昨夜、「音楽戦士」にてAKB48の新曲「RIVER」を初めて見ました。
噂その1 今回は最近のシングルの流れとは違うらしい。
噂その2 今回はなんか曲的には今ひとつかも。
噂その3 今回は過去最高のペースで売上枚数を伸ばしている。
などの情報は知っていました。前情報による先入観は捨てて見てみました。
「うーん。楽曲としては普通だな。まあ、普通だから安心して聴けるのかもしれないが」
というのが感想です。ダンスは以前より成長してますね。頑張っているなと思いました。
AKB48 「RIVER」PV
(PVは相変わらずいいですね。メンバーの良い表情を捉えているのもマル)
今回の曲はシリアス調な歌です。ダンスがカッコイイ系を追求したものでもあるため、初見の感想は「何だかモーニング娘。みたいだな。それも悪い言い方をすれば劣化コピーみたいな」でした。せっかく、明るくパワフルな歌をシングルでリリースしてきたのだから、もうしばらくはその路線で良かったのでは?という疑問です。
それは、現在のモーニング娘。がシリアス調な歌を続けていたから、AKBにとって今までの青春ポップス路線は、良い差別化となっていたのは事実。なのに、今回はこういう風にモーニング娘。側に寄ったかのような作りを見せてきた。自分達だって、ここまで出来る事を見せたかったという事でしょうか。この辺は秋元氏に聞いてみたいところ。
私がAKBの最近の曲で良い傾向だなと思っていたのは、歌詞が単なる恋愛ソングではない事です(アルバム曲は知らないので、シングル曲での話)。中高生のファンからは歌詞に共感しやすいと好評なAKBソングの歌詞は、そこにメッセージなどが織り込まれています。
私は、秋元氏の「コンセプトありき」という、まるで脳内で会議を行なって組み立てているかのような作り方が好きになれないのと、「こうすればウケるのだ」というのが見え隠れする仕事っぷりがハナにつくので(苦笑)、評価はしたいのですがハマりはしないという感じです。
でも、AKBがストレートに恋愛ソングに走らず、青春ポップスを歌い、そこにメッセージを込めるというやり方は、昨今の他のJ-POPよりは好感が持てます。何しろ、ハロプロも恋愛ソング症候群に陥っていますから、そういうのが新鮮に見えるのは確かです。
誰も統計を取っていないみたいなので(笑)実数はわかりませんが、ヒットチャート上位にいるJ-POPソングの多くは恋愛ソング。八割?まさか九割?とにかく多い。ポップス=大衆音楽である訳ですから、身近なものに歌詞のテーマを向けがちなのはわかるとしても、そんなに現在日本には恋愛ネタしか歌に出来そうなネタは無いのか?否!人々が様々な不安を抱えながら日々を過ごす現在だからこそ、テーマはたくさんあるではないですか?
それとも、不安を抱えているから、せめて歌くらいは恋愛ネタで気持ちを紛らわせたい。作り手側はそう思っているのでしょうか?
かつて大ブレイクした頃のモーニング娘。は、エイベックスや小室哲哉氏の作り出すサウンドに対するアンチテーゼ的な側面も持ち合わせていたように思います。。つんくPの作り出す少しズレた世界、それをダンスミュージックに乗せた事がポイントでした。
小室氏などによって「カッコイイ」ものとして大衆に浸透していたダンスミュージック。小室サウンドとつんくサウンドのダンスミュージックは音楽の方向性こそ違うものの、ダンスミュージック=カッコイイという考え方は短絡的である。そんなつんくPの想いが具現化されているようにも思えたものです。
そういう歴史があるから、私はハロプロに安易に恋愛ソングに走るなと今までも書いてきました。
そして、今回のAKBがなんだか「こっち側」にすり寄って来たような作りで新曲を出してきた事を、親近感は多少感じつつも、「あなた達は違う方向を向いていてほしい」と、回れ右をさせて背中をポン!と押してあげたい気持ちになった次第です。
モーニング娘。にはモーニング娘。の世界がある。AKB48にはAKB48の世界がある。まずは、己の道を究めようぜ!そんな気持ちです。