かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

可児駅~JR東海 太多線(岐阜県可児市)

2011-11-23 | 木造駅舎の旅

太多線は文字通り美濃太田と多治見を結ぶ路線で、可児駅は可児市の中心広見町の西に位置しています。
開業は大正7年で、昭和3年太多線全線開通と同時に現在地に移転しました。
赤い屋根に外壁は白ペンキ塗りのいかにもローカル線の木造駅舎らしい雰囲気です。
すぐ隣りに名鉄広見線新可児駅があります。

◆可児駅~JR東海 太多線/岐阜県可児市下恵土1254
 竣工:昭和3年(1928)
 構造:木造平屋建
 撮影:2011/10/10









駅舎の玄関前に昭和3年から61年まで使用された腕木式信号機が保存されています
全国でも当時のまま保存されている信号機は珍しいということです

 

 

 

 


可児川駅~名古屋鉄道 広見線(岐阜県可児市)

2011-11-20 | 木造駅舎の旅

名鉄は古い趣のある木造駅舎が多数残っていましたが、最近は谷汲駅や八百津駅、布袋駅などの名駅舎が取り壊され、戦前からの駅舎は数えるほどになってしまいました。
可児川駅も平成19年に駅集中管理システムが導入され、駅舎の外装やホームが改装されましたが、駅舎自体は取り壊しをまぬがれ現在も開業時の面影を残しています。

可児川駅は大正14年に「ライン遊園駅」として開業、ライン下りの起点が隣の今渡駅に移る昭和44年まで、ライン下りの下車駅として賑わいました。
観光駅らしく赤い三角屋根やファサードのアールデコ風の柱など遊び心が漂う木造駅舎でしたが、下見板の外装やホームの木造待合室が撤去されたのは残念です。

現在は駅の近くにカヤバ工業や大王製紙があり、工場の通勤駅になっていますが、休日には鳩吹山登山のために利用する人も見られ、往時の観光駅の面影が蘇ります。


◆可児川駅~名古屋鉄道 広見線/岐阜県可児市土田北割田1356‐7
 竣工:大正14年(1925)
 構造:木造平屋
 撮影:2011/10/10



柱や出入り口に幾何学的モチーフが見られるアールデコ風デザイン


待合室の木造ベンチが良い雰囲気を醸し出しています





平成11年当時の可児川駅
現在の駅舎(上の写真)と比べると外壁の下見板がトタン張りになり妻側のデザインも変更されています






ホーム側から見た駅舎~赤い三角屋根は健在ですが外壁はすべて改装されました






年代物の待合室とベンチもすべて撤去され、上の写真のようないかにも殺風景なホームになってしまいました


古井駅~JR東海 高山本線(岐阜県美濃加茂市)

2011-10-31 | 木造駅舎の旅

◆古井駅(JR東海 高山本線)/岐阜県美濃加茂市森山町1-1-39
 竣工:大正11年(1922)
 構造:木造平屋
 撮影:2011/10/02

美濃加茂市を代表する主要駅である美濃太田駅から高山に向かって次の駅が古井駅になります。
大正11年開業の古井駅も坂祝駅同様木造下見板張りのシンプルな外観ですが、屋根を半切妻(切妻屋根の隅を切り落としたように傾斜をつける)にすることによって、より洋風らしさが演出されています。
現存する高山線の木造駅舎は、ほとんどが同じデザインの簡素な外観ですが、古井駅は白く塗られた下見板と半切妻のドイツ屋根があいまって、大正期の木造駅舎らしいモダンな雰囲気が感じられます。

 




いかにもローカル線らしいのんびりとした雰囲気が漂う木造駅舎
駅舎前のソテツの大木がムード満点です





板に彫られた駅名は「JR東海」の表記が無いので旧国鉄時代のものでしょうか
坂祝駅には無いアールデコ風の金属製の持ち送り(コーベル)も当時のままです



開業年が記された建物資産標

 


上り線ホームから駅舎を望む



跨線橋から駅舎を望む~写真上が美濃加茂・岐阜方面

 

