Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

花篝

2009-03-25 14:44:51 | 

先日、「高槻のええとこブログ」主催の「服部郷のものづくりルーツを探る!」というイベントに参加しました。高槻の私の家の近く、宮之川原や西之川原、塚脇、浦堂、大蔵司が服部郷だったそうです。その時の講師「古藤幸雄」さんが書かれた小説「花篝」を読みました。桜の花びらの表紙でこの季節に読むのに相応しいなと思いました。「春の雪」「風のかたみ」「惜春」「花篝」の4つの短編が収録されています。「春の雪」には
天場(寒天小屋)が出てきて、先日案内して頂いて実物を見たばかりなので読んでいると塚脇の風景が
目の前に広がり、思いがけずタイムリーに小説を味わうことが出来ました。次は「花篝」の題名にひかれて
読みました。大阪・京都・札幌が舞台で、私の故郷嵐山や周山街道や八坂神社など知っている風景を
懐かしく思い出しながら読み進みました。大好きな桜にまつわるお話しも心をひきつけられました。その次は古藤幸雄さんが一番お気に入りという「惜春」を読みました。戦争が終わってシベリアに抑留された方が
帰国されてから始まるお話しです。舞台は京都と神戸。戦争は人の心も踏みにじり、幸せそうに暮らしておられる方も心の奥では深い傷を負っておられる方が多いだろうなと思いました。最後に「風のかたみ」を読みました。温泉場に湯治に来ている男性と忘れられない元恋人とのいきさつ。最後は女性の手紙での懺悔の告白で終わって、しんみり考えることがありました。4つの恋愛小説。さくらのように華やかではありませんが、読後にポッと花篝が灯ったような温もりを感じました。

お気に入り度:★★★★★  図書館資料 請求番号:913/コト

コメント
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