先手番大山先生の手を考えます。
第1問
4筋に と金を作られるような状況を回避します。
A 37角 B 34歩 C 37桂
第2問
攻防のような香を打たれましたが、目標にして後手陣を崩します。
A 45歩 B 54歩 C 34歩
第3問
どこを攻めますか?
A 19香 B 51銀 C 49香
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
4筋に と金を作られるような状況を回避します。
A 37角 B 34歩 C 37桂
第2問
攻防のような香を打たれましたが、目標にして後手陣を崩します。
A 45歩 B 54歩 C 34歩
第3問
どこを攻めますか?
A 19香 B 51銀 C 49香
今日の棋譜20200526
昭和23年10月、大野源一先生と第3期A級順位戦です。
角換わりにもできるスタートですが
大山先生は角道を止めて
矢倉にしました。(先手番ならば)角換わりの激しさは好まないのでしょう。
大野先生の駒組みが少し変で、79角~24歩を防ぐために、ここで42角とするのならば54歩の形がよく、後に51角とするのならば32金~41玉を先にすればよかった(1手で51角とできる)のです。
22角を51に持っていくのに3手かかっています。
84角とするのならば話はわかりますが、73角の位置まで4手かかっています。でも先手に46歩を突かせたので、悪くはないですね。
右四間飛車にして
6筋の歩を交換します。
後手の作戦勝ちと思ったら、すきありと45銀。
46歩を取ってしまいました。銀ばさみで殺されるところですが、先手が1歩手に入れるのも難しいので、これで十分です。57銀を48に戻させたというのもプラスです。
大山先生は1歩欲しいと86歩ですが、この筋の歩で銀を殺しても仕方ないでしょう。
大野先生は47歩を打たれる前に銀を成り捨てたのですが、82飛~64角で十分でした。(その前の63金もちょっとおかしいですが。)銀を捨てても良いという指し方だったのに、自分から捨てるのではおかしいのです。
銀と香歩の交換で馬を作っているので駒損ではなく、まだ悪くしていません。つまり73馬からゆっくり指すか、73桂~82飛~83香など攻めを急ぐか、どちらかの選択をしていればよかったのですが。
大山先生は8筋の歩交換は間違いでしたと、87歩を打って我慢しています。
大野先生は54金~45歩
飛を4筋で使おうという構想でした。しかし右桂が使えていませんね。
36銀46歩55歩。これは55同金に34歩同銀24歩同歩同飛とするということなのでしょう。少し怖いけれどそれで33歩と受けて大丈夫な気はしますが。
大野先生は55歩を取らず44金。これで飛の利きが止まりました。角をぶつけられて、交換するしかなかったと思うのです。
かわしの18馬に46角。こうなると働きが違いますね。次第に苦しくなっていきます。
82香は攻防なのですが
54歩で46角の利きを通され、43歩を同飛82角成48飛成では勝てません。
43同金では利かされがひどいです。さらに34歩、同金は43歩でぼろぼろです。34同銀のほうがまだましかと思うのですが
銀の取り合いにしました。
33同金に44歩。これで飛の成り込みもできず
32銀と埋めるのは粘りの手ですが、駒損では見込みがありません。
飛を攻められて
殺されました。
ここまで。
大野先生が一人でころんだような将棋です。さばく振り飛車党になるのですが、ちょっとそそっかしいところがあったと聞いています。じっくり指すのは苦手で、どんどん動いていきたいのでしょう。それが裏目に出ています。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/10/19
手合割:平手
先手:大山8段
後手:大野源一8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 2五歩(26)
4 3三角(22)
5 7六歩(77)
6 2二銀(31)
7 4八銀(39)
8 6二銀(71)
9 6六歩(67)
10 6四歩(63)
11 7八金(69)
12 8四歩(83)
13 6八銀(79)
14 8五歩(84)
15 7七銀(68)
16 5二金(61)
17 5六歩(57)
18 4二角(33)
19 7九角(88)
20 3三銀(22)
21 3六歩(37)
22 6三銀(62)