 


坂祝駅~JR東海 高山本線(岐阜県加茂郡)

2011-10-29 | 木造駅舎の旅

◆坂祝駅(JR東海 高山本線)/岐阜県加茂郡坂祝町取組363
 竣工:大正10年(1921)
 構造:木造平屋
 撮影:2011/10/02

高山本線は岐阜駅(岐阜市)から高山駅を経由して富山駅(富山市)に至るJR東海の鉄道路線で、大正9年に岐阜駅~各務原駅間が開業し、翌年に各務原~美濃太田間が開業しました。
岐阜~鵜沼間の駅舎は全て建て替えられましたが、坂祝~高山間は開業当時の木造駅舎がまだまだ現存しており、坂祝駅も大正10年当時の姿をとどめています。

 


駅舎玄関~木造下見板張りの端正な外観で装飾などは全く見当たりません

 


駅舎北側を跨線橋から望む



駅舎の接する1番線ホーム(上り岐阜・名古屋方面)



玄関脇に大正10年10月登録の建物資産標が貼り付けてありました

 

 


岩村駅(明知鉄道明知線)岐阜県恵那市

2011-10-20 | 木造駅舎の旅

岩村建築散歩 その1~岩村駅

明知鉄道明知線は岐阜県恵那市の恵那駅から明智駅に至る鉄道路線で旧国鉄から1985年に第三セクターの明知鉄道に転換されました。
終点の明智駅と並び主要駅である岩村駅は昭和9年開業、現在も当時の外観をとどめています。
最近明智駅がリニューアルされツルピカになったため、良い具合に古びている岩村駅は、開業時の雰囲気を伝える最後の貴重な駅舎になりました。
駅舎は町の中心から東側のやや離れた所にあり、駅の西側一帯本町通を中心に岩村の古い町並みが残っています。


◆岩村駅(明知鉄道明知線)/岐阜県恵那市岩村町2367-2
 竣工:昭和9年(1934)
 構造:木造平屋
 撮影:2011/09/18

 


◆程よく古びた駅舎が歴史のある岩村の町並みにマッチしています




◆旧字体で右から書かれた手書きの駅名が味わい深い


JR東海中央本線 釜戸駅(岐阜県瑞浪市)

2011-09-21 | 木造駅舎の旅

ほぼ10年ぶりくらいに岐阜県東濃地方に建築探訪に出かけました。
国道19号線で恵那市に向かう途中、こちらも10年ぶりに中央本線の釜戸駅と武並駅に立ち寄りました。
まずは瑞浪市にある釜戸駅。最近は地方の小さな木造駅舎も次々とモダンな駅舎に建て替えられているので心配でしたが、以前と変わらず明治の木造駅舎が健在で一安心。
やっぱり地方の小さな駅は木造駅舎が似合います。

 

◆JR東海中央本線 釜戸駅/岐阜県瑞浪市釜戸町東大島
 竣工:明治35年(1902)
 構造:木造平屋
 撮影:2011/09/18

 

 


名古屋鉄道広見線 明智駅(岐阜県可児市)

2011-08-07 | 木造駅舎の旅

◆名古屋鉄道広見線 明智駅 /可児市広見平貝戸字川田551
 竣工:大正9年(1920)
 構造:木造平屋
 撮影:2008/0923  

大正9年伏見口駅として開業、昭和57年駅名が改称され明智駅となりました。
八百津線が分岐する拠点駅でしたが、2001年9月で八百津線が廃線となり、現在は広見線の一駅になってしまいました。
外壁は改装されていますが、駅舎自体は大きな改修は受けておらず、大正期の開業時の面影をとどめています。

 


名古屋鉄道広見線 御嵩駅(岐阜県可児郡御嵩町)

