由流里舎農園

歯科医師(歯学博士)・野菜ソムリエの島谷浩幸がお届けする気ままな農天気ブログ

妊婦さんの歯磨き・・・。

2012-05-11 12:01:11 | 日記
現在発売中の木楽舎「ソトコト」6月号。
88ページに掲載の私の紹介記事「スロー・ブラッシング」について、
補足を…。

著書「歯磨き健康法」(アスキー新書、2008)の109ページ辺りにまとめていますが、
私が考案・提唱する歯磨き法「スロー・ブラッシング」法は、
次の10カ条があります。

①まず、自分の口腔内の歯・歯肉の状態を正確に把握し、磨くべき「ツボ」を確認する。
②毛先の細い歯ブラシと、できれば反対の手に手鏡を持ちながら。
③気持ちは「スロー」に。じっくりとあせらず。
④時間帯は、寝る前のリラックスタイムが最適。座って楽な姿勢で。
⑤「ながら磨き」でよい。
⑥歯磨剤は使わない。使うとすれば、ブラッシング後に仕上げで最小限に。
⑦磨く順番は、どこからでも。ただし、自分なりに決めている方が、磨き忘れがない。
⑧全体でなく、歯の1本1本の「ツボ」に毛先を当てて丁寧に磨き上げる。歯ブラシは小刻みに動かす。
⑨適材適所で、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使い分ける。
⑩最後は、うがい薬でしっかりとブクブクうがい。

それぞれの項目の詳細は著書に書いていますが、要は、
夜寝る前のスローな時間帯に、スローな気持ちでじっくりと丁寧に歯磨きする方法、
でしょうかね。
いかにお口の中の細菌(特に虫歯菌、歯周病菌)を排除するか、
が虫歯・歯周病の予防・進行抑制に貢献します。



さて、今日は妊婦さんのお口の話。
詳しくは著書にも書きましたが、
歯周病の悪化は早産・低体重児出産の一つの要因になります。
歯周病菌の感染により炎症反応が身体に起きるのですが、
その際、プロスタグランディンという子宮を収縮させる物質が産生され、
まだ時期が早いのに子宮収縮→出産ということもあり得るのです。

また、歯周病菌の中には血液中の女性ホルモンを栄養源とするものがあり、
妊娠中は歯周病が悪化しやすいともいわれます。
さらに、妊娠初期のつわり。
少量の食物を何度にも分けて食べるという食習慣の変化や、食べ物の好き嫌いの変化、
つわり嘔吐による口の中のpHの低下、不快感による歯磨き不足…

いろんな理由で、口腔内環境の悪化が認められます。


ま、とにかく。
歯磨きは大切ってことですね。
コメント (1)
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