現存する近代建築では、戦前の医院建築が、和・洋・折衷様式とデザインが多様で楽しめます。特に戦前のお医者さんといえば、現在とは比較にならない社会的なステータスがあり、家柄、財力、知力の三拍子がそろった地方の名士でした。当時、個人で最新の建築様式を採用した西洋館を建てられるのは、一部の金持ちだけでしたので、一般庶民はその立派な洋風の建物を見るだけで、お医者様の威光をいやがうえのも実感したのです。
◆北原医院(長野県諏訪市)
諏訪湖畔で見つけた古い医院。張り出し窓が洋館らしさを演出しています。
◆宮島耳鼻科/大正3年(長野県松本市)
屋根に小さな塔がある本格的洋館です。
◆上條医院(長野県松本市)
◆山崎歯科医院/明治20年代(長野県松本市)
明治に建てられた珍しい赤煉瓦建築の医院
◆竹内産婦人科/昭和3年(愛知県刈谷市)
大中肇設計の貴重な医院建築。
◆藤本内科医院/(岐阜県土岐市)
ライトブルーの下見板が洋館に良く似合います。
◆武藤医院/昭和初(三重県桑名市)
昔はこんな医院がどこの町にもありました。
◆新美眼科医院/大正14年(愛知県半田市)
大正の洋館らしく屋根瓦は和風です。
◆山田歯科医院/昭和前(岐阜県多治見市)
外壁は改装されていますが、玄関のペディメントとオーダーが古典様式のツボを押さえたつくりになっています。
◆熊谷医院/昭和13年(岐阜県土岐市)
ヨーロッパの民家を思わせるマンサード屋根の医院。
◆石黒歯科/(愛知県名古屋市)
窓枠から昭和の匂いが・・・
◆新生医院(岐阜県揖斐郡池田町)
ドイツ壁と玄関のスクラッチタイルが渋いです。
◆久保田外科/昭和9年(岐阜市)
玄関周りが見所です。