名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS1-14 スーパー四間飛車(8)

2024-05-22 | 基本定跡の研究

先手の第3の受けは66歩ですが

今は常識になっていると思います。ここで後手は65歩と仕掛けるのですが、先手の対応も様々です。99玉の時に後手は選択肢があって、45歩

というのは積極的な手ですが。65歩に同銀

後手から角を交換すると77角成同桂、1歩損でだめだったのですね。なので歩を取り返すくらい。33角成同桂88銀66歩

この図で小林先生は後手が指せるというのですが。しかし24歩同歩同飛67角68歩76角成21飛成

自然な進行で、評価値は+640、はっきり先手有利です。後手が45歩を突くのはだめでした。

ならば

65歩99玉の時に、66歩同銀62飛

67金45歩88銀65歩

57銀77角成同金39角

58飛57角成同飛66銀同金同歩68歩67金

小林先生は後手十分だというのですが、59飛68金同金67歩成同金同飛成58金

この図の評価値は+325で先手有利です。62竜でも44角を打ち、33金77角

後手に金を打たせて長い戦いになると、駒得が生きてきます。

最初の図に戻って

65歩99玉66歩同銀45歩

62飛に替えて45歩を見てみます。55歩63銀引57金74銀

後手は65歩のねらいなので、75歩85銀65銀と受けたら64歩

これは先手がまずそうで、64同銀76銀59角44飛

小林先生は後手優勢というのですが、評価値は-75の互角~後手ペースというところ。まあ先手を持ちたくはありません。

AIに聞いてみると、この図から

78金65歩75歩

85銀65銀ははっきり先手の得ですね。先ほどよりも1歩得で78金も指しています。とすれば銀の取り合いで、66歩74歩同歩66角となるのですが、

この図の評価値は+318もあって、先手有利です。そんなに良いのかとは思いますが、後手から大した手はありません。62飛には67歩を打って、56金~36歩~45桂というねらいがあります。

今のところは後手がうまくいっていません。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(7)

2024-05-21 | 基本定跡の研究

次は「6筋早仕掛け」です。

先手が居飛車穴熊を目指したところで銀を出ます。なおこれまでは58金右を後回しにしていましたが、この形では先に指しています。時代の流れでしょうか。さて65銀がねらいですから、対策としては55歩、66銀、66歩です。順番に見ていきましょう。( 今はほとんど66歩ですけど。)

55歩65銀26飛45歩

ここで99玉だと46歩同歩 (飛交換できない) 76銀

この図の評価値は-417で後手有利です。

小林先生の本には書いてありませんが、

ここで99玉よりは78金のほうが良く、46歩同銀76銀86角

この図の評価値は0近辺の互角です。後手番振り飛車としては十分ですが。

ということで次は

66銀45歩55歩

65銀同銀同歩

この図の評価値は+100で互角です。小林先生は26飛46歩同歩35銀くらいの想定で

評価値は-91ですが、後手十分としています。

一応AIに聞いてみると、

ここは57金85銀88銀打76銀68角がよいと。

これで評価値は+100くらいを維持しています。

途中先手が55歩を突いたところですが、AIに聞いてみると、57銀と戻すのが正解だと。

後手は角交換を回避できず、77角成同桂33角66角同角同歩33角67金

先手は手得ですが穴熊が堅いわけでもなく、角は手持ちにしています。でもまあこの図の評価値は-196で先手ペース。後手の手順に問題があったようです。

66銀には、すぐに45歩を突きなさいと。

これで65銀をねらいます。57銀には32金として

評価値は+140、まだ先手ペースとは言え、スムーズに穴熊に組めるわけではないです。後手は「浮き飛車作戦」のような指し方をすれば良いでしょう。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(6)

