あるはれたひ。
さるのもんきちくんが、のはらのまんなかにたつ、いっぽんのきのしたにすわっていると、ねずみのちゅーたくんがやってきて、いいました。
「ねぇ、そんなところでなにをやっているの?」
もんきちくんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「ふーん。そらをみるのもいいけれど、ぼくのたいこのおとをきいてくれないかい?」
ちゅーたくんはそういってもっていたたいこを、たたいてみました。
「どうだい、いいおとでしょ?」
もんきちくんは、いさましいたいこのおとにかんしんして、いいました。
「うん。いいおとだね」
それからふたりはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんがそらをみあげていると、うさぎのぴょんこさんがやってきて、いいました。
「あなたたち、そんなところでなにをやっているの?」
ふたりは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「ふふふ。そらをみるのもいいけれど、わたしのフルートをきいてくださらない?」
ぴょんこさんはそういってもっていたフルートを、ふいてみました。
「どうかしら、いいおとでしょ?」
ふたりは、すみきったフルートのおとにかんしんして、いいました。
「へぇー。いいおとだね」
それからさんにんはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんとぴょんこさんがそらをみあげていると、くまのくまごろうくんがやってきて、いいました。
「おう、おまえたち、そんなところでなにをやっているんだい?」
さんにんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「ほーう。そらをみるのもいいけれど、おいらのもっきんをきいてくれないか?」
くまごろうくんはそういってもっていたもっきんを、ならしてみました。
「どうだい、いいおとだろ?」
さんにんは、あたたかいもっきんのおとにかんしんして、いいました。
「うーん。いいおとだね」
それからよにんはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんとぴょんこさんとくまごろうくんがそらをみあげていると、らいおんのライアンくんがやってきて、いいました。
「きみたちは、そんなところでなにをやっているんだい?」
よにんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「なるほど。そらをみるのもいいけれど、ぼくのトロンボーンをきいてくれないか?」
ライアンくんはそういってもっていたトロンボーンを、ふいてみました。
「どうかな、いいおとだとおもわないかい?」
よにんは、やわらかいトロンボーンのおとにかんしんして、いいました。
「ほー。いいおとだね」
それからごにんはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんとぴょんこさんと、くまごろうくんとライアンくんがそらをみあげていると、ぞうのぞうじろうくんがやってきて、いいました。
「みなさんは、そんなところでなにをなさっていらっしゃるのですか?」
ごにんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「すばらしい。なにもすることがないときは、そらをみあげるにかぎります。でも、もしよければ、わたしのバイオリンもきいていただけませんか?」
ぞうじろうくんはそういってもっていたバイオリンを、ひいてみました。
「いかがでしょうか?」
ごにんは、やさしいバイオリンのおとにかんしんして、いいました。
「はぁー。いいおとだねぇー」
それからろくにんはならんですわり、そらをみあげました。
くもひとつないあおぞらに、ことりたちがたのしそうに、とんでいました。
おひさまはぽかぽかとあたたかく、じっとしていると、そのままねむってしまいそうなほどしずかです。
みんなはひとつずつ、おおきなあくびをしました。
とつぜん、ぴょんこさんが、いいました。
「わたしたち、みんながっきをもっているじゃないの。おんがくたいをつくりましょう」
すると、ちゅーたくんが、いいました。
「もんきちくんは、なにかがっきをもっていないのかい?」
けれど、もんきちくんにはがっきがありません。
「ぼくには、なにもない」
もんきちくんはかなしそうなこえで、いいました。
みんなはしばらくだまっていました。
みんなはどうしたらよいのか、しんけんにかんがえていました。
そのときです。
ことりがいちわ、そらからまいおりてきて、ぞうじろうくんのあたまのうえにとまり、うつくしいこえでうたいました。
「そうだ!うたをうたえばいい」ぞうじろうくんが、いいました。
「そうだよ、きみにもがっきはある」ライアンくんが、いいました。
「のどをつかって、こえをだしてみればいいんだ」くまごろうくんが、いいました。
「そうよ、こえもがっきのひとつなのよ!」ぴょんこさんが、いいました。
「がっきがなくたって、きみにもおんがくはできる」ちゅーたくんは、いいました。
やがて、もんきちくんはにっこりとわらって、いいました。
「そうだね、ぼくにだって、おんがくはできる」
「そうだよ、きみにだって、おんがくはできる」
みんなはくちぐちに、いいました。
そうして、ろくにんはそれぞれのがっきをならし、すてきなおんがくをかなでることにしましたとさ。
【今日の一枚】
本日行われた年中組音楽会のリハーサル。明日はいよいよ本番です。保護者の皆様、どうぞお楽しみにおいでください。
