水
2024-04-08 | 詩
壊れやすい水
古井戸は永遠に蓋をかぶせられた
水があるところには神が宿るという
飲み水になり
洗濯に使われ
そうして畑に命を宿す
野菜の状態を吟味するお婆さん
これはまだ食べごろじゃない
そういって草花に丁寧に水をかける朝のお仕事
戦前のこの島の写真を眺めた
まだ若い端正な顔立ちをした少女が
水瓶を運んでいる
美しい写真だった
ロバート・キャパが
ベトナムでシャッターを押した
米兵がトラックの上から
ベトナム人の男に煙草を薦めている
笑顔を浮かべている
あの悲惨な情景で
その写真の穏やかさに少し安心するんだ
ある人のコンサートに行った
数年ぶりの活動再開だ
彼女は優しく激しく歌った
魂 と想った
在る時期
僕はこの人の唄が聴けなかった
それは余りにも痛くってこころがどうにかしてしまいそうだった
彼女の歌を聴いて
自然と涙が溢れた
誰かの唄で泣いたことなんてそれまで無かった
きずくと 涙と汗で僕は滅茶苦茶だった
久しぶりに泣いた
随分と我慢していたんだな
泣いてすっきりとした
問題は山済みだね
流した壊れやすい水には
神が宿っていたのだろうか?
僕は彼女のいる世界に
同じ場所で同じ空気を吸っていることに感謝する
それは必然でたぶん奇跡だ
古井戸は永遠に蓋をかぶせられた
水があるところには神が宿るという
飲み水になり
洗濯に使われ
そうして畑に命を宿す
野菜の状態を吟味するお婆さん
これはまだ食べごろじゃない
そういって草花に丁寧に水をかける朝のお仕事
戦前のこの島の写真を眺めた
まだ若い端正な顔立ちをした少女が
水瓶を運んでいる
美しい写真だった
ロバート・キャパが
ベトナムでシャッターを押した
米兵がトラックの上から
ベトナム人の男に煙草を薦めている
笑顔を浮かべている
あの悲惨な情景で
その写真の穏やかさに少し安心するんだ
ある人のコンサートに行った
数年ぶりの活動再開だ
彼女は優しく激しく歌った
魂 と想った
在る時期
僕はこの人の唄が聴けなかった
それは余りにも痛くってこころがどうにかしてしまいそうだった
彼女の歌を聴いて
自然と涙が溢れた
誰かの唄で泣いたことなんてそれまで無かった
きずくと 涙と汗で僕は滅茶苦茶だった
久しぶりに泣いた
随分と我慢していたんだな
泣いてすっきりとした
問題は山済みだね
流した壊れやすい水には
神が宿っていたのだろうか?
僕は彼女のいる世界に
同じ場所で同じ空気を吸っていることに感謝する
それは必然でたぶん奇跡だ