2024-05-20 | 基本定跡の研究

「端角作戦」の弱点は角頭にあります。玉を囲う前に16歩でどうか。

33桂15歩同歩46歩

単純に15同香は57角成同金15香で二枚替えでした。なので先手は角切りを避けます。45歩15香46歩13香成47歩成

23成香57と同金49飛成78金45桂

この図の評価値は-705で後手有利です。角銀交換は問題になりません。

途中で先手が15香ではなくて65歩の変化も書かれています。

後手は桂取りを受けずに、46歩33角成47歩成42馬58と41馬69と

この図の評価値は-1145で後手優勢です。

ということで角頭を攻められても大丈夫なようですが。AIに聞いてみると、

33桂に15歩同歩99玉

1筋の歩を突き捨ててから穴熊に囲えばよいと。後手は62飛とすると46歩

二枚替えの筋が消えて、45歩~46歩も厳しくないですから、「端角作戦」は破綻しています。

なので

ここで1筋の突き捨てを逆用するしかないのですが、16歩には68銀引が好手です。

45桂16香68角成同金寄16香24歩

二枚替えされても先手玉は薄くならず、飛をさばけば (攻め駒にすれば) 先手有利です。この図の評価値は+367

とすれば

この図から35角36歩17歩成はどうか。

17同桂同香成29飛68角成同金寄18歩

後手は二枚替えを実現し、香も取れるので3枚替えの駒得になるのですが。24歩19歩成同飛28銀

後手は歩切れなので銀を使うしかないです。59飛24歩55歩

先手は中央に目を向けます。43銀35歩同歩54歩同歩65歩同歩34歩同銀54飛

これがねらいの反撃筋です。この図の評価値は+835ではっきり先手有利。後手の駒得は生きません。

ということで、あれこれ課題があって、「端角作戦」は成立しないのでした。まあ初見だとどちらに転ぶかわかりませんが。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(5)

2024-05-19 | 基本定跡の研究

小林先生は先手の対策も書いています。

この図から、67金33桂99玉62飛68銀

88銀と固めるのは無策でしたから、右銀を引いて、角切りや45桂の筋に備えます。それでも45桂に78金とした局面は

一局の将棋だというのですが、この図の評価値は+310で先手有利。

さらには

45桂に78金ではなくて、24歩同角46歩同角23飛成

先手がすぐに攻めても難しいと書かれていますが、この図の評価値は+422で先手有利です。一つ銀を引かれただけで成立しないとは。

また先手が穴熊をあきらめて

左美濃にしたらというのも対策として書かれています。

組上がりはこんな図なのですが、後手から攻める手が無いので作戦負けだと。ところがAIに聞いてみると、65歩同歩同銀66歩45桂

ここは48銀が最善で (39角の筋を消した)、66銀同角同飛同金57桂成

後手の強攻がうるさいのです。57同銀同角成67金引39馬

18飛66歩77金寄29馬64桂

62金寄に72桂成としないほうがよいみたいで (桂馬を渡すから) 、41飛63銀11飛成51桂

この図の評価値は+122しかありません。実は互角なのでした。先手が受け間違えば後手が良くなります。

 

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第253回名南将棋大会(壱)結果速報

2024-05-18 | 名将会

本日は第253回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。5クラスとも4連勝で決まりました。A級はともかく、他のクラスはR点数の差が小さいクラス分けなのに、珍しい事象です。

A級優勝

畠山大樹さん

B級優勝

谷口祐樹さん

C級優勝

松本雅紀さん

D級優勝

荒木昭一さん

E級優勝

北爪邦治さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(4)

