廃刊も師の死もネットで秋惜しむ ビートルズのDON‘T LET ME DOWN秋惜しむ 骨壷の母の寝息も秋惜しむ 猫の餌を奪り去る速さ秋惜しむ けもの道のような横丁秋惜しむ 東京町田まほろ駅前秋惜しむ 日記帳は家計簿と化し秋惜しむ 日米野球は日本の勝利秋惜しむ 秋惜しむここが市ヶ谷防衛省(11月25日) 人麻呂の挽歌一巻秋惜しむ 人斬らぬ三上左京と秋惜しむ
三島忌の俳句は必ず駄句となる 失業す三島由紀夫の忌を修す エッ三島さんが!の桂小金治の死 三島由紀夫霊界通信のその後 デンスケ賭博の爺ミシマに酷似せり 泥だらけの純情三島忌の炎と信ず 持ってけ泥棒憂国の日の古本屋 年に一度くらいいいだろう三島の忌 健さん逝く国憂ふ日の来世まで ソング・フォー・ユー三島忌は無音なり
平成二十六年十一月二十五日の忌日なり 人類は未熟と三島忌の海を見る 国憂ふ故早逝す三島の忌 ポケベルからスマホへ国憂ふ祭あり パッパラパーおじさんは三島忌を知っていた ニッポンはいま大焼野原三島の忌 ネトウヨはどこか変だね三島の忌 ビニール傘一本残る三島の忌 伊勢出雲行き交ふ白さ三島の忌(高円宮家と千家家の婚姻) 炎環あり三島由紀夫の日となれり
イスラム国を支持するためストーブを買いに走る まるまると太った秋猫は干しスルメが好物だった ゆっくりと凍死する 急いで生きて来たから 冬が来てもオマエの猫背は変わらない 自業自得の秋燕 もう帰れない人生 健さん逝く南極物語を直視せよ 三の酉は無かった 消防団は全員焼死した 後の祭り 火を焚いてサユリストになる 時代遅れか 新宿二丁目のオカマバーの名はおとりさま 木枯しが吹いても人類は必ず生き残る
幸福の黄色いハンカチ春が来た ぽっぽや逝く永遠の春来るといふ 行く末をつぶさに辿れば春ばかり まほろばは春のかたまり健さん逝く 悪さばかりしやがって健さん吼ゆ 日本はニッポン人のもの蚯蚓鳴く 「実弾だ!撃ち間違うな」健さん逝く(『動乱』より) ハンカチで汗拭く健さんビショ濡れに 健さん逝くニッポンの春健在なり アベノミクスと昭和残侠伝冬を待つ