先手番大山先生の手を考えます。
第1問
55歩を突かれたら、感覚的にはこの一手です。
A 67銀 B 55同歩 C 75歩
第2問
65歩や66金をねらわれていて、その受けはないです。
A 56歩 B 58飛 C 15歩
第3問
この手が急所です。
A 26香 B 13桂 C 45金
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
55歩を突かれたら、感覚的にはこの一手です。
A 67銀 B 55同歩 C 75歩
第2問
65歩や66金をねらわれていて、その受けはないです。
A 56歩 B 58飛 C 15歩
第3問
この手が急所です。
A 26香 B 13桂 C 45金
今日の棋譜20191013
昭和44年11月、加藤一二三先生と第8期十段戦第2局です。
大山先生の中飛車です。
昔は角筋を止めない力戦振り飛車は少なかったです。
加藤先生は53金戦法(金立ち戦法)でした。これは勝率が低いのだと思いますが、私の並べている将棋が少ないからでしょうか?
大山先生は金を上がって受けました。
ならば7筋を攻めるのが自然です。大山先生は角を引いて
飛は7筋へ。
飛交換ならば有利です。
角を37や26に出るのが大山先生の好きな指し方です。
56歩を打たずに金をぶつけてしまいました。
加藤先生は交換した金を打つのではちょっと面白くないはずですが
端を攻められて
挨拶せずに66金からさばきます。98飛と受けさせたところでは後手よしに見えます。15歩を取るか、86歩同歩84飛か、
76歩~77歩成でした。これは飛の詰めろ。
大山先生は角をさばきます。74飛に91角成は指せるのかなあ?88と67歩33角77香で難しいか。
加藤先生は飛取りにかまわず88と。75角55角46金では先手よしだけど、75角には同角で88飛55角を見るのですね。
大山先生は56金。これは王手飛車の筋などが消えます。39銀は大丈夫か?先手で79飛成がはいると後手よしですが。
加藤先生は79飛成。14歩に12歩と謝るのは、98飛は死んでいるからですが、17歩とか16歩とか、端の工作をして98と で勝負できるところです。形勢が良いと思っていたのでしょうか?
飛を取っても桂香を拾うのが遅れています。
大山先生は先に桂香を取って26香が厳しい手で、23香成からの詰み筋が見えます。
33銀の受け(薄い受けです)には63歩から53歩で
と金ができました。加藤先生の68飛は2手すきくらい。
大山先生は23香成から15桂を決行して
53銀を取れば詰めろ。
加藤先生は49金を取ったので簡単に終わりました。
金立ち戦法はプロしか指さないのですが、勝ちにくい戦法だと思います。玉が薄いというのが最大の理由で、攻めに自在性があるといっても、なかなか有利になりません。本譜はわりと成功した攻めになったのですが、ちょっとぬるい手があって寄せ合い負けのコースです。金銀の違いだけでも大きいものです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/11/06
手合割:平手
先手:大山名人
後手:加藤一二三十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 5八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 3四歩(33)
11 6六歩(67)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 4二銀(31)
21 6七銀(68)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 5三金(52)
25 6八金(69)
26 6四金(53)
27 5七金(68)
28 7五歩(74)
29 5九角(77)
30 7六歩(75)
31 同 銀(67)
32 7二飛(82)
33 7八飛(58)
34 5五歩(54)
35 6七銀(76)
36 7五歩打
37 3六歩(37)
38 5三銀(62)
39 5五歩(56)
40 同 金(64)
41 3七角(59)
42 6四歩(63)
43 4六金(57)
44 同 金(55)
45 同 角(37)
46 5五金打
47 3七角(46)
48 7四飛(72)
49 1五歩(16)
50 6六金(55)
51 同 銀(67)
52 同 角(22)
53 9八飛(78)
54 7六歩(75)
55 1四歩(15)
56 7七歩成(76)
57 7五歩打
58 同 飛(74)
59 5四歩打
60 同 銀(53)
61 6四角(37)
62 8八と(77)
63 5六金打
64 7九飛成(75)
65 6六金(56)
66 1二歩打
67 5五金(66)
68 6三銀(54)
69 9一角成(64)
70 9八と(88)
71 8一馬(91)
72 7二歩打
73 2六香打
74 3三銀(42)
75 6四歩打
76 5二銀(63)
77 5三歩打
78 同 銀(52)
79 6三歩成(64)
80 6八飛打
81 2三香成(26)
82 同 玉(32)
83 1五桂打
84 2二玉(23)
85 5三と(63)
86 4九龍(79)
87 2三銀打
88 投了
