手すきです。
先手番なので先手有利です。
☆ 大局観として
似たような形なのですが、64銀と31銀の配置が違うので、先手の攻撃力が高く、少し守備力が劣ります。先手の82飛は32飛成と取れない(銀のひもがついている)けれど後手からは78飛成と取れる、という主張で28飛を打たれました。
寄せ合いと見れば話は早くて、後手玉に詰めろを続けられるかどうかです。詰めろになる手段はいくつもあります。
78飛成(や29飛成)を受けておくのもあります。
互いに居玉なので両取り筋が多く、ひどい目に合うかもしれません。気をつけましょう。
☆ 簡単なまとめ
62角から
王手と詰めろの連続で迫ることができます。練習だと思って以下を読んでみましょう。
○ 62角の王手は
取れば詰みます。41玉に53角成
これも詰めろです。42金には22歩成
受けはなさそうですが、15角69玉52歩
この時に手が見えるでしょうか? 31と同玉23銀で詰めろ。
馬を取ってもだめなので、32銀22銀打41玉81飛成
これで必至です。(ひとつ前の図で後手が飛を切って32金打のような手はありますが。)
このような手を続けられるならば大正解です。寄せ切れないと負けかねませんが。
○か△ 実戦は53銀不成(53銀成でも同じです)
これで簡単だと思った私は、やはり「両取り見えない病」です。26角が王手銀取り、37角があったので
幸運でした。62歩26角同歩81飛成42金63桂
41玉61竜32玉42銀成同銀
22歩成か21竜から詰むだろうと思いましたが、4局目の疲労で安全策、22歩成同玉55角の王手飛車で勝ちです。(この頃はちょっと両取りが見えてきました。)
さて26角37角のところで48銀
こんな手があります。あわてますね。48同角53角72銀
先手玉は堅くなっているのでこれで優勢です。72同金同飛成61銀29飛成63桂
こういう寄せの筋があります。
△ 26角に気が付いたとしたら63銀不成(63銀成でも同じです)
これは詰めろに見えないかもしれませんが、78飛成52銀打42玉24角
という詰み筋です。
63銀不成には62歩が普通の受けで52銀打
後手の合駒の関係もあり、52同金81飛成以下は詰みです。42玉61銀不成
これも詰めろで、33玉には55角があります。
後手としては62歩でもだめなので58銀
58同金29飛成49銀同竜同玉27角
王手で銀を抜きます。59玉63角成22銀
銀桂と飛の二枚換えで馬を作られているから先手の駒損なのですが、先手玉がやや安全で、攻めだけ考えればよいので先手が少し良いのでしょう。
△ 65桂も詰めろです。
これは78飛成62角41玉53桂不成
という筋なのでより見えにくそうですが。42玉でも52玉でも51角成同玉61桂成から詰みます。
後手は65桂に42金と受けて53桂成
これは78飛成に42飛成同銀52銀
ばらして63角から詰みます。
後手は53桂成に26角
今度は37角には78飛成
角を手放すと後手玉が詰みません。42成桂同銀69金67竜
形勢は互角くらいです。
26角には48銀
53金同銀成同角39金
26飛成81飛成38歩49金29竜
こんなところでしょうか。先手の駒損ですが、先手玉のほうが堅くなり攻め駒は4枚なので勝ちやすいでしょう。
△か× 72銀も詰めろです。
72同金同飛成に58銀同金29飛成49銀同竜同玉27角
王手竜取りで粘られて形勢不明です。
○ 15角の王手は
33桂などの普通の受けだと53銀成
後手からの26角を消しているので先手の勝ちです。
33角同角成同桂
33玉からの脱出ルートを消しておくと少し得です。
42角のあわせが厄介ですが
48角29飛成72銀
42角よりも48角のほうが守りに働いています。72銀がうるさいので先手有利。
△か○ 守る手としては69玉
角での王手の筋を消して金を守っておきます。88歩成同飛成29飛成38銀
19竜81竜72銀91竜37歩
後手の攻めのほうが速そうですが、53銀成81香66香63歩くらいまで決めて15角
王手で37歩を取ってしまえば竜取りです。これは先手有利。
△ 38銀が普通の受けです。
27角53銀成52歩63角
63同角成同成銀71銀81飛成(怖ければ87飛成としておく)27角
27角はうるさいのですが、27同銀78飛成58金
27銀は案外に守りに役立っています。後手の戦力不足で先手有利。
△ 38角の受けでも良いのですが
銀で済むところを角を打つ人は少ないでしょう。37歩72銀42玉34歩
これは多分先手の勝ちです。
後手としては71金87飛成を入れてから37歩を打って
攻めるのですが、53銀不成52歩62銀打同金81竜61歩
62成銀同玉37桂
これくらいまで進めば先手有利ははっきりします。
☆ まとめ
王手で駒を抜く筋が多くて、正確に指せば先手有利ながらまぎれやすい問題図だったと思います。
まぎれが少ないのは62角から
王手と詰めろの連続で迫るのですが、先手が正確に指せたら、という条件です。
自然に思える53銀不成(か53銀成)、63銀不成(か63銀成)だと王手で抜かれる筋があって、検討としては面白い変化ですが、まぎれそうです。
危ないと思えば69玉や38銀からゆっくりでもちょっと有利です。