2011-08-01 | 木造駅舎の旅

名古屋鉄道広見線御嵩駅は、広見線の終着駅で、かつての中山道御嶽宿が置かれていました。
現駅舎は昭和27年に建てられた2代目の駅舎で、大正9年に東濃鉄道が開業した時は、隣の御嵩口駅が初代御嶽駅として終着駅になっていました。
戦後の駅舎ながらハーフティンバー風の木枠を見せるつくりで、遊び心が感じられる雰囲気のある駅舎です。

◆名古屋鉄道広見線 御嵩駅 /岐阜県可児郡御嵩町中字西之門2302-2
 竣工:昭和27年(1952)
 構造:木造平屋
 撮影:2008/09/23

 



 

 


長良川鉄道 富加駅(岐阜県加茂郡)

2011-07-26 | 木造駅舎の旅

大正~昭和に建てられた地方の木造駅舎は、素朴なデザインながら現代の機能的な駅舎とは一味違った旅情を誘う趣があります。
地方のローカル線の経営は苦しく、廃線に至る鉄道路線も数多い昨今、今ならまだ間に合う各地に残る木造駅舎を一つでも多く紹介していきたいと思います。

長良川鉄道の富加駅は、大正12年国鉄越美南線開業時のまま残る駅舎で、開業時は加茂野駅と言う駅名でした。
現在越美南線は第三セクター方式の長良川鉄道によって運営されていますが、沿線の過疎化とモータリゼーションの波に押され乗降客が減少、経営環境は厳しく苦しい経営が続いています。
環境にやさしい交通手段として再び鉄道が見直されていますが、地方の鉄道はどこも経営状態は苦しく、路線の存続は私たち利用者にかかっています。

◆富加駅(長良川鉄道越美南線)岐阜県加茂郡富加町羽生
 竣工:大正12年(1923)
 構造:木造平屋
 撮影:2007/03/04

 


駅舎玄関~屋根の鬼瓦も当時のまま



駅構内~美濃太田方面ホーム



ホームの木製のベンチ~かなりの年代ものです

 

 


西大垣駅~養老鉄道 養老線(岐阜県大垣市)

2008-05-08 | 木造駅舎の旅

養老線は開業当時の古い木造駅舎が残っていますが、今も当時のたたずまいを残す西大垣駅は、映画「黄色い涙」(2007年公開)のロケ地になり、1960年代の東京の阿佐ヶ谷駅として使われました。
このほか愛知県江南市の商店街も、アイドルグループ嵐演じる若者たちが通うレトロな食堂のある阿佐ヶ谷の商店街として登場しています。


 

◆西大垣駅~養老鉄道 養老線/岐阜県大垣市木戸町910
 竣工:大正2年(1913)
 構造:木造平屋
 撮影:2008/05/03 


養老駅~養老鉄道 養老線(岐阜県養老郡養老町)

2008-05-06 | 木造駅舎の旅

大正時代の当時のまま時間が止まったようなの古い木造駅舎ですが、養老公園に遊びに来る行楽客のための正面玄関にふさわしい風格を感じさせる立派な駅舎です。
鬼瓦の載った入母屋屋根と洋風のドーマー窓が違和感なくマッチし、和洋折衷の独特の雰囲気が観光駅としての華やかさを演出しています。
現在は当時と比べ鉄道を利用する行楽客も減り、訪れた日はゴールデンウィークの連休中にもかかわらず駅前はひっそりとして、ほとんど人影もなく、立派な駅舎がさびしそうに見えました。

 
◆養老駅~養老鉄道 養老線/岐阜県養老郡養老町鷲巣白石道
 竣工:大正2年(1913)
 構造:木造平屋 
 撮影:2008/05/03


■鬼瓦の載る入母屋の車寄とドイツ風のツノ付きのドーマー窓


 

■待合室と改札口



■駅構内にある昭和にタイムスリップしたようなレトロな売店と喫茶店。
売店には懐かしいセルロイド(死語?)の飾りが下がり、名産のひょうたんが所狭しと並んでいます。
隣の喫茶店で珈琲を飲みたかったのですが、残念ながら閉店していました。



■カフェと呼ぶのがふさわしい木製のドアも当時のままの「千歳」