星流る男根といふ神話あり 寒星の星たる所以地上にあり 白菜積むこんな女に誰がした オール沖縄オール日本二の酉鳴く 燕去るニッポン存続の秘策あり 沖縄戦十万本土決戦百万いや1億3千万 焼芋屋きっと来るさそのうちに 晩秋の階真っ暗闇の真っ黒け そろそろ紅葉そろそろ枯葉宙吊りに 寒空にすずめの悲鳴選挙カー
黄落すまたも人類滅亡教 ポロポロと渋柿落下夢が無い 電子レンジの空洞まるでシベリア 枯尾花人類の父もういない 大音声の「カモメはカモメ」紅葉狩 帰燕とは私の父のことなのか 新宿アルタ前秋燕の青さ満つ 新宿アルタ前夜の雪煙タモリかも 凍蝶は神ともハチ公前交差点 三の酉や十二日の人生明けやらず
残酷な天使のテーゼまたも結露せり 荒星や人生このまま終るまい アポロンの地獄人類は進化したか 愛と喝采の日々皆が叫ぶ卒業日 シアターコクーンの「イルカが消えた日」黄落す ロッカマイベイビーサザンの桑田舌ガンなり 秋鳩の羽のむらさきは私の死 針木鬼とはアカシアのこと雨強む アスファルトジャングルって何冬の猫 私はトランペットこんな冬空見たことない
熱湯に飛び込む勇気三鬼の忌 懐の手は大海に棄つ三鬼の忌 三鬼とゐるやっと素秋といふ言葉 玉音の日の湯は温め三鬼佇つ 三鬼はやゴジラとなれり冬陽果つ 三鬼集の詮無き青さ年の市 トランポリンの三鬼と飛蝗消滅す 大旦三鬼の一鬼躍動す にしひがし正解は無し三鬼の忌 スカイツリーの空磐石に三鬼の忌
マツコデラックスの虚空に遊ぶ懐手* 生きていたいアナログの空落葉焚く 病葉の散るスピードに燕去る 赤紙の黄ばむ月日の懐中手 懐手せずとも出郷の空紅し つぶやきシローの呟き秋燕の空つづく UFOの儚さ後の十三夜 蔦紅葉母をたずねて三千里 一葉落つ二葉落つ人生の機微つのる また生きて三鬼が奔るこの世の月*