「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

くらし・環境部による補助金交付、事実のすり替えや虚偽の疑い濃厚と、裁判で断罪さる

2014-07-25 22:22:00 | 雑感
先週末18日の判決報道を3連休の中で見落としていたので、本日これを紹介し、記録しておく。

この事件であるが、平成23年に県くらし・環境部が国の要領に基づいて「ふじのくに里山コミッション」という団体に補助金230万円を交付したことについて、静岡市内の弁護士らが、この団体には実体がなく、国の要領に定める補助金交付の要件を満たしていないとして県監査委員に住民監査請求を行ったところ、県の監査委員は国の要領に違反し不当ではあるが違法ではない、その不当も後に解消されているから補助金返還の必要はないと請求を棄却した事件である。

そして、監査請求した弁護士らがこれを不服として住民訴訟を行った第一審判決(静岡地裁)がこの18日、原告の主張を認め、県が知事に230万円の返還を請求するよう命じたのである。

何よりも、興味深い事実は、この判決で、
「補助金の申請時から交付に至るまで一貫して、事業の実施要領が定めた協議体の要件を満たしていないばかりか、実態を有していなかった」「(報告書の一部について)事実のすり替えを行った虚偽の疑いが濃厚」「違法な支出について故意又は過失があったと推認するほかない」などと県監査委員の下した結論を完全否定し、違法な補助金支出であるが故に返還が必要と断じたということである。
この判決を受け、原告の小川秀世弁護士は
「コミッションは、県職員が公金を自分たちのために使おうと作った。裁判所が明快な判断をしてくれた」(静岡新聞19日朝刊)
とコメントしたが、(実体がないという例は極端な例で違法であるが、)このマネーロンダリングとも言うべき手口というのは大きなものでは大規模イベント用に作った一時的な補助金受け皿団体などでは本県に限らずよく問題になる(長野オリンピック招致委員会の使途不明金問題など)ものである。
補助金という形で官製団体にお金が流れてしまえば、そこから先は県直接支出のように入札や出納審査などもなく事実上ブラックボックス化するからである。
そういう意味では、空港振興の目的で作られた富士山静岡空港利用促進協議会も同様で、税金が原資でありながらその具体的使途について文書開示請求すら出来ないのである。

違法な行為が組織内で横行し、職員は組織利益・組織防衛のためそれを取り繕うことが当たり前となり、本来そういう過ちをチェックし正しい道に導くべき監査委員までもがその悪事を助長するかのように取り繕いに加担し、もって、世間の常識からますます隔絶した組織となって職員の良心を蝕むという構図がこういう判決や幾多の不祥事から見て取れるのが今の静岡県である。

やはり、県民各位による監視強化は不可欠な処方箋であるということである。