23 5八金(49)
24 3二金(41)
25 6九玉(59)
26 4一玉(51)
27 1六歩(17)
28 7四歩(73)
29 1五歩(16)
30 5一角(42)
31 6七金(58)
32 7三角(51)
33 4六歩(47)
34 5四銀(63)
35 5七銀(48)
36 6二飛(82)
37 6八角(79)
38 6五歩(64)
39 同 歩(66)
40 同 銀(54)
41 7九玉(69)
42 5四銀(65)
43 6六歩打
44 4四歩(43)
45 8八玉(79)
46 3一玉(41)
47 5九角(68)
48 4五銀(54)
49 2六飛(28)
50 4六銀(45)
51 4八銀(57)
52 6三金(52)
53 8六歩(87)
54 同 歩(85)
55 同 銀(77)
56 4七銀成(46)
57 同 銀(48)
58 1九角成(73)
59 8七歩打
60 5四金(63)
61 7七銀(86)
62 4五歩(44)
63 3五歩(36)
64 4二飛(62)
65 3六銀(47)
66 4六歩(45)
67 5五歩(56)
68 4四金(54)
69 3七角(59)
70 1八馬(19)
71 4六角(37)
72 8六歩打
73 同 銀(77)
74 8二香打
75 5四歩(55)
76 同 金(44)
77 4三歩打
78 同 金(32)
79 3四歩(35)
80 8六香(82)
81 3三歩成(34)
82 同 金(43)
83 4四歩打
84 3二銀打
85 9一角成(46)
86 4四金(33)
87 5一銀打
88 4三飛(42)
89 3三歩打
90 同 桂(21)
91 5二銀打
92 8七香成(86)
93 同 玉(88)
94 投了
まで93手で先手の勝ち
最初は先手番大山先生の手を考えます。
第1問
玉頭に手を付けられて、受けにくそうです。
A 85同歩 B 87金 C 24歩
ここからは後手番丸田先生の手を考えます。
第2問
受けにくい形です。
A 33銀 B 32飛 C 87銀
第3問
丸田先生の勝負手です。
A 58角成 B 87飛 C 81桂
第4問
金を渡して入玉阻止されてはいけません。
A 43金上 B 81桂 C 26銀
今日の棋譜20200525
昭和23年10月、丸田祐三先生と第3期A級順位戦です。
大山先生は矢倉を選びました。
丸田先生は33角の形、33角~51角~84角と3手で移動する駒組みです。
角が移動するまで働きが弱いわけで、大山先生は角で3筋の歩を交換できます。
前にもありましたが、3筋の位を取りました。今の知識では、位を取らずに桂を使って33歩と叩く攻め筋をねらったほうが得です。
丸田先生は6筋の位を取ります。
四手角はやめて、73で使いました。大山先生は45歩と突きたいので、金は右側へ上がります。
3筋が気になりますが、この図は後手十分の駒組みでしょう。
しばらく膠着して、丸田先生は手待ち、大山先生は金を左に寄せて、作戦負けは回避しました。
丸田先生は4筋をほぐしてほしいと42銀右、大山先生は7筋に手を付けました。4筋で1歩手に入るので
84飛に74歩同飛76歩。とりあえず75角とぶつける権利ができました。
丸田先生は45歩と取り、45同桂44銀。
先手の88玉を待って8筋を継ぎ歩で攻めます。軽いけれど受けにくそうですね。
大山先生は2筋の歩を切ります。丸田先生は常識的な23歩でしたが
44飛同金63銀。飛が死んでいますね。23歩ではなくて、86歩の取り込みが正解でした。ならば46各同角84飛~87銀がありました。
丸田先生のうっかりでしたが、46角同角45金。二枚替えにして
飛角を取り合えば、先に桂を取っている計算です。46金の働きがない(そのぶん後手玉が薄い)から苦しいところでしょうが。
桂を取り返して34桂があり、大山先生が有利です。
丸田先生は寄せ合いで86歩。しかし34桂は痛いです。
12玉に42桂成というのは大山先生のミスでしょう。22歩のほうが厳しいのです。
42同金31竜で丸田先生は受けにくそうですが、まだ詰めろではないので、87銀の打ち込みがぴったり。
金を手に入れて32金打で粘れます。
さらに69角が両取りです。逆転したかもしれません。
86玉に81桂というのが面白い手で、81同竜は87飛75玉81飛成で逆転です。
大山先生は成銀を逃げるべきだろうと思うのですが、取らせて入玉を選びました。
