メメント・モり
(死を想え)
この言葉は、ペストが蔓延り、生が刹那、享楽的になった中世末期のヨーロッパでさかんに使われたラテン語の宗教用語である。({メメント・モり」 藤原進也 著より)
死を真剣に想うことは、真剣に生きていることの証なのかもしれない。
末期ガンに冒された人を知っている。
彼は、自分のこころに整理をつけ、自分のことよりも残される家族のことばかり考えている。
はじめての入院先では、墓の広告ばかり眺めて退院するとすぐ墓を買う手続きをした。
一日3本の注射をしている。
それでも仕事を辞めることなど頭の片隅にもない。
立っている間は、精一杯生きる覚悟をしているのだろう。
その人を身近に見て想った。
生きよう
たとえ何があったとしても
這いつくばってでも
生きる決心をした
真剣に生きること。その資格があってこそ、死を言葉に出来るのではないだろうか?