まで87手で先手の勝ち
20191013今日の一手
9月15日の名南将棋大会から、KさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。
総合すれば先手が指しやすいです。
☆ 大局観として
少し前はこの図で
後手の陣形が立ち遅れていて、73銀の働きがありません。52飛で中央を守って銀冠に組み換えとうというところで仕掛けました。良いタイミングです。42金直54歩同歩44歩同角同角同金というのが問題図ですが
後手の金銀4枚がバラバラですね。うまく攻めれば簡単に有利になりそうです。
攻め駒を増やせばよいのですから、45銀とぶつけるのが主眼です。それがうまくいくか、事前工作が必要か。
あまり強く攻めないで駒得を目指す、ここでは馬を作っておくというのもあります。
☆ 簡単なまとめ
77角から考えたいです。
それと45銀とぶつける筋
攻め駒が一気に増えますね。角を打ってから銀をぶつけるか、打たずに銀をぶつけるか、その違いを読めればよいでしょう。
△か× 実戦は45歩でした。
歩切れになるので駒損です。位を取ってじっくり指しておいてよい、というわけにはいきません。43金引に61角
角を切って攻めた(62飛43角成同金44歩33金45桂44金53桂成)
これならば悪くもないけれど、歩切れなので攻めにくいかなあという感じです。
○か△ 45歩ではなく45銀と出たいのです。
飛銀が攻め駒になりました。45同金同桂44歩43歩
43同金には61角から強行すればよいでしょう。金をかわせば42金と打ち込んではがせばよいです。
44歩のところで55角ならば
喜んで55同飛同歩44角
これも攻め駒4枚です。
後手としては55金とするのがまぎれのありそうな手です。
63角51飛54銀
46歩48金引(金を取り合うのもある)56歩43歩52金53歩
駒損になっても と金を作れば十分、というのが進行の一例です。
○ 手の流れとしては、77角の筋で後手玉を攻めようとしていたのですからもう一度77角を打ちます。
55歩は同銀同金同飛
玉の堅さが違いすぎますから先手有利です。
「角には角」33角には45桂
これは駒得で攻めているので先手有利。
後手としては33金しかなさそうです。
45銀55歩44銀同金
56歩とか45金も見えますが、45歩54金46金
もう一枚金を使っておけば攻める手に困りません。
後手としては55歩ではなく55金
このほうがまぎれそうです。56歩46歩55歩47歩成
先手は強く応じてよいのです。47同銀55歩同角
飛角金銀で攻めていますから優勢になるでしょう。
△ 66から角を打って
33金77桂62銀85桂
左桂も使ってしまえ、というのはありますが、9筋の端攻めでは効果が薄いです。後手からの手を待って対応する感じです。
△か○ 63角も目につきます。
82飛なら45銀
後手の飛が中央からずれると守りが薄くなっています。この攻めも切れなさそうです。
後手としては51飛しかなさそうです。
今度45銀は成立するかどうか。それよりも75歩同歩74歩62銀72角成
馬を作って駒得を主張する方がよさそうです。
△ 61角だと
62飛83角成69飛
59飛87角成75歩同歩74歩82銀84馬
陣形の差で先手の馬のほうが働きやすいです。
△ 75歩を先にすると
後手は75同歩とは限りません。69角59飛87角成63角
先手も馬を作る感じで互角くらい。手順前後は悪くもないけれど。
△ 角の打ち場所としては71角もあります。
この角はただ取りされることはなさそうなのです。43歩45銀
そのあとの攻めが強烈なので、これもありです。
△ 77桂も指しておきたいのですが
69角59飛97角成85桂84銀63角
左桂が大活躍するわけでもない(後手の遊んでいた右銀を相手にしている)ので、微妙なところです。
× 先手から55歩と合わせるのは
55同歩に同銀同金44角33角
王手で取り返す筋をねらうのですが、角を合わせられるので成立しません。
△か○ じっと待つならば26歩
先手玉が広くなった意味合いもあります。43金引45銀44歩
銀を引くようでは面白くないので、54銀同金63角
55歩43歩53金上52角成同金41飛
角銀と飛の交換では損をするのですが、すぐに何か取り返すことができるので悪くはないです。
後手に守る手が無いとすれば69角
88飛もありますが、59飛87角成45銀
これは55金とされたときに25歩
2筋をからめて攻めることができます。
☆ まとめ
問題図の少し前、仕掛けの手順を紹介して出題した方が簡単だったかもしれません。77角を打つのが流れです。
この角のラインを止めにくいということに気が付けば、安心して打つことができます。
美濃囲いと左美濃の対抗は、居飛車のほうが角で玉をにらまれているという負担があります。作戦負けにならないように組み上げるだけでも神経を使います。でも振り飛車党で相振り飛車よりも対抗型を好む方には人気があるのですよね。(昔は「なまくら四つ」と呼ばれたのですが。)今のプロでは玉が堅いので左美濃を選んでいることが多いのですが、見様見真似だけではけがをすることがあります。
「飛筋は止めやすいが角筋は止めにくい」ものです。44金22玉の2枚を標的にしているので、同時にかわすことができませんし、「角には角」が利かないので受けにくいのでした。