職員上がりの副知事、知事に代わって県の方針示す

「私はもう早晩退職していく人間ですから、長期にわたる方針の決定をする立場にもない訳です。」
こう言って今週、記者会見ボイコット事件の釈明をした知事。

一方で、県職員上がりの副知事は重石が取れてわが世の春とばかりに元気だ。
昨日伝えた「富士山静岡空港航空貨物利用促進協議会」の副会長に就任した副知事、
「航空貨物を含む陸、海、空の物流振興が県政の重要な柱になる」と強調した（静岡新聞）とのことである。
さきに、知事とともに開港延期問題の責任を減給という形で取ったにもかかわらず、まるで処分も勲章といわんばかりの県役人体質丸出しだ。
まあ、次の知事をもうまく裸の王様にしてたかり企業に貢献できる県政に、せいぜい頑張ってくれたまえ。
今日の空港訴訟の公判、
土地収用した土地に関係して、本来収用不要な土地が強制収用された箇所が１６箇所にも及ぶ事実が明らかにされた。
土地収用はその事業に必要最小限の範囲までしか収用することが認められていないにもかかわらず、しかも、国だけでなく、第三者機関も入っての慎重な審査のはずが、何とも杜撰極まりない行政手続きだ。
憲法に保障された財産権などの権利と公益性とを調整するはずの手続きがこれでは、法の不備と断ずべきであろう。
そもそもこの空港事業のＢ／Ｃは利用者８６万人で１．０、すなわち費用が効果を上回ることは県自身が認めた事実で国も認めるところ。
結果は、８６万人には到底及ばず、公益性のない事業だったことは明らかだ。
当時の１０６万人はあくまで予測というが、冷静に判断すれば素人でも疑問を持つべき数字だ。
御用専門家や第三者機関という役人の隠れ蓑にメスを入れない限り嘘で塗り固められた大本営発表主導の行政手法は終わらない。
御用学者の就任・報酬を差配する役人にどうして当の学者が反旗を魔ｹよう。

公務員制度改革への期待、官僚に対抗できる政治。今期待されるゆえんである。