さるのもんきちくんが、のはらのまんなかにたつ、いっぽんのきのしたにすわっていると、ねずみのちゅーたくんがやってきて、いいました。
「ねぇ、そんなところでなにをやっているの?」
もんきちくんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「ふーん。そらをみるのもいいけれど、ぼくのたいこのおとをきいてくれないかい?」
ちゅーたくんはそういってもっていたたいこを、たたいてみました。
「どうだい、いいおとでしょ?」
もんきちくんは、いさましいたいこのおとにかんしんして、いいました。
「うん。いいおとだね」
それからふたりはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんがそらをみあげていると、うさぎのぴょんこさんがやってきて、いいました。
「あなたたち、そんなところでなにをやっているの?」
ふたりは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「ふふふ。そらをみるのもいいけれど、わたしのフルートをきいてくださらない?」
ぴょんこさんはそういってもっていたフルートを、ふいてみました。
「どうかしら、いいおとでしょ?」
ふたりは、すみきったフルートのおとにかんしんして、いいました。
「へぇー。いいおとだね」
それからさんにんはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんとぴょんこさんがそらをみあげていると、くまのくまごろうくんがやってきて、いいました。
「おう、おまえたち、そんなところでなにをやっているんだい?」
さんにんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「ほーう。そらをみるのもいいけれど、おいらのもっきんをきいてくれないか?」
くまごろうくんはそういってもっていたもっきんを、ならしてみました。
「どうだい、いいおとだろ?」
さんにんは、あたたかいもっきんのおとにかんしんして、いいました。
「うーん。いいおとだね」
それからよにんはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんとぴょんこさんとくまごろうくんがそらをみあげていると、らいおんのライアンくんがやってきて、いいました。
「きみたちは、そんなところでなにをやっているんだい?」
よにんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「なるほど。そらをみるのもいいけれど、ぼくのトロンボーンをきいてくれないか?」
ライアンくんはそういってもっていたトロンボーンを、ふいてみました。
「どうかな、いいおとだとおもわないかい?」
よにんは、やわらかいトロンボーンのおとにかんしんして、いいました。
「ほー。いいおとだね」
それからごにんはならんですわり、そらをみあげました。
もんきちくんとちゅーたくんとぴょんこさんと、くまごろうくんとライアンくんがそらをみあげていると、ぞうのぞうじろうくんがやってきて、いいました。
「みなさんは、そんなところでなにをなさっていらっしゃるのですか?」
ごにんは、いいました。
「なにもすることがないから、そらをみていたんだ」
「すばらしい。なにもすることがないときは、そらをみあげるにかぎります。でも、もしよければ、わたしのバイオリンもきいていただけませんか?」
ぞうじろうくんはそういってもっていたバイオリンを、ひいてみました。
「いかがでしょうか?」
ごにんは、やさしいバイオリンのおとにかんしんして、いいました。
「はぁー。いいおとだねぇー」
それからろくにんはならんですわり、そらをみあげました。
くもひとつないあおぞらに、ことりたちがたのしそうに、とんでいました。
おひさまはぽかぽかとあたたかく、じっとしていると、そのままねむってしまいそうなほどしずかです。
みんなはひとつずつ、おおきなあくびをしました。
とつぜん、ぴょんこさんが、いいました。
「わたしたち、みんながっきをもっているじゃないの。おんがくたいをつくりましょう」
すると、ちゅーたくんが、いいました。
「もんきちくんは、なにかがっきをもっていないのかい?」
けれど、もんきちくんにはがっきがありません。
「ぼくには、なにもない」
もんきちくんはかなしそうなこえで、いいました。
みんなはしばらくだまっていました。
みんなはどうしたらよいのか、しんけんにかんがえていました。
そのときです。
ことりがいちわ、そらからまいおりてきて、ぞうじろうくんのあたまのうえにとまり、うつくしいこえでうたいました。
「そうだ!うたをうたえばいい」ぞうじろうくんが、いいました。
「そうだよ、きみにもがっきはある」ライアンくんが、いいました。
「のどをつかって、こえをだしてみればいいんだ」くまごろうくんが、いいました。
「そうよ、こえもがっきのひとつなのよ!」ぴょんこさんが、いいました。
「がっきがなくたって、きみにもおんがくはできる」ちゅーたくんは、いいました。
やがて、もんきちくんはにっこりとわらって、いいました。
「そうだね、ぼくにだって、おんがくはできる」
「そうだよ、きみにだって、おんがくはできる」
みんなはくちぐちに、いいました。
そうして、ろくにんはそれぞれのがっきをならし、すてきなおんがくをかなでることにしましたとさ。
【今日の一枚】
本日行われた年中組音楽会のリハーサル。明日はいよいよ本番です。保護者の皆様、どうぞお楽しみにおいでください。