A whiSper Of memOrieS

☬Murmure de mémoire☬

Ota-57

2021-01-31 | Tokyo
千葉雅也氏の『勉強の哲学 来たるべきバカのために』(文藝春秋、2017年)を再読している。この人の書く文章が好き。鋭利なのに、透明感があり、読むと創造力が湧いてきて、やる気・元気をもらえる。しかも、噛めば噛むほど美味しい。|昨日、地下鉄の車内で読んでいたのだが、面白くて時を忘れた。以前、読んだ際にも線を引いたが、今回もショッキング・ピンクの蛍光ペンで別の箇所に線を引く。線を引くのは、現在の自分に対して、その文章を顕現させ、吟味・「深思熟慮」を促すためであり、未来の自分に向けて過去の自分の思考(あるいは文章体験)の足跡を残しておくためでもある。|昨日、目に留まったのは、88頁の一節。「言語というものは、特定の環境内での用法で使うしかない。言語使用とは、他者の言語使用の真似です。言葉が有意味に使えるのは、特定の環境コードにおいてすでに使えてしまっているからである。アイロニストはこの(ヴィトケンシュタイン的な)言語観を攻撃し、環境依存的でない真理を求め、ナンセンスへと突き進んでいく。この道行きを避けるには、あらためて「言語の意味は用法である」という立場に戻るしかないでしょう。アイロニストは、極端に言えば、自分がたまたまある環境の中に投げ入れられていて、その言語に浸ってしまっている、という「偶然性」が我慢ならない。「必然的で唯一の」現実を生きたいという夢をもってしまう。しかしそれは、果たせない夢なのです。」||BGP:「Orb Synth」(Hexachord)☞破格セール中。太くて暖みのある音がするウェーブテーブルシンセ。最近の推しPluginです。
コメント    この記事についてブログを書く
« Ota-56 | トップ | Urayasu-396 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。