「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

空港利用者のための県新年度予算

2008-02-17 23:40:30 | 日記
金曜日に県の新年度予算が発表された。
国の医療制度改革や肝炎対策に伴う事業費が増えたため一見医療に重点を置いたように見えるが、実際は来年度も医療環境はお寒い状況となりそうだ。
一方で聖域ともいうべき税金の使い道が空港事業だ。

読売新聞に「個人旅行値引きに補助」と紹介されているように
旅行会社に、チャーター便1座席当たり数千円か1機当たり数十万円の運航助成費と旅行パンフレットなど定期便を利用した旅行商品1商品につき約10万円の広報費補助。
さらに、閑散期の旅行商品を対象に、県が3000~5000円の値引き分を税金で負担。団体旅行客の送迎バスの借り上げ料も税金で補助。

航空会社には、ターミナルビルの運営会社に支払う使用料を補助。早朝静岡発の便を確保するために前泊する乗組員の宿泊・交通費も補助するという。

極め付きは空港を管理する「富士山静岡空港株式会社」に対して旅客ターミナルビル整備費の資金として30億円を貸し付けることだ。
税金で整備してあげて税金で賃料を毎年「富士山静岡空港株式会社」に払う。航空会社の賃料まで税金で補助して結局は「富士山静岡空港株式会社」に入る。
「富士山静岡空港株式会社」は税金投入のオンパレードで何の努力なしに黒字の構図だ。
「あなたにお金貸すので賃貸マンション建てませんか。建設費で足りない分は貸し付けてあげます。しかも決して赤字にならないようにほとんどの部屋をうちで借りてあげますから。それでも不安ならほかの賃借人の賃料をこちらで補助して全室埋めてあげますから。」といううまい話だ。自分の金ではない税金だから成り立つ話だ。
出資会社の静岡銀行、スズキ、時之栖、東芝機械、富士テクニカ、鈴与、静岡鉄道、スター精密、ヤマハ、ハマキョウレックスは運営会社を通じて税金で儲けられてまさに税金さまさまというところだろう。

先日発表された一人当たりの県民所得は全国3位。
これは県民雇用者報酬と財産所得と企業所得の合計を県民人口で割った比較だ。
一方、一人当たりの県民雇用者報酬の全国順位はというと21位。山梨県にも及ばない。
すなわち、静岡県は企業優先、県民生活劣後の県ということだ。
県行政もしかり。弱者に金をかけるよりも個人旅行者に金をかけるほうがいいという判断だということだ。

で、財源はといえば、石川嘉延、会見で「国は消費税の引き上げ幅と時期を早く明らかにするべきだ」と増税に期待。

弱者から集めた金が個人旅行者につぎ込まれる。
おかしな世の中だ。