名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20191023

2019-10-23 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

少し危なくはありますが、得の多い待ち方です。

A 65歩  B 85歩  C 15歩

 

第2問

 

駒損で攻め駒が足りません。

A 19飛成  B 95歩  C 46歩

 

第3問

 

これで逆転模様です。

A 86桂  B 95歩  C 94銀

 

第4問

 

ここからは即詰みで21手。

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大山将棋研究(1385);中飛車に引き角棒銀(二上達也)

2019-10-23 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191023

昭和45年1月、二上達也先生と第19期王将戦第1局です。

大山先生の中飛車です。

二上先生は急戦のようで

引き角にするのは得意戦法のはず。32金に24歩から角交換をして、66銀~75歩~55歩同歩76角という構想です。

大山先生は向い飛車にして受けたので、矢倉を見つつ、早めに35歩

3筋の位を取ります。

右翼の形は十分ですが、玉の囲いは不満です。現代ならば86歩を突かずに穴熊に組み換えとか、ここからでも88銀~98玉~87銀とするか。まあ二上先生は玉の囲いにはこだわりません。

膠着状態は続き、大山先生から85歩

桂を跳ねて歩で支えておきます。この形になるのが矢倉の面白くないところです。

二上先生は気にせず右から動いていきます。

32飛に45歩とすれば

34飛には35銀と追えます。44歩も利いて45桂と跳ねられるようになりました。

でも45桂44銀では面白くなくて、33歩は危うい感じがします。(32歩のほうか。)

33同桂には24飛なのですが、当然45桂と跳ねられます。

でも銀を取れるので

飛と角銀の交換です。駒得だから指せるように見えるのですが

端を攻められると後手の攻め駒は4枚近いです。

香を取られ

93香に94桂のほうが強い受けですが、87桂もあるところ。

 違いは94歩を取らないでもよいところです。85桂には86銀96桂98玉97歩というのも怖いところですが

96銀86桂のほうが痛そうです。この図に至るまでの数手で、二上先生は受け損なっているのでしょう。

歩を垂らされて詰めろ。

と金で桂を取られては指しにくくなっています。13角成から粘るのは長そうですが

65歩~85銀というのは攻め味を見せたものです。

だけどこれで詰めろ。

詰めろを逃れるだけで精一杯ですが、望みは薄いです。

先手玉は結構狭くて

76香から詰み筋に入ったようです。

66歩から角を取って

角を打ち

竜を切って66金。詰まさなくてもよいので気が楽ですが

91香の利きを通しての詰みでした。

 