先手の入玉はほぼ確定です。後手玉が寄るかどうか。まずは「端玉には端歩」です。
28飛16香に13玉。丸田先生も入玉を目指します。
大山先生は21桂を取れるのが大きいのですが、34桂は良いような悪いような。金を剥がしたいのですが
33金右22桂成に丸田先生は2回めの81桂を打ちます(詰めろ)。
81同竜に22成桂を取り
11竜に3度めの81桂。これで手を稼いだので
相入玉です。点数が確定していませんが、ここまで。
この当時は相入玉の指し直しが行われなかったようです(そのほうが体に良いですね)。リーグ戦ならば引き分けでも大丈夫なのでしょう。
そういえば囲碁の方も持碁引き分けとされた時代がありました。(戦後にはコミが4目半~6目半にされて、いわば後手勝ちのルールなわけです。)
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/10/15
手合割:平手
先手:大山8段
後手:丸田祐三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 3二金(41)
7 2六歩(27)
8 4一玉(51)
9 2五歩(26)
10 3三角(22)
11 4八銀(39)
12 2二銀(31)
13 5六歩(57)
14 8五歩(84)
15 7八金(69)
16 5一角(33)
17 7九角(88)
18 3三銀(22)
19 6九玉(59)
20 6二銀(71)
21 3六歩(37)
22 5二金(61)
23 1六歩(17)
24 4四歩(43)
25 3五歩(36)
26 同 歩(34)
27 同 角(79)
28 4三金(52)
29 6八角(35)
30 5四歩(53)
31 3五歩打
32 5三銀(62)
33 3七銀(48)
34 7四歩(73)
35 3六銀(37)
36 6四歩(63)
37 4六歩(47)
38 6五歩(64)
39 3七桂(29)
40 3一玉(41)
41 7九玉(69)
42 1四歩(13)
43 9六歩(97)
44 9四歩(93)
45 2九飛(28)
46 7三角(51)
47 3八金(49)
48 6四角(73)
49 4五歩(46)
50 7三桂(81)
51 4七銀(36)
52 4二金(43)
53 1八香(19)
54 8四飛(82)
55 2六飛(29)
56 4三金(42)
57 4六銀(47)
58 8二飛(84)
59 4八金(38)
60 8四飛(82)
61 5七角(68)
62 8一飛(84)
63 5八金(48)
64 4二銀(53)
65 7五歩(76)
66 8四飛(81)
67 7四歩(75)
68 同 飛(84)
69 7六歩打
70 4五歩(44)
71 同 桂(37)
72 4四銀(33)
73 8八玉(79)
74 8六歩(85)
75 同 歩(87)
76 8五歩打
77 2四歩(25)
78 同 歩(23)
79 同 飛(26)
80 2三歩打
81 4四飛(24)
82 同 金(43)
83 6三銀打
84 4六角(64)
85 同 角(57)
86 4五金(44)
87 7四銀(63)
88 4六金(45)
89 8一飛打
90 7一歩打
91 同 飛成(81)
92 2二玉(31)
93 7三銀成(74)
94 8六歩(85)
95 3四桂打
96 1二玉(22)
97 4二桂成(34)
98 同 金(32)
99 3一龍(71)
100 8七銀打
101 同 金(78)
102 同 歩成(86)
103 同 玉(88)
104 3二金打
105 9一龍(31)
106 6九角打
107 8六玉(87)
108 8一桂打
109 8五玉(86)
110 7三桂(81)
111 9四玉(85)
112 5八角成(69)
113 8三銀打
114 5七馬(58)
115 6六歩(67)
116 同 歩(65)
117 7五香打
118 6七歩成(66)
119 1五歩(16)
120 2八飛打
121 1六香(18)
122 1三玉(12)
123 2一龍(91)
124 2四玉(13)
125 3四桂打
126 3三金(42)
127 2二桂成(34)
128 8一桂打
129 同 龍(21)
130 2二金(32)
131 1一龍(81)
132 8一桂打
133 同 龍(11)
