求めれば求めるほど、人の心は離れていく。
物欲しげに目の前をいく人の波を眺める。
ただ一人、町を歩く私は、一体、人眼にはどう映っているのだろうか?
前屈みに歩いているのではないか?
腰が折れたまま、ヒョコヒョコと歩いているのではないだろうか?
いまだに、現状の自分を、素直にあるがまま表現する気持ちにはなれていない。
ついつい、格好をつけてしまう。
40年以上前と今、あまり進歩したとは言えないようだ。
閑話休題、
いやはや、運、不運は常に表裏一体であるらしい。
五つ葉のクローバーだぁ!! なんぞと浮かれていると、とんでもないことに巻き
込まれかねない。
朝、町を散策中に、巡回中の二人組の警官が、私に近づいてきた。
嫌な予感がした。
「もしもし、すみませんが、ちょっとお荷物を拝見させていただけませんか?」
案の定だ。
相手も仕事だろうと素直にカバンを開いて見せた。
カバンの中には銀行カード、通帳を入れた「小物入れ」が入っている。
それを開けろと言う。
ちょっと躊躇した様子を感じたのか、若い方の警官が言った。
「何なら署の方でお聞きしても良いのですが・・・。」
夜中や早朝ならともかく、すでに9時半を回っている。
道いく人もかなり多い。
若かりし頃、夜間高校の帰りに、いつも前を通っている交番の警官に留められ、
不審尋問を受けた時の事を思い出した。
よくよく私は「不審人物顔」しているらしい。
気持ちを抑えて、小物入れを開いて見せる。
中身は銀行のカード、通帳、職安のハローワークカードなどだ。
チラリと覗き込んで、「はい、結構です。」
ここまでは良かった。
それで終わりかと思いきや、
「背広のポケットを拝見したいのですが・・・。」ときた。()
それにはさすがにカッとなって、カバンを肩から外し、地面において、
上着を脱ぐと、大人気ないとは思ったが、警官の前に投げ出してやった。
彼らには、おそらく、そんな事は日常茶飯事なのだろう、
顔色一つ変えず、私のボロ背広を拾い上げると躊躇なくポケットに手を入れて、
中を探っていたが、改造拳銃もコカインも発見することは出来なかったらしい。
マニュアル通りなのか
「ご協力ありがとうございました。」
礼を言って、何事もなかったように、振り向きもせず離れていった。
見ていると、また少し向こうで若い男性のカバンを覗き込んでいるのが見えた。()
ひねくれ者の僻みかも知れないが、何故か女性には声をかけてはいない。
女性が相手だと、いろいろとうるさいのかもしれないな・・・などと思う。
「容疑者、風来、不審尋問に応ず。
取りあえず、現状においては異常なし」とか何とか・・・。
いいや、実際にはそんな記録すら残しはしないのだろう。
その午後、帰りがけに買い物、荷物を抱え、アパートの角を曲がろうとした。
向こうから来た女性のお年寄りが、私を見て、いきなり大きな声で言った。
「不法侵入は犯罪ですからぁ・・・!!」
ビックリして後ろを振り向いたが誰もいない。
どうやら私に向かって言ったものらしい。 ()
「そ、そうですね・・・。」
何とかそう答えると、老婆はちょっとの間、私を睨みつけるようにしていたが、
そのまま何も言わず、何もなかったかのように再び歩き出した。
このところ、お巡りさんには職務質問されるし、お年寄りには空き巣狙いと
間違えられるし、何とも不運(?)続きだ。
私って、そんなにも悪党面をしているのだろうか?・・・と、ひがんでいる。
いやはや、今日という日は、一体、どうなっているのだろうか?
物欲しげに目の前をいく人の波を眺める。
ただ一人、町を歩く私は、一体、人眼にはどう映っているのだろうか?
前屈みに歩いているのではないか?
腰が折れたまま、ヒョコヒョコと歩いているのではないだろうか?
いまだに、現状の自分を、素直にあるがまま表現する気持ちにはなれていない。
ついつい、格好をつけてしまう。
40年以上前と今、あまり進歩したとは言えないようだ。
閑話休題、
いやはや、運、不運は常に表裏一体であるらしい。
五つ葉のクローバーだぁ!! なんぞと浮かれていると、とんでもないことに巻き
込まれかねない。
朝、町を散策中に、巡回中の二人組の警官が、私に近づいてきた。
嫌な予感がした。
「もしもし、すみませんが、ちょっとお荷物を拝見させていただけませんか?」
案の定だ。
相手も仕事だろうと素直にカバンを開いて見せた。
カバンの中には銀行カード、通帳を入れた「小物入れ」が入っている。
それを開けろと言う。
ちょっと躊躇した様子を感じたのか、若い方の警官が言った。
「何なら署の方でお聞きしても良いのですが・・・。」
夜中や早朝ならともかく、すでに9時半を回っている。
道いく人もかなり多い。
若かりし頃、夜間高校の帰りに、いつも前を通っている交番の警官に留められ、
不審尋問を受けた時の事を思い出した。
よくよく私は「不審人物顔」しているらしい。
気持ちを抑えて、小物入れを開いて見せる。
中身は銀行のカード、通帳、職安のハローワークカードなどだ。
チラリと覗き込んで、「はい、結構です。」
ここまでは良かった。
それで終わりかと思いきや、
「背広のポケットを拝見したいのですが・・・。」ときた。()
それにはさすがにカッとなって、カバンを肩から外し、地面において、
上着を脱ぐと、大人気ないとは思ったが、警官の前に投げ出してやった。
彼らには、おそらく、そんな事は日常茶飯事なのだろう、
顔色一つ変えず、私のボロ背広を拾い上げると躊躇なくポケットに手を入れて、
中を探っていたが、改造拳銃もコカインも発見することは出来なかったらしい。
マニュアル通りなのか
「ご協力ありがとうございました。」
礼を言って、何事もなかったように、振り向きもせず離れていった。
見ていると、また少し向こうで若い男性のカバンを覗き込んでいるのが見えた。()
ひねくれ者の僻みかも知れないが、何故か女性には声をかけてはいない。
女性が相手だと、いろいろとうるさいのかもしれないな・・・などと思う。
「容疑者、風来、不審尋問に応ず。
取りあえず、現状においては異常なし」とか何とか・・・。
いいや、実際にはそんな記録すら残しはしないのだろう。
その午後、帰りがけに買い物、荷物を抱え、アパートの角を曲がろうとした。
向こうから来た女性のお年寄りが、私を見て、いきなり大きな声で言った。
「不法侵入は犯罪ですからぁ・・・!!」
ビックリして後ろを振り向いたが誰もいない。
どうやら私に向かって言ったものらしい。 ()
「そ、そうですね・・・。」
何とかそう答えると、老婆はちょっとの間、私を睨みつけるようにしていたが、
そのまま何も言わず、何もなかったかのように再び歩き出した。
このところ、お巡りさんには職務質問されるし、お年寄りには空き巣狙いと
間違えられるし、何とも不運(?)続きだ。
私って、そんなにも悪党面をしているのだろうか?・・・と、ひがんでいる。
いやはや、今日という日は、一体、どうなっているのだろうか?
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