「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

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見栄の県政

2008-07-22 00:12:10 | 日記
毎日新聞7月21日、同社による全国調査の結果が公表された。
新型インフルエンザが大流行しても医師や看護師のスタッフが足りるだろうと答えた都道府県は唯一静岡県だけだったという。
おまけに、病床確保もできる、発熱外来(新型インフルエンザ患者とそれ以外の患者の接触を最小限にするため発熱患者を診断する外来窓口)設置も2,899箇所決まっているときた。
それ以外の都道府県が分からないか足りないだろうと答える中でなぜ自信満々?なのか。
厚生労働省想定では新型インフルエンザ流行の際は全人口の4人に1人程度が罹患すると想定し、全国で1,321万人から2,454万人までの外来患者を予測。
入院患者は53万人~200万人。死者は17万人~64万人だ。
県も同様に外来患者39万人~73万人程度を予測。
入院患者も1.6万人~6万人。死者5千人~1.9万人となっている。

人口10万人当たりの医師数が169.9人と全国平均の206.3人に比べて低く、全都道府県中44位と低位の静岡県でどうして足りるというのか。
同じく、人口10万人当たりの一般病床数が589.8床と全国平均の713.0床に比べて低く、全都道府県中43位と低位の静岡県でどうして病床が足りるというのか。
発熱外来設置数も特殊専門医療病院の27病院を除いた全医療機関数2899か所というが、眼科や皮膚科の診療所でどうして設置できるのか。
全く不思議というよりも疑問だらけである。

医師・看護師は全く発症しないという想定であっても通常の患者もいる中では厳しい。
病床もピーク時に東京、千葉などの想定のように入院患者予測数の約1割の要入院者が集中したとしても現状の3割の病床を新型インフルエンザ用に必要となる上に人工呼吸器がその内の7.5%程度は必要となるとの試算ではアウトだ。
発熱外来にあっては全医療機関が設置に努めるという行動計画の一文をもって設置と考えているようだが、義務ではない上に、そもそも当の医療機関がそういう認識はないはずだ。行きつけの病院・医院に、おたくのところも発熱外来設置するんですよね、と聞いてみればすぐわかる詭弁だ。品川区の調査でも医療機関の6割以上が何らかの理由で設置できないと答えているのに静岡県が100%設置できると考えるのは楽観というよりも無責任というべきだろう。

こういった調査にあっても県としての回答である限り部長や局長などの決裁をもって回答しているはずである。
結局のところ、将軍様には良い知らせしか伝えられない幹部が大見栄を切ったということだろう。
さらに、
http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/181.html
のとおり、将軍様の興味のない医療福祉は節減し、彼のおもちゃに税金投入するのを支えるのに必死なのだ。
正しい情報が伝えられずに虚栄がはびこる構図は独裁国家の末期症状か。

それでも、最後にそのつけを払うのは県民であるというのが悲劇だ。