駒得で受けるというのは二上先生の棋風ではないのでしょう、どこかでミスがあって、その選択が難しいところですが、本譜は食いつかれてしまいました。薄い玉は勝ちにくいのですが、それが二上先生の持ち味ですから仕方ありません。大山先生の棋譜ばかり並べていると斬られ役になっているのですが。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1970/01/15
手合割:平手  
先手:二上達也8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 6八玉(59)
8 5二飛(82)
9 7八玉(68)
10 6二玉(51)
11 5八金(49)
12 4三銀(42)
13 5六歩(57)
14 7二銀(71)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 3六歩(37)
18 7一玉(62)
19 6八銀(79)
20 8二玉(71)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 7七銀(68)
24 5四歩(53)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 7九角(88)
28 2二飛(52)
29 3七銀(48)
30 5二金(41)
31 6六歩(67)
32 6四歩(63)
33 6七金(58)
34 7四歩(73)
35 3五歩(36)
36 6三金(52)
37 3四歩(35)
38 同 銀(43)
39 3五歩打
40 4三銀(34)
41 3六銀(37)
42 8四歩(83)
43 8六歩(87)
44 8三銀(72)
45 8七玉(78)
46 7二金(61)
47 7八金(69)
48 5二飛(22)
49 4六角(79)
50 7三桂(81)
51 3七角(46)
52 1三香(11)
53 8八玉(87)
54 5一角(33)
55 4六角(37)
56 1二飛(52)
57 2七飛(28)
58 3二飛(12)
59 3七桂(29)
60 5二銀(43)
61 6八角(46)
62 5三銀(52)
63 4六歩(47)
64 8五歩(84)
65 同 歩(86)
66 同 桂(73)
67 8六銀(77)
68 8四歩打
69 5七角(68)
70 5二飛(32)
71 3四歩(35)
72 3二飛(52)
73 4五歩(46)
74 3四飛(32)
75 3五銀(36)
76 3一飛(34)
77 4四歩(45)
78 4一飛(31)
79 2四歩(25)
80 同 歩(23)
81 3三歩打
82 同 桂(21)
83 2四飛(27)
84 4五桂(33)
85 同 桂(37)
86 2四角(51)
87 5三桂成(45)
88 同 金(63)
89 2四銀(35)
90 4九飛打
91 3三銀(24)
92 9五歩(94)
93 同 歩(96)
94 9八歩打
95 同 香(99)
96 9七歩打
97 同 香(98)
98 同 桂成(85)
99 同 銀(86)
100 9三香打
101 9四桂打
102 同 香(93)
103 同 歩(95)
104 8五桂打
105 9六銀(97)
106 8六桂打
107 6八金(78)
108 9七歩打
109 6九香打
110 9八歩成(97)
111 8七玉(88)
112 8九と(98)
113 6五歩(66)
114 5九飛成(49)
115 8五銀(96)
116 9五桂打
117 7七玉(87)
118 8五歩(84)
119 6四歩(65)
120 6五歩打
121 7五歩(76)
122 7八桂成(86)
123 同 金(68)
124 8六銀打
125 7六玉(77)
126 6九龍(59)
127 6八金(67)
128 7五銀(86)
129 7七玉(76)
130 7六香打
131 6七玉(77)
132 6六歩(65)
133 同 角(57)
134 同 銀(75)
135 同 玉(67)
136 7五角打
137 7六玉(66)
138 7八龍(69)
139 同 金(68)
140 6六金打
141 8五玉(76)
142 9四銀(83)
143 9六玉(85)
144 8五銀(94)
145 投了
まで144手で後手の勝ち

 

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20191023今日の一手(その937);攻めのタイミング

2019-10-23 | 今日の一手

20191023今日の一手

8月31日の名南将棋大会から、私とKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は25桂と55角の2枚。26飛はまだ加わりません(が使えそうです)。

後手の攻め駒は持ち駒角1枚。

 

総合すれば先手が指しやすいです。

 

☆ 大局観として

少し前はこの図です。

決め手がわかるでしょうか。33歩成同金34歩

とされていたら簡単に負けていたと思います。これを逃してもらえて問題図では

ちょっと難しくなったかと思っていました。

先手としては25桂はさばけるので攻め駒は飛角桂の3枚みたいなものです。攻め駒をもう一枚加えるか、後手陣の不備を突いて攻めるか。

先手陣に離れ駒がありますから、もう少し陣形整備(玉を固める)してからにするか。

攻め筋としては3つくらい見えればよいです。64角、33歩成、22角成が目につきます。それを決行してよいか、いつ決行するか、という問題です。

 

☆ 簡単なまとめ

攻めるならば77桂

後手の銀の動きを聞いてから攻め筋を選べます。桂を手に入れられるので、どこにかわされても両取り筋をねらえます。

 

しばらく守っておいて、催促されたら

77桂54銀引22角成

固めさせてから攻めるのはおかしいようでも、清算して34歩

取れば46桂が両取りになるので十分です。

 

 

△ 実戦は33歩成でした。

これは軽い攻め方です。33同桂同桂成同金右

拠点の歩がなくなってしまいました。22同金左を期待していたのかもしれませんが、右金で取られると25桂34金に11角成がありません。64角73角

73同角成同桂63歩(これは打たない方が良い)同銀55角64歩75歩54銀引

攻めあぐねています。22角成同玉33歩24歩

攻めが完全に切れてしまいました。Mさんは本来振り飛車党なので縦の攻めは得意ではないのでしょうね。

 

工夫するならば25桂を打たずに77桂です。

これはどうやっても両取り(桂のふんどし)がかかる形になります。54銀33角成同金74桂

これは銀を取って53金の両取りもあります。

 

後手としては76銀が最善で74桂

72飛62桂成同飛53銀

形勢互角くらいです。

 

 

