「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

静岡空港利用者の推移(開港5年目第10月)~平成25年度は46万人どまり~

2014-04-11 17:52:00 | 静岡空港
静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移

(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で5か年を比較したグラフです。
県は、県議会の要望を受け、次期県総合計画の中での5年後の空港利用者数目標を85万人から70万人に引き下げたものの、平成25年度はその目標の6割程度の実績に終わった。

全国的に見れば、2013年の訪日外国人旅行者数は前年に比べ200万人(24%)増加し、これまで最高だった震災前の2010年(平成22年)の861万人を大きく超える1,036万人と、過去最大を記録し追い風が吹いていた。
観光庁の観光統計によれば「平成25年年間値(暫定値)では、日本人延べ宿泊者数は約4億2,281万 人泊(前年比+2.3%)、外国人は約3,324万人泊(前年比+26.3%)。ともに、 調査開始(平成19年)以来、最高値」と同じ傾向が見られる。
もっとも、領土問題などによる関係悪化から出身国籍別で見て、中国、韓国については宿泊者数は平成22年比で約1割ダウンしているが、それでも震災前の水準に徐々に近づいている。
にもかかわらず、静岡空港の海外便利用者数は、過去最低を記録、特に韓国路線にあっては回復の兆しすら見えない散々な状況である。
一方、国内線にあっては回復基調にあるとはいえ、過去最高どころか平成22年水準にも及ばず、全国的な流れからは遅れを取っている。
オリンピックや防災にこじつけた静岡空港新幹線新駅の野望も潰えて、先の見通しは真っ暗な状況である。

それでは、以下、開港5年目の10月目となる3月実績に基づき傾向を概観する。

<傾向等>
3月という月は8月に次いで利用者数の多い月であり、搭乗率は高くて当然の月である。
経年的傾向を見るには利用者数を見るべきであるが、その3月実績は、国内線が各路線震災後の急落から復調基調の中で過去2位(とはいえ、いまだ平成22年時の7割に留まる)の実績となった反面、国際線は今月も過去最低記録を更新した。

路線ごとに見た過去5年間の3月実績のみで比較した順位と比率は以下のとおり。
札幌線8,043人   2位/過去5年(1位の平成22年9,070人に対して88.7%)
福岡線10,954人  2位/過去5年(1位の平成22年12,174人に対して90.0%)
鹿児島線3,154人  3位/過去5年(1位の平成22年4,313人に対して73.1%)
沖縄線7,663人   1位/過去5年(2位の平成25年6,653人に対して115.2%)
ソウル線6,445人 5位/過去5年(1位の平成22年17,491人に対して36.8%)
上海線1,906人   3位/過去4年(1位の平成23年2,198人に対して86.7%)
台湾線4,092人   1位/過去2年(昨年2,920人に対して140.1%)
また、総利用者は42,992人で過去5年間で第3位、ピークの平成22年に比べて68.7%であった。

国内線と国際線の過去5年間の推移を見ると、


先月同様、国内線が回復基調にある反面、国際線が低迷している状況がはっきりしている。

国内線の内訳を見ると、


先月過去最高を記録し国内線の牽引役だった福岡線が過去2位に後退。「福岡線にあっても、初年度の需要にようやく追いついたにすぎず、今後の伸びがなければ限界と見るべきであろう。」と先月述べたが、やはりそろそろ頭打ちの状況に来たと見られる。
もちろん、税金投入(福岡線を運行するFDAには直接同社に交付された補助金だけで9,127万6,279円もの額に及ぶ(平成24年度実績))を大幅に増やせば、実質運賃の低下につながり、それなりに利用者は増えるだろう。
しかし、「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」(地方自治法第2条)という地方公共団体のあり方、費用便益・効率性から見た税金の使途としては、大いに疑問である。

なお、5年目の実績については、残り2か月を前年並みと見て、前年の僅か数千人増の46万人弱に留まりそうな状況である。

では以下、今月の実績を記す。
<平成26年3月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H26.3/H25.3):搭乗率[H26.3;H25.3](赤文字は搭乗率が65%を下回っているもの)

札幌線:129.0%(8,043人/6,237人):[71.7%;79.4%]
福岡線:113.1%(10,954人/9,683人):[74.4%;66.3%]
沖縄線:115.2%(7,663人/6,653人):[70.2%;85.0%]
鹿児島線:86.0%(3,154人/3,668人):[71.9%;80.4%]
国内定期便計:113.6%(29,814人/26,241人):[72.3%;75.3%]

国内線チャーター便計:-%(498人/0人):[79.8%;-%]

国内線計:115.5%(30,312人/26,241人):[72.4%;75.3%]

ソウル線:56.8%(6,445人/11,339人):[55.7%;59.4%]
上海線:153.8%(1,906人/1,239人):[57.4%;41.5%]
台北線:155.7%(4,092人/2,920人):[80.9%;71.1%]
国際線定期便計:80.3%(12,443人/15,498人):[62.4%;59.2%]

国際線チャーター便計:15.5%(237人/1,527人):[100.0%;96.2%]

国際線計:74.5%(12,680人/17,025人):[62.8%;61.3%]

全路線計:99.4%(42,992人/43,226人):[69.3%;69.1%)]