BGB:『瀧夜叉』（皆川博子著、文春文庫、1998年）／／笑っているのか、笑われているのか。しかっているのか、しかられているのか。両方だ。／踊っているのか、踊らされているのか。教えているのか、教えられているのか。両方だ。／生きているのか、生かされているのか。救っているのか、救われているのか。やはり両方。両者は単純に対立しているわけではなく、同時に並存することも多い。／／自分では、「～してあげてる」、「～してやってる」と思っていたことが、実は、「～させてもらっていた」と気づいた時、ほろ苦い気分と有難さがじわりと込み上げてくる。／可能な相手に、有難迷惑と思われない程度に、見返りを求めずなにかしてあげられたらいい、という気持ちが以前より増してきた。歳か。
