2003年の初め、モーニング娘。6期オーディションの合宿の模様を伝える番組は、最終選考に残った三人の必死さに欠ける姿をお茶の間に伝えた。5期メンバーが優等生揃いであった事に対するアンチテーゼであるかのように振舞う三人は、テレビを視る者をいらつかせながら、あくまでマイペースに行動した。
その三人の中で飛び抜けて歌が苦手な子がいた。ボイストレーニングを行なう菅井先生は少しキレ気味に、でもその子に真剣に向き合い、何とかして課題曲「赤いフリージア」を少しでも上手く歌えるようにと特訓した。そして、特訓の甲斐あって、合宿の終わりには最初の頃より声が出るようになっていた。割り箸をくわえさせて発声させる特訓は、モーニング娘。オーディションに於ける名場面のひとつである。
「道重さゆみ」
決して歌やダンスが上手い訳ではなかった。むしろ苦手にしていたといっても良いくらい。皮肉な事に、道重さゆみが加入してからモーニング娘。はどんどんステージスキルを売りにしていくグループになっていった。
しかし、彼女はいつもステージで真剣だった。アイドルは歌やダンスが上手ければそれで全てが良いのではなく、歌やダンスをどう見せるのかが大切なんだ。それを体現していたのが道重さゆみinステージだった。大汗をかきながら踊る彼女のステージを観ていると、アイドルを応援するという気持ちを理屈抜きに理解できる。
合宿で歌をダメ出しされ、スタートから全国にそんなマイナスイメージな映像を流されながら、涙を流し食らい付いていた姿は、やっぱり「モーニング娘。道重さゆみ」の原点で、驚く事に最後までその原点からぶれずにアイドルをやりきった。11年以上の長い間、メジャーアイドルとして、これほどまでにイメージに忠実であった人がアイドル史上で他に居ただろうか? ウマイでもなく、スゴイでもなく、11年以上の間、道重さゆみはステキを貫いてきた素晴らしいアイドル。原点である「赤いフリージア」から「見返り美人」まで、道重さゆみはずっと道重さゆみだった。その長い年月の頑張りに心からのリスペクトと、大きな拍手を。
当日、現地に居ることが出来ない人にも届くよう、道重さゆみは素晴らしいステージをみんなと作る筈。モーニング娘。が大好きでファンからこの場所に辿り着いた彼女は、ちゃんとファンの気持ちがわかっている筈。
お疲れ様でした。またいつかその素敵なお姿をまたどこかで。
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