大山将棋問題集20191020

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

強く迎え撃ちます。

A 75同歩  B 34銀  C 65歩

 

第2問

 

思い切った手ですが。

A 68金  B 55角  C 71角

 

第3問

 

駒損なので攻めねばなりません。働かせたい駒があります。

A 22香  B 55飛  C 36香

 

第4問

 

気が付きにくいですが一番速い手でした。

A 62歩成  B 62角成  C 53歩成

大山将棋研究（1382）；中飛車に53金戦法（加藤一二三）

今日の棋譜20191020

昭和44年12月、加藤一二三先生と第8期十段戦第5局の千日手指し直し局です。

大山先生の中飛車です。

早々と57銀型を作りました。

加藤先生は53金戦法（金立ち戦法）です。57銀型に対して使ったのを見るのは初めてです。

大山先生は46銀～45銀（玉頭銀）に。加藤先生は33銀から持久戦にするのもあるのですが（のちに銀矢倉にする棋譜を見たことがあります）

75歩と攻めたくなるのもわかりますが、先に86歩同歩を入れるべきかもしれません。

大山先生はすぐに65歩で激しく戦います。こういう時に64金である（銀ではない）のが良いところで、65同金ともできるのですが

加藤先生は77角成同桂74金。金を寄ることもできます。77桂を攻める手が残るというわけです。ただ金が中央の戦場から離れるのでちょっと嫌な感じ。

55歩には67角と打ち込んで銀取り

大山先生は75歩同金を入れて銀取りを受けました。

54歩と取り込む間に77桂を取られました。駒損なのですが、53角と打ち込むのもうるさそうで、まあプロは指さない手ですが。

64歩は同歩63歩同銀53歩成というねらいです。52歩の受けで歩切れにさせたので

34銀と出ます。歩を補充する64歩（33歩を打ちたい）に63歩51銀右を利かせて

55角は厳しい手です。同馬同飛は金取りで25飛～23銀成をねらえます。よって加藤先生は67馬の銀取り。

香銀を取り合いました。銀桂と香の交換ですから大山先生はかなり駒損ですが、後手玉を寄せられるか。

55飛で金取り。65金同飛同歩22金33玉21金24玉26香・・・というのは難しくても先手が勝ちやすいです。

74金には36香、これは厳しいです。

角を取ってどうするかと思えば、71角72飛62角成。これで銀を手に入れて

22銀。ここで加藤先生は投了でした。31金同銀成同銀は53歩成がある、31金同銀成同玉22金41玉21馬で寄り筋なのですね。

 

57銀型中飛車では角頭を守りにくいのですが、居飛車が金立ち戦法で角頭を攻めるのはあまり効果がありませんでした。桂を取れて駒得でも、玉の堅さの違いは大きいのでしょう。やはり勝ちにくい戦法です。急戦で有利になるというよりは、ゆっくり攻めるべきなのでしょう。

 

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# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時：1969/12/18
手合割：平手　　
先手：大山名人
後手：加藤一二三十段
手数----指手--
1 ７六歩(77)
2 ８四歩(83)
3 ６八銀(79)
4 ３四歩(33)
5 ６六歩(67)
6 ６二銀(71)
7 ５八飛(28)
8 ５四歩(53)
9 ４八玉(59)
10 ４二玉(51)
11 ３八玉(48)
12 ３二玉(42)
13 ５六歩(57)
14 ５二金(61)
15 ５七銀(68)
16 ４二銀(31)
17 ２八玉(38)
18 ７四歩(73)
19 ３八銀(39)
20 ８五歩(84)
21 ７七角(88)
22 ５三金(52)
23 ４六銀(57)
24 ６四金(53)
25 ４五銀(46)
26 ７五歩(74)
27 ６五歩(66)
28 ７七角成(22)
29 同　桂(89)
30 ７四金(64)
31 ５五歩(56)
32 ６七角打
33 ７五歩(76)
34 同　金(74)
35 ４六歩(47)
36 ７六角成(67)
37 ５四歩(55)
38 ７七馬(76)
39 ６四歩(65)
40 ５二歩打
41 ３四銀(45)
42 ６四歩(63)
43 ６三歩打
44 ５一銀(62)
45 ５五角打
46 ６七馬(77)
47 １一角成(55)
48 ３四馬(67)
49 ５五飛(58)
50 ７四金(75)
51 ３六香打
52 ３三歩打
53 ３四香(36)
54 同　歩(33)
55 ７一角打
56 ７二飛(82)
57 ６二角成(71)
58 同　銀(51)
59 同　歩成(63)
60 同　飛(72)
61 ２二銀打
62 投了
まで61手で先手の勝ち