134 2六銀打
135 9三玉(94)
136 3五玉(24)
137 6二角打
138 4四歩打
139 7三角成(62)
140 2九飛成(28)
141 1四歩(15)
142 3六玉(35)
143 1三歩成(14)
144 3二金(22)
145 8六銀(77)
146 8九龍(29)
147 9五銀(86)
148 3七銀成(26)
149 9二玉(93)
150 9九龍(89)
151 持将棋
まで150手で持将棋
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
少し駒損です。攻めねばなりません。
A 65同銀 B 58と C 58角
第2問
寄せ合いです。できれば攻防の手が良いのですが。
A 64金 B 67角 C 65角
第3問
チャンスがやってきました。わかりやすい勝ちを目指します。
A 53同金 B 56角 C 79銀
第4問
先手玉が詰むでしょうか。
A 88銀 B 78銀 C 53金
今日の棋譜20200524
昭和23年10月、丸田祐三先生と三社主催三番勝負第3局です。
坂田流のようですが、
丸田先生はしばらく待ってから角を交換しました。後手だけ83歩の形で角換わりになるので、現代的には少し損なのですが
当時は飛車先の歩を伸ばすのが当たり前だったので問題ありません。丸田先生の得意とする角換わり腰掛銀になりました。
ここで後手が73桂とすれば木村定跡ですね。このときに完成していたかどうかがわかりませんが、指されて(研究されて)いたようです。
この三番勝負の第1局と同じ形になりました。丸田先生は現代で流行中の48金29飛型です。大山先生は桂をはねているし、玉の囲いも完了しているので、先攻することになります。
65歩に69飛。ここまでは同じ進行です。
86歩同歩35歩。木村定跡の影響でしょう、桂頭をねらう攻め筋が知られています。
35同歩75歩同歩66歩。1歩得て36歩をねらいます。しかし1歩しかないので66飛36歩61飛成は先手良しに見えますが。
丸田先生は64角~74歩。桂を取り返し、と金作りを目指しました。十分な反撃でしょう。
大山先生は一度65桂と逃げて、66銀に36歩。
73歩成に37歩成は勢いですが、37同金だとしても後手良しには見えません。
まあ飛金の取り合いのほうが普通でしょう。後手から見て飛歩3VS金桂の交換です。後手玉が堅く、攻め駒は多いので、やれないことはないでしょう。つまり丸田先生は危ない方を選んでしまったのかも。
丸田先生は桂を取り返し、大山先生は と金を使います。
銀を取れるので駒損ではありません。あとは寄せ合いの勝負です。
54銀同金で丸田先生が忙しそうですが、とりあえず34桂の王手。玉が逃げると飛の打ち込みが先手になるので、寄せ合い勝ちでしょう。
大山先生は34同銀同歩に87歩。87同玉は56と~65角の筋ができます。玉をかわしにくいし、87同金が妥当です。
そこで銀を取りました。
56同飛に65角。ちょっと甘いので寄せ合いは先手の勝ち筋があるかもしれません。
丸田先生は33銀同桂同歩成同金。ここで72飛が攻防、32歩34歩くらいで勝てないでしょうか。あるいは54飛と切る筋(31銀同玉が入れば54同歩53角成)とか、53角成同金同飛成の筋とか。
34桂同金を入れて53角成を選びました。53同金同飛成は詰めろのようですが、34桂と捨てなくても良いような。56角72飛32歩54馬もよくわかりませんが(受けは利くので後手有利か)、
大山先生は79銀同玉78銀、銀2枚を捨てて
飛を取りました。
先手玉は詰まず、後手玉は詰めろになっていますが
53馬を取れば詰めろは解消しています。同時に先手玉も詰めろになったようで、詰めろ逃れの詰めろですね。丸田先生は投了でした。
大山先生の先攻はうまく行っていないのですが、丸田先生が危険な筋を選び、寄せを間違えて逆転されてしまいました。
角換わりの激しい終盤を楽しめます。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/10/12
手合割:平手
先手:丸田祐三8段
後手:大山8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 3二金(41)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 2二銀(31)