○ ならば先に77桂のほうが手順です。

33歩成から桂を手に入れるのはいつでもできますから。

76銀に64角ともできます。73角のあわせに

75角37角成

互いに銀取りなのでいろいろな手がありますが、38銀26馬同歩53銀55角

64歩に66角左が厳しすぎます。

 

77桂に74銀ならば

75歩63銀引33歩成同桂同桂成同金右74桂

駒得で攻められるので先手有利です。

 

54銀ならば

22角成同玉33金同桂同桂成同金同歩成同玉34歩

強引にバラして34同玉には46桂があります。(前の変化でやった33歩成から清算して角を切って74桂でもよいですが。)32玉74桂72飛62桂成同飛53金

これは先手優勢です。

 

 

△ (説明が前後しますが)22角成も見えます。

22同玉33金同桂同桂成同金同歩成同玉

この清算は角金交換ですが後手玉が裸になります。34歩同玉46桂33玉34金42玉23飛成52玉

竜を作れば駒損もたいしたことはないのですが、後手から14角、55桂、66桂の反撃がありますから結構難しい図です。もうちょっと工夫したいのです。

 

 

△ 64角は

73角同角成同桂77桂

桂を跳ねさせたのでその桂頭をねらうことができます。銀をどこに逃げてもねらえるので、86歩同歩76銀74歩92角56角

86飛73歩成89飛成79金

99竜には銀も取れるので駒得の先手有利のようですが、後手から67歩もあるので結構難しい図です。

 

64角に73角のあわせではなく73銀もあるでしょう。

勢いは42角成同玉33金同桂同桂成同金同歩成同玉

2歩持っているのは心強いです。34歩同玉46桂33玉34歩

32玉33金41玉23飛成14角

21竜52玉48金55桂

後手の反撃もあって難しいというか、これは後手よしかもしれません。

 

 

△か○ 56銀とすれば攻め駒が増えるかもしれません。

53銀65銀には47角がある

というのがマイナスですが、79玉65角成に22角成同玉33金同桂同桂成同金同歩成・・・でも、角を切る前に33銀

と打ち込んでも同じような図になるのですが、33同桂同桂成同菌左同歩成同金同角成同玉46桂33玉34金42玉23飛成

(22角成からだと34金か持ち駒金の一つが銀で、後手の持ち駒の銀1枚が金です。)今度は14角や55桂の反撃筋がなく、66桂はあるけれど、という図です。22角成から攻めるよりも攻め駒が増えているので先手よしに見えます。

 

ならば56銀に54銀と引くのでしょう。

22角成同玉33金同桂同桂成同金同歩成同玉34歩

34同玉とは取れず、42玉に74桂72飛62桂成同飛23飛成14角

激しいやり取りが続きますが、14同竜同歩33歩成

取れば51角ですね。これは と金が残るので攻め駒4枚、先手有利です。

 

 

△ 46銀は35銀ねらいですが28角

角を切って35銀だけでは決め手になりません。清算して34歩同玉の時に46桂が打てませんし。

 

 

○ 58金右など

などというのは75歩、79玉の3手のことで、53銀75歩24歩

53銀~24歩の催促が来る前に、58金、75歩、79玉のうちの2手を指すことができます。(催促されないならば79玉や67歩も指したい。)

77桂54銀引(25歩は同飛~65桂)22角成

22同玉33金同桂同桂成同金同歩成同玉34歩

54銀の形だと34同玉46桂が両取りになります。つまり32玉か42玉に24飛で先手十分です。

 

 

△ 他には66歩ですが

歩切れになるので22角成以下の攻めは決行しにくいです。半面では後手からの66桂が消えているので先手玉が堅いとはいえるのですが。76銀に64角か、思い切って77銀とぶつけるか。何とも言えないやり取りです。

 

☆ まとめ

33歩成、22角成、64角という2つの筋が有力で、どれでも選べるのです。有力手が多いと悩みますが、問題図ではせかされていないわけですから、もう少しタイミングを見計らうことができます。決行する前に77桂か56銀か、攻めの手をもう少し指しておいて、相手の応手によって攻めを選ぶことができます。

また58金、75歩、79玉など、受けの手を指しておいてから攻めるのもよいです。後手からの反撃が少なくなりますから。

 

 

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