わたしが子供の頃、近所のお友達と そのうちのお母さんたちと、よくザリガニ釣りにいった。
お母さんたちがすごくて、
子供の事は御構い無しにドンドンザリガニを釣っていく。
お手製の竿に、ちくわか魚肉ソーセージを餌につけて、最初の一匹目を釣る。
次の餌は、
ザリガニは、共食いをするのよね。
と、言いながら、最初の一匹目をその場でバキバキと解体して、餌にして釣っていく。
膝までズボンをまくって、半分沼に浸かりながら釣っていたお母さんたちの記憶がある。
足はザリガニに挟まれなかったのだろうか。
たちまちバケツは、ザリガニでいっぱいに。
わたしたちは、大きな石置き場の石によじ登ったりもしたから、すぐにお腹がペコペコになる。
危ない!なんて言うお母さんは一人もいなかった。
お昼は、たいていおにぎり。
よそのお母さんの握ったおにぎりは、丸い形だったりして、面白かった。
こういうワイルドなハイキングが、本当に楽しかったけれど、
今思うと、
あのお母さんたちは、今のわたしくらいの年齢だったのね。
鮮やかに、ザリガニを釣り上げる。
躊躇なく生きているザリガニを捻る。堅いザラザラの殻から、艶やかな白い身が取り出される。
手早く紐に結んで、次のザリガニを釣る為に、竿を片手に沼に入る。
その一連の動きは、エレガントにすら見えた。
わたしの、お母さん、の原点の姿って、コレなのかもしれない。
わたしの後ろ姿も、子供たちには、あんな風に見えているといいのだけれど。