9 9六歩(97)
10 1四歩(13)
11 1六歩(17)
12 9四歩(93)
13 4六歩(47)
14 6二銀(71)
15 3三角成(88)
16 同 銀(22)
17 8八銀(79)
18 8四歩(83)
19 7七銀(88)
20 8五歩(84)
21 7八金(69)
22 5二金(61)
23 5八金(49)
24 4二玉(51)
25 4七銀(48)
26 6四歩(63)
27 3六歩(37)
28 6三銀(62)
29 5六銀(47)
30 7四歩(73)
31 6八玉(59)
32 5四銀(63)
33 6六歩(67)
34 3一玉(42)
35 7九玉(68)
36 4四歩(43)
37 3七桂(29)
38 2二玉(31)
39 8八玉(79)
40 4三金(52)
41 4八金(58)
42 7三桂(81)
43 2九飛(28)
44 6五歩(64)
45 6九飛(29)
46 8六歩(85)
47 同 歩(87)
48 3五歩(34)
49 同 歩(36)
50 7五歩(74)
51 同 歩(76)
52 6六歩(65)
53 6四角打
54 8三飛(82)
55 7四歩(75)
56 6五桂(73)
57 6六銀(77)
58 3六歩打
59 7三歩成(74)
60 3七歩成(36)
61 8三と(73)
62 4八と(37)
63 6五銀(66)
64 5八と(48)
65 6六飛(69)
66 5七と(58)
67 5四銀(65)
68 同 金(43)
69 3四桂打
70 同 銀(33)
71 同 歩(35)
72 8七歩打
73 同 金(78)
74 5六と(57)
75 同 飛(66)
76 6五角打
77 3三銀打
78 同 桂(21)
79 同 歩成(34)
80 同 金(32)
81 3四桂打
82 同 金(33)
83 5三角成(64)
84 7九銀打
85 同 玉(88)
86 7八銀打
87 同 玉(79)
88 5六角(65)
89 8八玉(78)
90 2八飛打
91 9七玉(88)
92 5三金(54)
93 投了
まで92手で後手の勝ち
先手番松田先生の手を考えます。
第1問
攻め続けます。
A 25歩 B 33歩 C 45歩
第2問
無理筋のようですが。
A 44角成 B 46飛 C 43銀成
第3問
36銀打を敗着にさせました。
A 45桂打 B 11竜 C 25歩
今日の棋譜20200523
昭和23年9月、松田辰雄先生と大阪新聞(の棋戦)です。
相掛かりで松田先生は浮き飛車
大山先生は引き飛車です。
浮き飛車は新型の腰掛銀が似合います。新旧対抗になるかと思ったら
松田先生は56歩~45歩。結局は旧型の相掛かりです。45歩を突いたのは、後手の雁木を警戒したものでしょう。
このままでは73桂をはねにくいのかもしれませんが、大山先生の63金は玉が薄くなるので指さないほうが良いです。
松田先生は35歩からの攻めを目指します。
大山先生はおとなしく角を交換して2,3筋を受けました。
松田先生は金無双に組み替えます。何局か出てきましたが、今では見られない指し方です。右金を68に寄せると47角を打たれるからなのでしょう。でもここで38角もありますね。47角同角成同金(47角49角成29飛58馬)というのも気になるところですが。
大山先生は仕掛けを封じるつもりで24銀と出たら、松田先生はそれでも35歩から仕掛けました。
35同歩に44歩。44同銀には45銀ということでしょう。持ち歩が少ないですが、銀や桂の交換はできそうです。
44同歩に45歩。これも同じようなもので
31玉に44歩同銀45銀
43歩に34銀。ねらいは22歩同玉41角の筋でしょう。やはり後手の63金型はよくない形です。
42玉に22歩同金71角。44角成同歩43銀打の筋は無理そうだけど、と思ったら
銀を捨てて
角を切って46飛。角損で攻めてしまいました。
竜は作れて詰めろだけど、普通は無理攻めです。しかし31竜32合駒34歩~22竜という筋があるので結構受けにくいのです。32竜に32飛の受けを残して、43歩か44歩か43銀か、何が良いのかよくわかりません。
結局21桂を取らせる32金では、後手有利とは言えなくなりました。ここで大山先生の「桂先の銀定跡なり」の36銀がまずかったようです。
25歩を打たれて13銀が仕方なく(これを避けるために36歩が最善か?)
