とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

テーマは家族

2012-08-14 23:34:37 | 日記
テーマは家族


20世紀前半活躍した、フランスの画家フェルナン・レジェの代表作「余暇」。世界第二次大戦が終結してまだ日も浅い頃の1948年あたりの作品。


小出楢重「Nの家族」(1919年 大原美術館蔵)
1887年大阪生まれ、近代画家に大きな功績を残した小出楢重。この作品は、小出楢重自身の家族を描いた作品で、第6回二科展に出品され、樗牛賞を受賞した作品である。


 合作壁画の打ち合わせ会があるということを佐山医師から聞きましたので、小学校に出かけました。会議室の壁面を使うということでしたので、その部屋に入って私は驚きました。


 佐山先生、大変な人数ですね。私は一時にたくさんの視線が自分に注がれたので、どぎまぎしながらそう言いました。

 心強いです。妻の仲間が県外からたくさん駆けつけてくれました。全部絵本の方面ではなくて、イラスト、グラフィック等いろいろです。

 京子さん夫婦も来ておられますね。おや、京子さんのお母さんも・・・、あっ、冴子さんも・・・。

 ええ、二人のお母さんは壁画スタッフではなくて、合宿の食事を手伝っていただいています。

 お父さんは・・・。

 さすが畝本さん。心配は無用です。別室で仏像作りの打ち合わせを小室さんとお弟子さんと一緒にしておられます。下図を見ながら焼き物の各ブロックの形の構想を練っておられます。

 そうですか。では、この小学校が大きな工房になったのですね。

 その通りです。

 すごいですね。頼もしいですね。

 私は雑用係みたいなものです。

 で、壁画はどういう内容のものですか。

 テーマは家族です。

 家族。

 そうです。家族あっての国家です。家族の温かさを描いていただきます。

 合作で一枚の大作としてですか。

 いや、紙芝居形式です。

 えっ、紙芝居。

 そうです。・・・一体に美術館でも入れ替えなしではすぐに入場者は少なくなります。そこで、巨大な額縁を作って、そこにパネルに描いた作品を差し込みます。大よそ一週間で差し替えます。紙芝居みたいに・・・。

 すると相当の枚数が必要ですね。

 勿論そうです。だから、妻の知り合いをたくさん集めたんです。

 この学校の関係者はそういうプランをご存じですか。

 市の教員委員会のお方が会合前に挨拶にこられました。だいたいの計画は書面で届けていますので、ご存じの筈です。半信半疑というのが正直な気持ちだと思います。しかし、全貌が形として見えてくると納得していただけると信じています。・・・何より協力、団結の力です。それをしっかり見ていただきたいと思っています。・・・ああ、畝本さんの子ども教室もここで開かれてはいかがですか。

 願ってもないことです。・・・私は佐山先生の実行力に対して頭が下がる思いがしました。
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