2024-05-18 | 基本定跡の研究

次は「端角作戦」です。

43銀型に居飛車穴熊から始まって、54銀66歩14歩

25歩には13角

まず端角で2筋を受けようというのがこの作戦です。58金右33桂

35歩から石田流への組み換えではなくて、左桂も跳ねてしまいます。攻撃的ですね。88銀62飛67金65歩

6筋を攻めて後手が良い感じです。65同歩同銀66歩76銀

ああこの筋か、と気が付いた時には遅く、後手有利です。評価値は-933で優勢に近い。

AIで確認すると

ここは46歩が最善のようです。45歩65歩42金

55歩65銀66歩74銀

6筋は一度収まりましたが、48飛46歩同銀65歩

65同歩は45歩57銀65銀66歩76銀の筋に戻ります。なので57銀66歩同銀46歩

78金65銀同銀同飛66銀

64飛54歩同歩86角62飛55歩

65歩77銀引55歩54歩52飛

42角成同飛53歩成12飛

こんな攻防が続き、評価値は-68の互角です。先手玉は堅いけれど、まあ初見では先手が受けきれないでしょう。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(3)

2024-05-17 | 基本定跡の研究

前回の途中の図から

88銀に14歩ではなくて、43銀79金32金67金

おとなしく駒組を進めてみます。52銀に65歩が書いてあって

77角成に同金以外は穴熊が弱体化します。36歩同歩39角

58飛36飛37歩26飛

こう進めば後手有利。評価値は-473です。

先手としては

ここで52銀には46歩を突きたいです。36歩同歩46歩同銀36飛

またこの飛のさばきが来るのですが、37銀34飛に、本に書いてある36歩ではなくて68角

あるいは38飛でも先手よしのようで、評価値は+264あります。後手の攻めが軽すぎるのですね。

戻って

この図で後手としては、52銀ではなくて、36歩同歩同飛37歩35飛

また端桂の筋が良さそうです。68角14歩46歩13桂45歩25飛

この場合は先手が1歩持っているので、26歩45飛46銀44飛36歩24角

4筋の攻防に移ります。先手は歩切れなので抑えきれず、とりあえず35歩には34銀

ここは65歩が最善で、45銀77角41飛

45銀同飛11角成に22銀12馬49飛成

この図の評価値は+80で互角です。後手としては34飛の形が作れれば、互角なのですね。後手番としては十分です。

小林先生は本美濃囲いにする軽い形も書いています。

先手の対応は26飛、65歩、68角について述べられているのですが、AIに聞いてみると、26飛44角65歩

この組み合わせが最善なようです。77角成同金36歩同飛同飛同歩

この図の評価値は+262で先手良しです。後手は堅さを求めても穴熊には追い付かないようですね。

ということで、この浮き飛車作戦は、後手番としてはまあまあ使えそうなのですが、

そもそも先手が端歩を受けると、どう指して良いか悩みます。45歩には36歩 (それ以外の手でも66歩と止めなければ悪くない)

先手が突っ張った感じですが、この図の評価値は+204で先手ペース。角交換四間飛車の一変化という感じです。あくまで先手が居飛車穴熊に (早く囲うことに) こだわった場合にだけ出現するということでしょう。

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SS1-14 スーパー四間飛車(2)

2024-05-16 | 基本定跡の研究

後手が45歩を突いた図で

角交換すると互角でした。66歩と止めた時が問題ですが、小林先生は44飛を勧めます。

これは36歩を突かれそうで、後手が避けていたと思うのですが。ただしこの図では74飛があって、99玉76飛88角

飛角交換されないように角を引くのが良いようです。この図の評価値は+137の先手ペース。1歩損ですが後手の飛も使いにくくなっていくということでしょう。

とは言え先手がこの筋を気にして36歩を突かなければ、

58金右35歩99玉34飛

後手は石田流の位置に飛を移動できます。88銀の時に後手の方針が岐れるのですが、14歩79金36歩同歩同飛37歩35飛

ここでは68銀~65歩とする方が難しいようですが、68金13桂86角62金46歩25飛

25同飛同桂45歩28飛

こう進めば後手有利。評価値は-785です。

戻って

Aiに聞いてみると、88銀14歩には46歩

36歩同歩46歩同銀36飛

後手がうまくさばいたようですが。37銀34飛38飛

64歩36銀65歩35銀64飛

64飛以外の位置だと、先手は67金と備えて難しいです。86角84飛53角成66角

馬を作った分だけ先手ペースのように見えますが、評価値は+66ほどで互角です。

 