香を取られて銀取り。先手の攻め駒が増えたので、22角から粘ってもだめそうなので
22銀に14竜。34香が受けにくいです。
42玉に46香も厳しく
45歩同桂、ここで投了でした。指すならば34桂を避けて51玉くらいですが、33歩の応対に困ります。
大山先生には珍しい受け間違いです。とはいえ正解も難しいです。やはり駒得は味が悪いものですね。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/09/14
手合割:平手
先手:松田辰雄8段
後手:大山8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2六飛(24)
12 6二銀(71)
13 4八銀(39)
14 3四歩(33)
15 7六歩(77)
16 8六歩(85)
17 同 歩(87)
18 同 飛(82)
19 8七歩打
20 8二飛(86)
21 1六歩(17)
22 9四歩(93)
23 9六歩(97)
24 1四歩(13)
25 4六歩(47)
26 5二金(61)
27 5八金(49)
28 4一玉(51)
29 6九玉(59)
30 5四歩(53)
31 5六歩(57)
32 7四歩(73)
33 3六歩(37)
34 5三銀(62)
35 4五歩(46)
36 6四歩(63)
37 5七銀(48)
38 6三金(52)
39 4六銀(57)
40 7三桂(81)
41 3七桂(29)
42 8八角成(22)
43 同 銀(79)
44 2二銀(31)
45 6八金(78)
46 3三銀(22)
47 7八玉(69)
48 2四銀(33)
49 3五歩(36)
50 同 歩(34)
51 4四歩(45)
52 同 歩(43)
53 4五歩打
54 3一玉(41)
55 4四歩(45)
56 同 銀(53)
57 4五銀(46)
58 4三歩打
59 3四銀(45)
60 4二玉(31)
61 2二歩打
62 同 金(32)
63 7一角打
64 9二飛(82)
65 4三銀成(34)
66 同 玉(42)
67 4四角成(71)
68 同 玉(43)
69 4六飛(26)
70 3三玉(44)
71 4一飛成(46)
72 3二金(22)
73 2一龍(41)
74 3六銀打
75 2五歩打
76 1三銀(24)
77 1一龍(21)
78 2二銀(13)
79 1四龍(11)
80 4二玉(33)
81 4六香打
82 4五歩打
83 同 桂(37)
84 投了
まで83手で先手の勝ち
後手番丸田先生の手を考えます。
第1問
先手の歩切れなので、馬を作られていても後手が指しやすいです。怖いところですが堂々と。
A 36歩 B 76角 C 54銀
第2問
寄せ合いを目指します。
A 75角 B 48と C 57歩
第3問
先手の底歩が堅いようですが。
A 78歩 B 76歩 C 98歩
第4問
きれいな寄せ方です。
A 78歩 B 98歩 C 69金
第5問
これもきれいな寄せ方です。
A 99歩成 B 77歩 C 84角
今日の棋譜20200522
昭和23年9月、丸田祐三先生と三社主催三番勝負第2局です。
ここで△76飛は24歩同歩同飛23歩84飛82歩と進む力戦になります。先手ならばそれを避けて、69玉ではなくて24歩同歩同飛23歩26飛とする、というほうが現代的ですが。
横歩取りではなくて、相掛かりの互いに引き飛車になりました。
大山先生の旧型56歩を見て、丸田先生は角を交換します。一手損ですが「角交換には5筋をつくな」です。(この将棋格言はもっとあとに作られたものですが。)
大山先生の陣形作りに制限がありますが、今回は玉を固める形を目指しました。
銀冠を作ろう、86歩(同飛は85歩同桂87銀)~87銀を避けて、丸田先生は85歩を打ちました。これで2手損なので都合3手損になります。
大山先生のほうが手が進むので、中央の位を取りました。形は良いけれど、角を打たれる隙きができやすく、
68金寄から78玉型に。菊水矢倉で69角の傷を避けます。玉を固めるのを好まない大山先生らしい指し方です。
先攻するのですが、まだ右桂を使えていない状態で攻めるのは早すぎるでしょう。手得しているし、1筋を詰められているので動きたくなるのはわかるのですが。
35同歩に54歩。54同歩は71角ですね。
54同銀に75歩。先手の玉頭桂頭ですから、怖いところです。
63銀に55銀。74歩同銀64銀をねらいます。
84飛に37桂とは大胆です。
75歩に74歩。74同飛に
83角から馬を作るのですが、3歩損で馬を作っただけでは駒損です。歩切れを気にしない、馬作りが好き、という大山先生らしいですが、形勢不利です。
