個人個人が抱く、「初心」というのは往々にして希望や善意や勇気に溢れていて清々しいもの。だが、個人が組織の一員となり、一定の年月が経つうちに、「組織内では常識」とされる不文律という「空気」に同化せざるを得なくなり、初心はないがしろになる。/「だからどうした。そんなことザラだ。珍しくもなんともない。みな多かれ少なかれそうしている。別に大袈裟に言うことはない。」/この「常識」が、多くの外国人には理解不能な、「日本人ならこうあるべきだ」という壮大な刷り込み。そして、「外国人に理解してもらわなくて結構」などとふんぞり返る輩がいまだに存在する。国際化やグローバリゼーションやボーダレスという概念は肯定するくせに、実際の言動は相反していて、頭の中は戦時中と変わらない井の中の蛙の島国根性。歴史に学ばないとは、歴史が繰り返す可能性があるということ。/ともかく、いわゆる「日本人の美徳」という考え方によって、私たちの手足は、柔らかく、しかし確実に縛られている。//初心の話から遠のいた。長年にわたり、自分のやりたいことをおおかたやりたいようにやれている。それが一番難しいことであり、贅沢な生き方なのかもしれない。//BGB:『同調圧力』(望月衣塑子、前川喜平、マーティン・ファクラー著、角川新書、2019年)、『龍星 星野之宣短編集』(星野之宣著、小学館、2019年)
最新の画像[もっと見る]
-
Ginza-20 3日前
-
Ishigakijima-11 2週間前
-
Ishigakijima-10 4週間前
-
Ishigakijima-9 4週間前
-
Urayasu-607 1ヶ月前
-
Urayasu-606 1ヶ月前
-
Urayasu-605 1ヶ月前
-
Ueno-3 1ヶ月前
-
Urayasu-604 1ヶ月前
-
Ota-177 2ヶ月前