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SS1-14 スーパー四間飛車(1)

2024-05-15 | 基本定跡の研究

四間飛車、三間飛車、向い飛車と調べてきましたが、漏れているところが見つかりました。

小林健二先生のスーパー四間飛車を見てみましょう。シリーズで何冊も出ているのですが、「スーパー四間飛車最新版」の①急戦居飛穴破りから。藤井システム出現前の定跡だと思ってもらえれば良いでしょう。アマチュアには使いやすいと思うのですが、どれだけ有効かはわかりません。

序盤は62玉~72銀という組み方をします。端歩は後回し。なのでたいていの居飛車急戦には対応しやすいと思います。

先手が居飛車穴熊かな? というところで端歩を突いて打診します。98香に45歩

というのが「浮き飛車作戦」と (本人が言う) 指し方です。他の棋士の実戦例もまあまあありました。先手が角を交換すると、33角成同銀99玉35歩

こうなれば「立石流」(立石勝己さんの考えた戦法) に近いです。88銀32金79金44飛58金34飛

このあたりはAIの評価値を見ると、後手が95歩を突けば0近辺の互角、先手が96歩を突けば少しプラスです。なので後手は95歩を優先したほうが良いのですが、68金寄42銀78金寄43銀

ここまでは評価値が0付近の互角です。本に書いてある66銀は疑問手で、38角として

評価値は-292、後手良しです。意味は58角の受けに、46歩同歩56角成があるから。

小林先生は52銀と引いて後手の作戦勝ちだというのですが、先手には21角があります。

43銀32角成同銀22金41銀23金52銀

先手としてはちょっと気が引けるところでしたが、この図の評価値は+102なので、なんとか先手ペースというところです。

ともあれ後手が変なことをしなければ、評価値は0付近の互角ですから、後手番振り飛車としては十分でしょう。

 

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SS3-4 ダイレクト向い飛車(26):対策

2024-05-14 | 基本定跡の研究

昨日の途中の図です。先手の37銀~46銀の対策に、後手が33銀を43に繰り替えて待った形。

このまま駒組を進めるのは、先手が打開してまずまずというところでした。後手から動くとすれば、この図から54銀 (45歩ねらい) 56歩45桂

まず桂をさばきます。78金に64角を打てば59角

37桂成同角35歩55歩

後手は角を使いたいので、55同銀同銀36歩46角45歩

64銀46歩73銀成同銀26飛

この図の評価値は+333で先手有利です。玉の堅さと飛の使いやすさ (攻め駒にしやすい) が違います。

後手は角を打ってもうまくいかなかったので、

中間策で、78金に37桂成同銀と収めてみます。64歩46銀

45歩57銀37角

馬を作れるので後手が良くなったかと思えば、29飛15角成98香

なんと先手は地下鉄飛車を実現できるとは。24歩16歩14馬99飛25歩95歩

今は持ち歩がないとはいえ、飛角桂香で攻めることができます。後は実力次第なのですが、AIの最善手順を見てみると、95同歩同香同香同飛94歩

99飛91香97香95桂

後手はこの桂を打たないと、85桂打~93歩と攻められます。93歩同玉95香同歩94桂

94同玉は82角ですね。71金85歩92玉66銀

先手は右銀を使うのか。63銀75銀74歩86銀引41馬66角

51馬95銀83歩84歩

84同歩同角同馬同銀62角66角

83歩95銀94歩同銀95歩85桂

ここまで来てやっと評価値は+200くらいの所から+421で先手有利。手順を覚えても仕方ないですが、先手に分がある攻防でした。

 

ということで、ダイレクト向い飛車対策としては37銀~46銀が有効です。47銀型よりはかなり評価値が改善されています。お試しあれ。

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