アルゼンチン映画『家へ帰ろう』を観てきました。
アルゼンチンに住む88才の老人が主人公です。娘も孫もたくさんいるのですが、自宅は娘たちが売り払い、彼自身は老人ホームに入ることになっています。身辺整理をしている際、彼は突然旅に出ることを決意。飛行機、鉄道を乗り継いでポーランドに向かいます。彼の目的が何なのか、観客は見ている間にわかってきます。彼は人生の終わりを迎えるにあたり、親友に会うという約束を70年ぶりに果たすために旅に出たのです。
彼はホロコーストを生き延びたポーランド系ユダヤ人です。彼の回想や彼の話から、彼と当時の家族がどのような目に会ったのかがわかってきます。回想も彼の話も凄惨なものではありません。静かに淡々と語られます。だからこそそこに観客は、彼の怒りを、悔しさを感じます。
彼は今でも、自分たちを迫害した連中への憎しみから「ドイツ」「ポーランド」という言葉を一切口にしません。特にドイツの土地には一歩たりとも足をつけないと決めています。そんな頑固で偏屈な老人が、様々な人に助けられながら旅を続けます。駅で知り合ったドイツの女性は、彼の心に温かな楔を打ち込み、彼の心を少しずつ溶かしていきます。ポーランドの看護師は彼が親友を探しあてる手助けをします。そして彼は親友を探し当て、約束を果たします。『さあ、家へ帰ろう』。親友に促され、彼は一緒にかつての家へ向かいます。
上記のあらすじにひと癖もふた癖もある人々が絡み合います。老人自身が頑固ジジイといった体もあり、前半は何ともスペインぽさが炸裂(スペインとアルゼンチンの合作)。特に宿泊施設の女性オーナーとのくだりがいい味。笑えて、そして泣ける。人生後半に向かいつつある大人のための映画です。
しかしさ。
パリの鉄道駅で老人がスタッフに『スペイン語は話せますか?』と訊いたのに対し、『スペイン語は話せません』と答えているのは仕方ないとしても。『じゃ、英語は?』と訊かれて『英語も話せません』と言ってるけど、どうなのよ? この映画は2017年製作。今でもフランスでは英語を話さないのかいな。
アルゼンチンに住む88才の老人が主人公です。娘も孫もたくさんいるのですが、自宅は娘たちが売り払い、彼自身は老人ホームに入ることになっています。身辺整理をしている際、彼は突然旅に出ることを決意。飛行機、鉄道を乗り継いでポーランドに向かいます。彼の目的が何なのか、観客は見ている間にわかってきます。彼は人生の終わりを迎えるにあたり、親友に会うという約束を70年ぶりに果たすために旅に出たのです。
彼はホロコーストを生き延びたポーランド系ユダヤ人です。彼の回想や彼の話から、彼と当時の家族がどのような目に会ったのかがわかってきます。回想も彼の話も凄惨なものではありません。静かに淡々と語られます。だからこそそこに観客は、彼の怒りを、悔しさを感じます。
彼は今でも、自分たちを迫害した連中への憎しみから「ドイツ」「ポーランド」という言葉を一切口にしません。特にドイツの土地には一歩たりとも足をつけないと決めています。そんな頑固で偏屈な老人が、様々な人に助けられながら旅を続けます。駅で知り合ったドイツの女性は、彼の心に温かな楔を打ち込み、彼の心を少しずつ溶かしていきます。ポーランドの看護師は彼が親友を探しあてる手助けをします。そして彼は親友を探し当て、約束を果たします。『さあ、家へ帰ろう』。親友に促され、彼は一緒にかつての家へ向かいます。
上記のあらすじにひと癖もふた癖もある人々が絡み合います。老人自身が頑固ジジイといった体もあり、前半は何ともスペインぽさが炸裂(スペインとアルゼンチンの合作)。特に宿泊施設の女性オーナーとのくだりがいい味。笑えて、そして泣ける。人生後半に向かいつつある大人のための映画です。
しかしさ。
パリの鉄道駅で老人がスタッフに『スペイン語は話せますか?』と訊いたのに対し、『スペイン語は話せません』と答えているのは仕方ないとしても。『じゃ、英語は?』と訊かれて『英語も話せません』と言ってるけど、どうなのよ? この映画は2017年製作。今でもフランスでは英語を話さないのかいな。