2014 J1第17節 FC東京×ベガルタ仙台 アイドロング!!! 試合前ライブ
FC東京のサポーターは面白い人達で、試合の展開に合わせて応援のリズムを変えたりするような臨機応変さもあり、選曲も海外のサポーターが歌っているようなものに限らず、歌謡曲も積極的に取り入れてきた。また、東京をテーマに歌っているヒット曲も何曲も取り入れ、中でもゴールが決まると歌われる「ブギの女王」笠置シヅ子の「東京ブギウギ」は盛り上がる曲である。
そんな彼らが昨年の夏からアイドリング!!!の「サマーライオン」を歌っている。昨年7月にスタジアムにゲストとしてやってきたアイドリング!!!が当時最新シングルだったこの曲を歌った縁もあったとはいえ、世間的に知られているAKBの曲とかではなくアイドリング!!!の曲を選んだというところに、ありきたりの事はしたくない!というサポーター達の気概がうかがえる。
サマーライオンはあっという間にサポーター間に浸透し、対戦相手のサポーターからも「なんだか耳に残る曲」と評判になっていた。しかも、サマーライオンを歌った日は負けないというジンクスまで生まれたりして、すっかりこの曲はホームである味の素スタジアムの風物詩になった。
アイドリング!!!の曲を歌うきっかけとしては、FC東京の応援番組(TOKYO MX TVで放送)のアシスタントとして、アイドリング!!!19号の橘ゆりかが活躍していた事も大きかった。アイドリング!!!自体の知名度は決して高くなくても、サポーターの間では「アイドリング!!!19号 橘ゆりか」は知名度が高いという事なのである。
学生が夏休みに入り、いよいよ夏本番といった天候になってきた7/27日曜日。味の素スタジアムには去年に続きアイドリング!!!が姿を見せ、今年もサマーライオンを歌った。
ビジョンを使って選手紹介風にメンバーを紹介すると、橘ゆりかの所で大きな拍手が起こった。
歌い終わったメンバーはゴール裏に足を運び、サポーターの声援にも応えた。サポーターから沸き起こる「橘トーキョー!」コール。選手や監督でもない人物がチーム名を付けてコールされるのは異例かもしれない。そして、サポーターは「FC東京版サマーライオン」を歌い始めた。
真剣勝負のスポーツの場にアイドルがゲストで現れて歌を歌う事に対して否定的な意見もあったりするけれど、それはなんの脈絡もなく、その場にいる事に関係性も見出だせないからそういう意見が出て来てしまうのだろう。
「仕事で関係している」、「地元のアイドルである」、「そのチームのファンを公言しているメンバーがいる」など、そういう関係性がある場合はサポーターも好意的であるように思う。
唐突に宣伝のために現れるのとは違い、日頃からテレビの仕事を通じて関わりを持ち、その仕事ぶりに好感が持たれていたからこその信頼関係がそこにあった。橘ゆりかメンバーは実は滋賀県の出身だけれど、今は身も心もFC東京の人である。