丸田先生は36歩45桂24銀。ちょっと怖いですが、37歩成をねらいます。46馬は37角や54歩、46銀は44歩、27飛は49角、38飛は37角、どうやら先手が37歩成を防ぐことは難しく
65歩に37歩成は大きな手です。29飛に33歩というのは手堅すぎる感じですが、大山先生は歩切れがたたって、攻める手が難しいです。64歩と取り込んでも効果が薄いと
66馬65歩75馬。これで飛取りと53桂成があります。
対する丸田先生の34飛の味が良さそうです。銀取りの25歩に
38と~37飛成を決めて
銀を逃げました。大山先生は53桂成が実現し
丸田先生は と金を寄って寄せ合いを目指します。
金桂交換にされましたが、58と は(△66桂もあるので)防ぎにくいです。
大山先生は底歩から玉の早逃げ
6筋に歩の壁を作ったけれど、竜は9段目に使われて
79歩を打てるけれど、78歩を打たれては効果が薄いです。78同玉は66桂や69角があるので
73飛成(駒の損得なしになった)に95歩同歩(この利かしが細かい)66桂で詰めろ。
桂銀交換のあとは96歩が利いて
79歩成同銀98歩。丸田先生らしい小技の攻めが決まります。98同香は99金ですね。
85桂(竜の利きを通した)に84角と捨てるのが格好の良い手です。
84同竜に77銀で詰めろ、受け無しです。
大山先生相手ならば攻めさせるほうがよく、丸田先生の作戦がうまく決まりました。カウンターで歩の手筋を中心とした反撃を決めて快勝です。
大山先生のほうはあまり意識していなかったのでしょうが、丸田先生はNo.2以下に甘んじていても(親しさと共に)対抗意識があったのだと思います。大山先生を超える現役年数を喜んでいらっしゃいました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1948/09/07
手合割:平手
先手:大山8段
後手:丸田祐三8段
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 3二金(41)
5 7八金(69)
6 8五歩(84)
7 7六歩(77)
8 8六歩(85)
9 同 歩(87)
10 同 飛(82)
11 6九玉(59)
12 8二飛(86)
13 8七歩打
14 4一玉(51)
15 2四歩(25)
16 同 歩(23)
17 同 飛(28)
18 2三歩打
19 2八飛(24)
20 3四歩(33)
21 4八銀(39)
22 6二銀(71)
23 5六歩(57)
24 8八角成(22)
25 同 銀(79)
26 2二銀(31)
27 5八金(49)
28 6四歩(63)
29 6六歩(67)
30 5二金(61)
31 6七金(58)
32 6三銀(62)
33 7九玉(69)
34 7四歩(73)
35 5七銀(48)
36 7三桂(81)
37 7七桂(89)
38 8五歩打
39 9六歩(97)
40 9四歩(93)
41 5五歩(56)
42 3三銀(22)
43 5六銀(57)
44 3一玉(41)
45 6八金(78)
46 1四歩(13)
47 7八玉(79)
48 1五歩(14)
49 3六歩(37)
50 2二玉(31)
51 3五歩(36)
52 同 歩(34)
53 5四歩(55)
54 同 銀(63)
55 7五歩(76)
56 6三銀(54)
57 5五銀(56)
58 8四飛(82)
59 3七桂(29)
60 7五歩(74)
61 7四歩打
62 同 飛(84)
63 8三角打
64 8四飛(74)
65 5六角成(83)
66 3六歩(35)
67 4五桂(37)
68 2四銀(33)
69 6五歩(66)
70 3七歩成(36)
71 2九飛(28)
72 3三歩打
73 6六馬(56)
74 6五歩(64)
75 7五馬(66)
76 3四飛(84)
77 2五歩打
78 3八と(37)
79 2六飛(29)
80 3七飛成(34)
81 7六飛(26)
82 3五銀(24)
83 5三桂成(45)
84 7四歩打
85 9七馬(75)
86 4八と(38)
87 5二成桂(53)
88 同 銀(63)
89 7四飛(76)
90 3八龍(37)
91 6九歩打
92 5八と(48)
93 8九玉(78)
94 6八と(58)
95 同 歩(69)
96 9五歩(94)
97 同 歩(96)
98 2九龍(38)
99 3九歩打
100 同 龍(29)
101 7九歩打
102 7八歩打
103 7三飛成(74)
104 6六桂打
105 同 銀(55)
106 同 歩(65)
107 同 金(67)
108 9六歩打
109 同 馬(97)
110 7九歩成(78)
111 同 銀(88)
112 9八歩打
113 8五桂(77)
114 8四角打
115 同 龍(73)
116 7七銀打
117 投了
まで116手で後手の勝ち