負の感情を表す語彙にも、しっかり焦点を当てたい。言葉は感情と思考の苗床。喜怒哀楽にプライオリティを付け過ぎると、自己分裂や自己乖離を生む恐れもある。母語・外国語に関わらず、悲しみや怒りについても、ボキャブラリを増やしてもらいたい。語彙をはっきりと口にする、あるいは思い浮かべることで、ふわふわと漂う感情を回収し、整理し、気持ちの抽斗に仕舞うことができる。時々、そっと抽斗を開けて、過去の時間を思い起こす。逆に、語彙不足だと未回収・未整理の感情が増え、心が淀んでくる。|収集したくないのが、武器・兵器などの戦争関連用語。人を殺し、人が殺されることを大前提とした固有名詞群。「自爆型ドローン」「対砲兵レーダー」「スイッチブレード」「ジャベリン」…口にするだに恐ろしい。どす黒い言霊が心身に絡みついてくる。なお、ウクライナ危機に乗じて防衛費を増大させよなど言語道断。無知ではいけないというのは確かにそうだが、信頼できると思った専門家の話を素直に傾聴すればそれでよい。|Twitterをちらっと覗くと、餅は餅屋ということの意味を無視したノイズが多く、食傷。首を突っ込まなくていいのに。内田樹氏の言う「先生はえらい」という感覚が大事で、「班門弄斧(素人やアマチュアがプロの前で腕前をひけらかそうとすること)」は恥ずかしい。|Facebookから来る「あなたの知り合いかも?」って余計なお世話。自分の知り合いぐらい自分でわかってるさ。友達の友達は友達ではない。人生は短いのに、情報は無駄が多すぎ。友達を拡げることよりも、偶然出合い、関わりを持つことになった人たちに何ができるのか考え、行動することのほうにより多くの時間を割きたい。その経験スキルを、これから出合うであろう誰かにも磨きをかけながら運用したい。(日講)|BGB:『おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考』(チャールズ・ファニーハフ著、 柳沢圭子訳、みすず書房、2022年)☞ 繁華街になぜ行きたくないのかわかった。自分の脳内が常に繁華街のように猥雑で喧しい場所だからだ。連休中にライブで渋谷に行くが、止むを得ない。でも、ライブなら渋谷より恵比寿のほうがいい。脳がおしゃべりで、街もおしゃべりだとドッと疲れてまう。もうゴウラ。アウラ(Aura)。ウララ(麗)。
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